抗血栓トライアルデータベース
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CHANT antiplatelet use
結論 脳内出血発症時の抗血小板薬の使用について,出血量増加,出血拡大,90日後の臨床転帰との関連はみられなかった。このことより,脳内出血後の抗血小板薬療法是正の試みは正当化できないかもしれない。

目的 脳内出血発症時の抗血小板薬の使用が出血,浮腫の拡大,および機能転帰に影響を与えるか,CHANT試験(Stroke 2007;38:2262-9)のデータを用いて検討。
デザイン 前向きコホート研究。
セッティング
期間
対象患者 本解析の対象は282例。CHANT試験の対象患者は18歳以上,発症から6時間以内の脳内出血患者607例。
【除外基準】本解析では,抗凝固療法中の患者は除外。
【患者背景】年齢中央値は抗血小板薬使用群71(63-77)歳,非使用群63(54-73)歳(p<0.0001)。各群の男性77.1%,62.3%(p=0.02)。高血圧の既往91.4%,80.2%(p=0.02)。脳卒中の既往21.4%,6.1%(p=0.001)。発症からCTまでの時間111.5(77-171)分,120.5(83-176)分。来院時のNational Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコア13(9-18),13(9-17)。
治療法 来院時にaspirin,clopidogrel,dipyridamole,triflusal,indobufenを使用中であった症例を抗血小板薬使用群,それ以外を非使用群として比較。
追跡完了率
結果

●評価項目
対象患者のうち,脳内出血発症時に抗血小板薬を使用していたのは70例(24.8%)であった。内訳はaspirin単独56例,clopidogrel単独5例,aspirin+clopidogrel 3例,aspirin+dipyridamole 2例,triflusal 2例,dipyridamole単独1例,indobufen 1例。
脳内出血発症時の抗血小板薬の使用は,以下のいずれとも関連は認められなかった。初期出血量;投与群13.1(7.9-27.3)mL vs 非投与群15.7(7.9-31.4)mL(p=0.37),初期浮腫体積;8.2(4.9-13.9)mL vs 9.0(4.7-16.3)mL(p=0.97),出血量の絶対変化;0.81(-0.79-3.71)mL vs 0.92(-0.19-5.93)mL(p=0.32),出血量の相対変化;4.8(-7.8-23.1)% vs 7.5(-3.4-38.1)%(p=0.26),33%を超える出血拡大;24.2% vs 26.2%(p=0.75),72時間後の出血量;14.0(7.7-35.2)mL vs 17.6(8.3-39.2)mL(p=0.38),72時間後の浮腫体積;19.2(9.3-39.3)mL vs 21.6(12.0-42.5)mL(p=0.32),外科的吸引;1.4% vs 1.9%(p=0.64),90日後の死亡率;14.3% vs 17.7%(p=0.51),90日後のmRS≦3 47.1% vs 50.0%(p=0.68)。
多変量解析によると,脳内出血発症時の抗血小板薬の使用は,出血拡大(RR 0.85,95%CI上限1.03,p=0.16),33%を超える出血拡大(RR 0.77,95%CI上限1.18,p=0.32),90日後の臨床転帰(OR 0.67,95%CI 0.39-1.14,p=0.14)のいずれとも関連は認められなかった。

●有害事象

文献: Sansing LH, et al.; CHANT Investigators. Prior antiplatelet use does not affect hemorrhage growth or outcome after ICH. Neurology 2009; 72: 1397-402. pubmed
関連トライアル BAT retrospective study, MUCH-Italy, SAINT postthrombolysis ICH, SITS-ISTR antiplatelet therapy
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