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Béjot Y et al Epidemiology of ischemic stroke from atrial fibrillation in Dijon, France, from 1985 to 2006
結論 フランス・ディジョン市における1985~2006年の解析において,心房細動(AF)を合併した心原性脳梗塞の発症率は減少したが,これはAF患者における抗凝固療法実施率がわずかに上昇したことによるものと考えられた。しかし人口の高齢化に伴い,抗凝固療法はさらに多く実施されなければならない。

目的 地域住民をベースにした前向き研究において,AFに続発する心原性脳塞栓の発症率,死亡率,リスク因子の傾向を評価し,AF患者に対する抗凝固療法の大規模適用の影響を検討。
デザイン 前向きコホート研究。
セッティング 多施設,フランス。
期間 実施期間は1985年1月1日~2006年12月31日。
対象患者 3064例。フランス東部の都市ディジョン(1999年現在の人口150138人)居住者のうちの脳梗塞初発患者。
【除外基準】表記なし。
【患者背景】脳梗塞発症前の抗凝固薬使用率は,1985~1991年:AFの既往を有するAF合併心原性脳梗塞患者6.3%,AFの既往のないAF合併心原性脳梗塞患者1.9%,その他の脳梗塞患者3.0%,1992~1999年:14.6%,7.4%,5.5%,2000~2006年:21.6%,5.1%,5.8%,1985~2006年:14.1%,4.2%,4.9%(p<0.001)。脳梗塞発症前の抗血小板薬使用率は,1985~1991年:6.3%,11.3%,6.2%,1992~1999年:39.2%,22.2%,23.4%,2000~2006年:35.3%,17.9%,25.6%,1985~2006年:27.6%,16.0%,19.4%(p<0.001)。
治療法
追跡完了率 2年後の生命状態追跡完了率は99%。
結果

●評価項目
ディジョン市における65歳以上の割合は1985年の14.3%から2006年は15.8%と上昇した。この間の脳梗塞発症は3064例で,うちAF合併の心原性脳梗塞は572例(18.7%)であった。
AF合併の心原性脳梗塞の年代別の発症率(10万例・年あたり)は,1985~1988年7.4%,1989~1992年7.1%,1993~1996年7.0%,1997~1999年5.9%,2000~2003年5.4%,2004~2006年7.1%で,22年間にわたり減少した(罹患率比[IRR]0.9858,95%CI 0.9731-0.9986,p=0.030)。これは女性(IRR 0.9820,95%CI 0.9659-0.9985,p=0.033),70歳超(IRR 0.9818,95%CI 0.9684-0.9954,p=0.009)の発症率が減少したためと考えられた。男性(IRR 0.9917,95%CI 0.9713-1.0125,p=0.430),70歳未満(IRR 1.0185,95%CI 0.9795-1.0592,p=0.358)では減少しなかった。
AF合併の心原性脳梗塞患者は,全試験期間において,AFの既往,心筋梗塞の既往,年齢70歳超の割合が高かったが(すべてp<0.001),高コレステロール血症有病率は低かった(p=0.003)。
抗血小板薬,抗凝固薬使用率はAF合併の心原性脳梗塞患者において高かった(いずれもp<0.001)。脳梗塞サブタイプにかかわらず,これらの使用率は上昇したが(患者背景参照),このカレンダー効果はAF合併の心原性脳梗塞患者において顕著であった。
1ヵ月後の生存率は,AF合併の心原性脳梗塞患者72%(95%CI 0.68-0.76),他の脳梗塞患者88%(95%CI 0.87-0.89),1年後52%(95%CI 0.48-0.56)vs 76%(95%CI 0.74-0.78),2年後43%(95%CI 0.39-0.48)vs 69%(95%CI 0.67-0.71)と全追跡期間において低かった。

●有害事象

文献: Béjot Y, et al. Epidemiology of ischemic stroke from atrial fibrillation in Dijon, France, from 1985 to 2006. Neurology 2009; 72: 346-53. pubmed
関連トライアル ACTIVE W paroxysmal vs sustained, HAT 1, IST 2001, MOCA, NASPEAF stratified analysis, Ostermayer SH et al, Saposnik G et al, SPAF I-III 2000
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