抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
メタ解析
DES植込み患者における抗血小板療法中止の安全性
Safety of Short-Term Discontinuation of Antiplatelet Therapy in Patients With Drug-Eluting Stents
結論 薬剤溶出性ステント(DES)植込みを受けた患者において,ASA投与が継続される場合,チエノピリジン系薬剤の短期中止は比較的安全である。

目的 外科的手技を受けるDES植込み患者において,抗血小板療法は多くの場合中止されるが,これは晩期ステント血栓症の重要なリスク因子である。本論文では,抗血小板療法短期中止の安全性を検討する。
方法 MEDLINEにて,2001年1月-2008年7月に発行された英語およびフランス語で書かれた論文について,検索語;“coronary disease”“drug-eluting stent”“thrombosis”を用い,晩期ステント血栓症(ステント植込み30日後以降1年以内に発症)および超晩期ステント血栓症(ステント植込み後1年後以降に発症)患者を同定。また,参考文献一覧のハンドサーチも行った。
対象 161例(ASAおよびチエノピリジン系薬剤を同時に中止33例,チエノピリジン系薬剤中止後ASAを中止15例,チエノピリジン系薬剤は中止するもASAは継続94例,抗血小板薬併用療法を継続19例)。
【患者背景】
平均年齢はASAおよびチエノピリジン系薬剤を同時に中止例57.9±12.8歳,チエノピリジン系薬剤中止後ASA例60.8±13.1歳,チエノピリジン系薬剤は中止するもASAは継続例57.6±13.4歳,抗血小板薬併用療法を継続例61.7±15.3歳。各群の女性3%,7%,13%,33%。DESタイプはpaclitaxel溶出性ステント60%,60%,46%,53%,sirolimus溶出性ステント40%,40%,54%,47%。閉塞血管はLAD 54%,54%,71%,53%,RCA 30%,23%,22%,20%,LCx 13%,23%,5%,7%,LM 3%,0%,2%,20%。臨床所見は心筋梗塞90%,80%,88%,88%,不安定狭心症10%,20%,12%,6%。
主な結果 ・PCIから発症までの時間
経皮的冠動脈形成術(PCI)から晩期ステント血栓症発症までの時間(中央値)は,ASAおよびチエノピリジン系薬剤を同時に中止例204日(95%CI 159-300),チエノピリジン系薬剤中止後ASA例365日(95%CI 244-487),チエノピリジン系薬剤は中止するもASAは継続例521日(95%CI 450-629),抗血小板薬併用療法を継続例183日(95%CI 91-258)。
・薬剤中止から発症までの時間
ASA中止から晩期ステント血栓症発症までの時間(中央値)は,ASAおよびチエノピリジン系薬剤同時中止例7日(95%CI 5-7),チエノピリジン系薬剤中止後ASAを中止例7日(95%CI 7-14)であった。
チエノピリジン系薬剤中止から晩期ステント血栓症発症までの時間(中央値)は,チエノピリジン系薬剤中止後ASAを中止例182日(95%CI 91-304),チエノピリジン系薬剤は中止するもASAは継続例122日(95%CI 91-244)であった。
10日以内のステント血栓症発症は,チエノピリジン系薬剤は中止するもASAは継続した症例では6例(6%)であったのに比し,ASAおよびチエノピリジン系薬剤同時中止例26例(79%),チエノピリジン系薬剤中止後ASAを中止例10例(67%)と多かった(p<0.0001)。
・転帰
161例の内訳は,非致死的急性冠症候群118例,急性冠症候群後死亡17例,突然死1例,不明25例。
文献: Eisenberg MJ, et al. Safety of short-term discontinuation of antiplatelet therapy in patients with drug-eluting stents. Circulation 2009; 119: 1634-42. pubmed
関連トライアル j-Cypher
関連記事