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Friberg L et al Stroke in paroxysmal atrial fibrillation: report from the Stockholm Cohort of Atrial Fibrillation
結論 発作性心房細動(AF)患者における脳梗塞発症率は永続性AFにおけるそれと同程度,また一般人口の2倍であったにもかかわらず,発作性AF患者は永続性AF患者ほど抗凝固療法を受けていない。

目的 脳卒中リスクについてよくわかっていない発作性AFについて,同リスクを永続性AFと比較。
デザイン コホート研究。
セッティング 多施設(2施設),スウェーデン。
期間 平均追跡期間は3.6±0.3年。
対象患者 1981例。2002年の1年間,入院中または外来にてAF/心房粗動と診断された患者(SCAF試験;Eur Heart J 2006;27:1954-64の対象者)。
【除外基準】脳卒中による入院(93例),試験参加の対象となった入院中に死亡(88例),持続性AF(619例),AFの種類の記録なし(148例)。
【患者背景】平均年齢は発作性AF群73±13歳,永続性AF群78±10歳。各群の女性51%,47%。AFと診断されてからの年数1.4±2.7年,2.8±4.0年。CHADS2スコア1.7±1.3,2.4±1.3。孤立性AF 6%,2%。脳梗塞/TIAの既往11%,18%。薬物治療;warfarin 28%,49%,aspirin 49%,41%,予防療法なし22%,9%。(性別は有意差なし,その他はすべてp<0.0001)
治療法 追跡期間中におけるAFの種類の変化を問わず,2002年時点での診断にもとづいて発作性AF(855例)と永続性AF(1126例)を比較。
追跡完了率
結果

●評価項目
脳梗塞発症率は発作性AF 26件/1000患者・年 vs 永続性AF 29件/1000患者・年と同等であった(p=0.45)。
脳卒中の既往の有無を問わず,発作性AFと永続性AFの間に脳梗塞発症率の差は認められなかった;脳卒中既往患者を含めた場合のHRは1.10(95%CI 0.78-1.56),除外した場合のHRは1.07(95%CI 0.71-1.61)。
脳出血についても,発作性AFと永続性AFの間に差は認められなかった;脳卒中既往患者を含めた場合のHRは0.39(95%CI 0.14-1.09),除外した場合のHRは0.35(95%CI 0.10-1.20)。
全脳卒中(虚血性/出血性)についても,発作性AFと永続性AFの間に差は認められなかった;脳卒中既往患者を含めた場合のHRは0.96(95%CI 0.70-1.31),除外した場合のHRは0.89(95%CI 0.61-1.30)。
年齢および性別で補正後,発作性AF患者は一般人口に比し,脳梗塞は2倍であったが(標準化比2.12,95%CI 1.52-2.71),脳出血は同程度であった(標準化比1.07,95%CI 0.39-2.32)。永続性AF患者では,脳梗塞は標準化比1.82,95%CI 1.36-2.28,脳出血は標準化比1.98,95%CI 1.13-3.22。
発作性AF患者において,warfarin投与を受けている患者は非投与患者に比し,脳梗塞が顕著に少なかった(HR 0.44,95%CI 0.30-0.65)。しかし脳梗塞/一過性脳虚血発作/脳出血の既往患者を除外すると信頼区間が広がり,有意水準に合致しなかった(HR 0.56,95%CI 0.27-1.16)。

●有害事象

文献: Friberg L, et al. Stroke in paroxysmal atrial fibrillation: report from the Stockholm Cohort of Atrial Fibrillation. Eur Heart J 2010; 31: 967-75. pubmed
関連トライアル AFFIRM subgroup analysis, Hylek EM et al, Italian AT-500 Registry, NABOR, PROTECT AF, SCAF mortality, SPAF II 1996
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