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Ruiz-Nodar JM et al Efficacy and safety of drug-eluting stent use in patients with atrial fibrillation
結論 本試験結果によると,心房細動患者における薬剤溶出性ステント(DES)のルーチン使用の正当性は示されないようである。DESによる大出血リスクはベアメタルステント(BMS)に比し高く,このことは,DESの使用は再狭窄高リスクの患者または病変に限定すべきであるという可能性を高めた。

目的 十分な検討がなされていない心房細動患者におけるDESの使用について,その安全性,有効性をBMSと比較。一次エンドポイント:主要有害心臓事象(MACE,死亡+心筋梗塞+標的血管不良)。二次エンドポイント:主要有害事象(MACEのいずれか,大出血,かつ/または脳卒中)の各要素,心不全悪化のための入院。安全性のエンドポイント:大出血。
デザイン コホート研究。
セッティング 多施設(2施設)。
期間 PCI施行期間は2001年1月-2008年1月。追跡期間中央値は564(289-1065)日。
対象患者 604例(傾向スコアによる調整後は414例)。1つ以上のステント植込みを受けた心房細動患者。
【除外基準】表記なし。
【患者背景】(傾向スコアによる調整後の414例)平均年齢はDES群71.4±8.15歳,BMS群71.7±8.9歳。各群の男性69.6%,75.8%。CHADS2スコア2.2±1.1,2.1±1.3。虚血性イベントの既往50.5%,29.5%(p<0.01)。カテーテル手技の適応;急性ST上昇型心筋梗塞18.4%,26.1%,急性非ST上昇型心筋梗塞61.4%,58.5%,安定狭心症かつ/または虚血17.4%,16.4%。ステント径2.8±0.4mm,3.0±0.5mm(p<0.01)。ステント長合計30.7±17.3mm,23.1±13.6mm(p<0.01)。ステント個数1.84±1.1個,1.6±0.98個(p=0.02)。多枝病変57.5%,46.9%(p=0.04)。退院時の抗血栓療法;aspirin 88.7%,88.5%,clopidogrel 95.5%,90.0%,coumarin 59.1%,52.6%,3剤併用45.7%,44.8%。
治療法 抗血小板薬併用療法を受けて退院した患者では通常,BMS植込みの場合はPCI施行1ヵ月後,DES植込みの場合は3-12ヵ月後に併用のうちの1剤を終了した。
追跡完了率 追跡完了は95.9%。
結果

●評価項目
傾向スコアにより調整した414例(各群207例)を解析した。
MACEはDES群4.26 vs BMS群4.44(HR 0.96,95%CI 0.67-1.38,p=0.85),MAEは5.91 vs 4.5(HR 1.31,95%CI 0.94-1.83,p=0.12),死亡は3.4 vs 3.47(HR 0.98,95%CI 0.64-1.49,p=1.0)といずれも有意差は認められなかった。
大出血は2.26 vs 1.19とDES群の方が多かった(HR 1.9,95%CI 1.05-3.43,p=0.03)。
(数値はいずれも件数/10000 days of exposureを示す)

多変量解析によると,MACEおよび全死亡の両方の予測因子であったのは加齢(MACEのHR 1.05;1.01-1.09,全死亡のHR 1.06;1.01-1.12),慢性心房細動(MACEのHR 3.32;1.28-8.58,全死亡のHR 7.28;1.94-27.37),慢性腎不全(MACEのHR 2.99;1.58-5.65,全死亡のHR 4.38;2.09-9.17),coumarinの非使用(退院時のcoumarin使用について,MACEのHR 0.40;0.22-0.74,全死亡のHR 0.34;0.17-0.68)であった。DESの使用はイベント発生率抑制の予測因子ではなかった。

●有害事象
[評価項目]に表記。

文献: Ruiz-Nodar JM, et al. Efficacy and safety of drug-eluting stent use in patients with atrial fibrillation. Eur Heart J 2009; 30: 932-9. pubmed
関連トライアル AMADEUS, Gao F et al, Migliorini A et al, PROTECT AF
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