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Mikulik R et al 2009 Outcome of patients with negative CT angiography results for arterial occlusion treated with intravenous thrombolysis
結論 ベースラインCT血管造影において,動脈が閉塞していないことはまれではない。動脈閉塞を伴わない患者における血栓溶解療法後の脳内出血リスクは,任意抽出の集団のそれと同様であり,tPAは理にかなった治療と考えられるが,脳卒中以外の病因も考慮すべきである。

目的 CT血管造影にて動脈閉塞がみられない患者におけるtPA静注の臨床転帰を検討。
デザイン 登録研究。
セッティング
期間 試験期間は2003年8月-2007年6月。
対象患者 138例。National Institute of Neurological Disorders and Stroke(NINDS)基準に従い,顕著な神経障害発現から3時間以内に,CT撮影後tPA静注を受けた脳卒中患者。
【除外基準】―
【患者背景】動脈閉塞陰性例の平均年齢は71±10歳。女性41%。冠動脈疾患56%,心房細動21%,高血圧87%,脳卒中の既往18%。ベースラインのNational Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコア中央値11(8-13)。平均血圧166±28/94±14mmHg。脳卒中の病型;アテローム血栓性33%,心原性26%,ラクナ梗塞28%,その他10%。
治療法
追跡完了率 最終解析対象は39/40例。
【脱落理由】追跡CT不成功。
結果

●評価項目
CT撮影後tPA投与を受けた138例のうち,動脈閉塞陽性は98例(71%),陰性は40例(29%,最終解析対象は39例)であった。
3ヵ月後のmodified Rankin Score(mRS)0-1は18例(46%),0-2は23例(59%)であった。
6例(15%)が死亡した。内訳は脳卒中再発2例,症候性実質性出血(タイプ2)2例,心/肺合併症2例。
症候性実質性出血は3例(8%),うち2例が死亡した。
24時間後の梗塞体積は1.5cm 3であった。
14例(36%)はコントロールCTで新規の梗塞が認められなかった。残りの症例のうち,1例は脳炎と診断された。
多変量解析によると,転帰不良の独立予測因子は高齢(OR 1.13,95%CI 1.01-1.27,p=0.03),ベースラインNIHSS>12(OR 18.8,95%CI 1.4-261,p=0.03)であった。
なお,動脈閉塞陽性であった98例では,3ヵ月後の転帰不良は68%,死亡は37%であった。

●有害事象

文献: Mikulik R, et al. Outcome of patients with negative CT angiography results for arterial occlusion treated with intravenous thrombolysis. Stroke 2009; 40: 868-72. pubmed
関連トライアル ICARO-2, Mattle HP et al, RECANALISE, RESTORE, SAINT postthrombolysis ICH, SAMURAI, SAMURAI CT versus DWI, Saqqur M et al, Schellinger PD et al, Singer OC et al, SITS-ISTR importance of recanalization, SITS-ISTR blood pressure, SITS-ISTR elderly, SITS-ISTR young patients, SITS-MOST multivariable analysis, Toni D et al, VISTA baseline severity, von Kummer R et al, 前方循環閉塞に対する血栓溶解療法
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