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SUMO Stroke Unit Multicenter Observational Study
結論 rt-PAの認可はわが国の脳梗塞治療の過程に劇的な変化をもたらした。rt-PA静注療法実施率は,特にstroke unit(SU)を有する施設で増加した。

目的 SUMO試験(Stroke Unit Multicenter Observational Study)のデータを用い,rt-PAの認可がわが国の脳梗塞治療の過程に与えた影響について検討。
デザイン 前向きコホート研究。
セッティング 多施設(84施設),日本。
期間 試験期間は2004年12月-2005年12月。
対象患者 4620例。症状発現から72時間以内に入院した脳卒中患者。
【除外基準】出血性脳卒中。
【患者背景】平均年齢は承認前群72±12歳,承認後群72±12歳。各群の男性59.9%,60.1%。SUを有する施設への入院45.0%,42.7%。症状発現から入院までの時間中央値6(2-18)時間,6(2-20)時間。脳卒中の病型は小血管閉塞38.5%,36.3%,心原性26.0%,25.3%,大血管アテローム性動脈硬化症24.7%,26.3%,その他10.5%,12.2%。合併症は高血圧62.7%,66.9%(p=0.010),糖尿病24.6%,27.5%,脂質異常症20.9%,21.3%。
治療法 対象患者を入院時期によりrt-PA承認前*1,承認後*2に分け,比較。
*1:2004年12月1日-2005年10月10日に入院した3531例(SUあり1589例+SUなし1942例)。
*2:2005年10月11日-2005年12月31日に入院した1089例(SUあり465例+SUなし624例)。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
rt-PA承認後,rt-PA静注実施率は増加した(0.7%→2.6%,p<0.001)。SUを有する施設では0.9%→5.2%(p<0.001)と増加したが,SUのない施設では有意差は認められなかった(p=0.587)。動脈内血栓溶解療法は減少傾向が認められた(1.9%→1.1%,p=0.068)。
rt-PA承認後,下記の実施率が増加した;conventional MRI 74.0%→78.4%(p=0.003),拡散強調MRI 71.6%→77.5%(p<0.001),磁気共鳴血管造影法(MRA)66.9%→72.3%(p=0.001),頸動脈超音波検査32.2%→36.9%(p=0.004),プロトロンビン時間(PT)または活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)測定84.5%→87.1%(p=0.034),血糖値測定96.5%→98.0%(p=0.015),トロンビン・アンチトロンビンIII複合体測定15.7%→20.4%(p<0.001),D-ダイマー測定25.1%→ 29.8%(p=0.003)。
逆に,下記の実施率は低下した;脳血管造影 7.2%→4.5%(p=0.002),SPECT 2.0%→0.8%(p=0.012)。

●有害事象

文献: Sato S, et al.; Stroke Unit Multicenter Observational (SUMO) Study Group. Impact of the approval of intravenous recombinant tissue plasminogen activator therapy on the processes of acute stroke management in Japan: the Stroke Unit Multicenter Observational (SUMO) Study. Stroke 2009; 40: 30-4. pubmed
関連トライアル Bravo Y et al, EPITHET, J-ACT, Mattle HP et al, MELT Japan, Mori E et al, RESTORE, rtPA血栓溶解療法の転帰における性差, SAINT postthrombolysis ICH, SAMURAI, SAMURAI CT versus DWI, SAMURAI DWI-ASPECTS, Saqqur M et al, Schellinger PD et al, SITS-ISTR, Toni D et al, Tsivgoulis G et al
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