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Erlinge D et al Patients with poor responsiveness to thienopyridine treatment or with diabetes have lower levels of circulating active metabolite, but their platelets respond normally to active metabolite added ex vivo
結論 prasugrel はclopidogrel(負荷用量600mg投与後維持用量投与)に比し薬力学的低反応例(poor responder)が少なかった。clopidogrel低反応例および糖尿病患者における不完全な血小板阻害のメカニズムは活性代謝物血漿中濃度が低いためであり,血小板中のP2Y12受容体機能の差違は認められなかった。
コメント クロピドグレル,プラスグレルともにプロドラッグであるため,薬効は代謝活性に依存する。薬効と最も直接関連するマーカーは血小板のP2Y12阻害率であるが,これを計測しない状況での議論には混乱が多いと思われる。(後藤信哉

目的 (1)clopidogrel(負荷用量600mgおよび維持用量75mg)の薬力学的低反応例数をprasugrel(負荷用量60mgおよび維持用量10mg)と比較,(2)clopidogrelおよびprasugrel 活性代謝物の薬物動態的特性より薬力学的低反応例を評価,(3)低反応例において,生体外でclopidogrel活性代謝物を加えることによりP2Y12受容体機能を調査。
デザイン ランダム化,二重盲検。
セッティング
期間 追跡期間は28±3日。
対象患者 110例。aspirin投与を受けている年齢40-75歳の安定冠動脈疾患患者。
【除外基準】―
【患者背景】―
治療法 prasugrel 群*1およびclopidogrel群*2にランダム化。
*1:55例。prasugrel負荷用量60mg投与後,維持用量10mg/日投与。
*2:55例。clopidogrel負荷用量600mg投与後,維持用量75mg/日投与。
両群とも登録後5-21日間aspirin 75mg/日を投与し,維持用量投与期(28±3日間)は試験薬およびaspirin 75mg/日を併用投与。
薬力学的解析は光透過性血小板機能検査(ADP誘発性),血管拡張薬刺激性リン蛋白質(VASP)リン酸化反応により,薬物動態学的解析は活性代謝物濃度により評価。
追跡完了率 96.4%。
【脱落理由】―
結果

●評価項目
低反応例(最大血小板凝集[ΔMPA]<10%,MPA>50%,VASP血小板反応性指数[PRI]>50%,残存血小板凝集(RPA)>14%)の割合は,全定義,全測定時点においてclopidogrel群の方が多かった。
負荷用量投与時;clopidogrel群9.6%-92.5% vs prasugrel群0%-16.4%。
維持用量投与時(ΔMPA<10%,MPA>50%,VASP PRI>50%);15%-53% vs 2%-4%,(RPA>14%);63%-72% vs 22%-28%。
clopidogrel群において,低反応例は反応例に比し,活性代謝物血漿中濃度が低下していた。なお,prasugrel 群では低反応例数が少ないため,統計比較が不可能であった。
活性代謝物を生体外で加えた比較では,ベースライン時,負荷用量投与前,維持用量投与中のいずれの時点についても,低反応例および反応例におけるP2Y12受容体機能の差違はみられなかった。
糖尿病患者では非糖尿病患者に比し,clopidogrel群,prasugrel群とも活性代謝物濃度が低下している傾向がみられた。糖尿病患者において,PRIは負荷用量投与後および維持用量投与中とも上昇傾向がみられたが,活性代謝物を生体外で加えると,有意差は認められなかった。

●有害事象

文献: Erlinge D, et al. Patients with poor responsiveness to thienopyridine treatment or with diabetes have lower levels of circulating active metabolite, but their platelets respond normally to active metabolite added ex vivo. J Am Coll Cardiol 2008; 52: 1968-77. pubmed
関連トライアル OCLA, ONSET/OFFSET, PREPAIR, PRINCIPLE-TIMI 44, RELOAD, Sibbing D et al (2009, JACC)
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