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Koton S et al Serum urate predicts long-term risk of acute coronary events in women after a transient ischaemic attack and stroke
結論 一過性脳虚血発作(TIA)または脳梗塞患者において,血清尿酸値高値は,女性では急性冠動脈イベント長期リスクの独立予測因子であったが,男性では関連性は認められなかった。日常診療において,尿酸値は冠動脈イベント高リスクの女性を同定する指標として有用である。

目的 UK-TIA Aspirin試験(J Neurol Neurosurg Psychiatry 1991; 54: 1044-54),Oxford TIA試験(J Neurol Neurosurg Psychiatry 2003; 74: 577-80)のデータを用い,ベースライン時の尿酸値と急性冠動脈イベントの長期リスクおよび脳梗塞再発リスク,重症度との関係について検討。エンドポイント:脳梗塞,急性冠動脈イベント(急性心筋梗塞,解剖時に冠動脈血栓症が認められた突然死,冠動脈血栓症が原因と推定される突然死)。
デザイン UK-TIA Aspirin試験:ランダム化。Oxford TIA試験:コホート研究。
セッティング UK-TIA Aspirin試験:多施設。
期間 追跡期間はUK-TIA Aspirin試験:平均7.25年。Oxford TIA試験:10年。
対象患者 2131例。UK-TIA Aspirin試験(TIAまたは軽症脳卒中患者)のうち血清尿酸値が得られた1842例+Oxford TIA試験(TIA後3ヵ月以上脳卒中を発症していない患者)のうち血清尿酸値が得られた289例。
【除外基準】―
【患者背景】年齢中央値はUK-TIA Aspirin試験60(45-74)歳,Oxford TIA試験69(51-85)歳(p<0.0001)。各試験の男性72.1%,61.7%(p<0.0001)。治療中の高血圧27.1%,39.3%。治療中の糖尿病3.3%,5.2%。現在の喫煙51.7%,23.4%。MIまたは狭心症の既往16.8%,27.6%。BMI中央値25.1(20.0-31.2),24.9(19.0-31.8)。
治療法
追跡完了率
結果

●評価項目
2試験の統合解析では,15483患者・年の間に脳梗塞259件,急性冠動脈イベント281件が発生した。
尿酸値(1mg/dL上昇ごと)と脳梗塞リスクとの間には関連がみられなかった(HR 1.00,95%CI 0.89-1.13,p=0.98)。また,尿酸値と脳卒中重症度との間にも関連はみられなかった(p for trend=0.45)。
尿酸値(1mg/dL上昇ごと)と急性冠動脈イベントとの間には関連が認められた(HR 1.17,95%CI 1.06-1.30,p=0.003)。試験ごとのHRは,UK-TIA Aspirin試験:HR 1.15,95%CI 1.00-1.32,p=0.06,Oxford TIA試験:HR 1.17,95%CI 0.97-1.40,p=0.10。
性別(p=0.001),BMI(p=0.004),MI/狭心症の既往(p=0.05)は尿酸と急性冠動脈イベントとの間の効果修飾因子であったが,他の血管リスク因子を調整すると,有意な関連がみられたのは性別(p=0.002)のみであった。
尿酸値別の解析では,第5五分位群 vs 第1五分位群のHRは女性:HR 4.23,95%CI 1.97-9.07,p<0.0001,男性:HR 1.09,95%CI 0.70-1.71,p=0.69)であった。

●有害事象

文献: Koton S, et al. Serum urate predicts long-term risk of acute coronary events in women after a transient ischaemic attack and stroke. Cerebrovasc Dis 2008; 26: 517-24. pubmed
関連トライアル AVERROES previous stroke/TIA, CISRS, EARLY, SPAF III von Willebrand factor
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