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ACTIVE W INR control
結論 プロトロンビン時間国際標準比(INR)治療域内時間(TTR)によって判断すると,INRのコントロールは施設間,国家間に幅がみられ,抗凝固療法の効果に強い影響を及ぼしていた。抗凝固療法のベネフィットを得るために必要なTTR最小値は58-65%と推定され,これを下回ると,抗血小板療法に比しベネフィットが得られないと考えられた。

目的 心房細動患者を対象としたACTIVE W試験において,施設間,国家間のINRコントロールの変動を調査し,この変動が経口抗凝固療法の効果にどのように影響を及ぼすか,抗血小板薬併用療法と比較検討。さらに,抗凝固療法のベネフィットを得るために必要な治療域最小値を決定する。
デザイン 本論文はACTIVE W(Lancet 2006; 367: 1903-12)のINRコントロールに関するサブ解析。
セッティング 本論文の解析対象は526施設,15ヵ国。
期間
対象患者 6706例。以下のリスク(75歳以上;全身性高血圧の治療;脳卒中,一過性脳虚血発作,非中枢神経系全身性塞栓症の既往;左室機能障害;末梢動脈疾患;55-74歳の場合は糖尿病または冠動脈疾患合併)を1つ以上有する心房細動患者。
【除外基準】―
【患者背景】平均年齢はTTR<65%の施設の患者69.7±9.8歳,≧65%の施設の患者70.7±9.3歳,各群の男性64.1%,67.1%。差異がみられた項目は,ベースライン時に抗凝固療法中;74.6%,81.0%,心不全の既往35.8%,26.4%。
治療法 ACTIVE W試験 は抗血小板薬併用(3335例。aspirin 75-100mg/日を推奨+clopidogrel 75mg/日)群と抗凝固薬群(3371例。目標INRは2.0-3.0)にランダム化。
追跡完了率
【脱落理由】―
結果

●評価項目
抗凝固薬群のTTRは平均63.4%,中央値65%であった。参加各施設を施設ごとの全患者の平均TTRで特徴付け,4分割(平均TTRが<53.8%,53.8-65.0%,65.1-73.3%,>73.3%)したところ,各群の平均TTRは44%,60%,69%,78%であった。
TTR中央値で患者を二分した検討によると,平均TTR<65%の施設の患者では,抗血小板薬併用群に比し,血管イベントについての抗凝固薬の効果は得られなかった(抗血小板薬併用群 vs 抗凝固薬群の相対リスク[RR]0.93,95%CI 0.70-1.24,p=0.61)。逆にTTR≧65%の施設の患者では顕著な効果がみられた(RR 2.14,95%CI 1.61-2.85,p<0.0001)。
血管イベントのオッズ比とTTRの関係についての解析では,オッズ比の95%CI下限値が1.0となるのは,TTRが58%のときであった。
国ごとの平均TTRは,最低値が46.3%(南アフリカ),最高値が77.8%(スウェーデン),また抗血小板薬併用 vs 抗凝固薬のRRは最低値が0.57(95%CI 0.19-1.75),p=0.33(南アフリカ),最高値が3.60(95%CI 1.34-9.71),p=0.01(オーストラリア)とバラツキがみられた。

●有害事象

文献: Connolly SJ, et al.; ACTIVE W Investigators. Benefit of oral anticoagulant over antiplatelet therapy in atrial fibrillation depends on the quality of international normalized ratio control achieved by centers and countries as measured by time in therapeutic range. Circulation 2008; 118: 2029-37. pubmed
関連トライアル ACTION, ACTIVE W, ACTIVE W CHADS2 score, ACTIVE W paroxysmal vs sustained, ARISTOTLE time in therapeutic range, CHARISMA atrial fibrillation, ESPRIT , ISAM, JAST, Lamberts M et al, MATTIS, NASPEAF, NASPEAF stratified analysis, ORBIT-AF, Sadanaga T et al, Torn M et al, 心血管疾患リスクを有する患者におけるaspirin+OAC併用とOAC単独投与の比較
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