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PRAGUE-8
結論 待機的冠動脈造影(CAG)前のclopidogrel 高用量負荷投与(600mg)は経皮的冠動脈形成術(PCI)周術期の梗塞を抑制せず,小出血を増加させた。

目的 安定狭心症患者におけるclopidogrelのPCI前投与法について,CAG前,全例にclopidogrelを投与しPCIを施行(2005年に発行されたESCガイドラインが推奨する非選択的投与法)と,CAG後,PCI施行前に投与(従来の選択的投与法)を比較。一次エンドポイント:7日以内の死亡,周術期心筋梗塞,脳卒中,一過性脳虚血発作(TIA),インターベンション再施行。二次エンドポイント:周術期のトロポニン上昇(正常値上限の>3倍),PCI後のTIMI血流グレード,出血性合併症,エンドポイントの各要素。
デザイン PROBE(prospective,randomised,open,blinded endpoints),NCT00432120。
セッティング 多施設(5施設),チェコ。
期間 登録期間は2006年3月-2007年7月。
対象患者 1028例。18歳以上,冠動脈疾患(安定した状態,または完全に安定している急性冠症候群[ACS])が疑われる,あるいは確認された待機的CAG施行例。
【除外基準】2週間以内のチエノピリジン系薬剤投与,ランダム化後6時間以内にCAGが予定されている,3ヵ月以内の臨床的に重大な出血例(ヘモグロビン>50g/Lの低下,かつ/または輸血あるいは手術を必要とする)など。
【患者背景】平均年齢は非選択的投与群65.3±9.6歳,選択的投与群65.9±9.6歳。各群の女性36%,39%。安定ACS13%,15%,慢性安定CADが確認/疑われる87%,85%。心筋梗塞既往27%,29%。高コレステロール血症65%,67%。高血圧79%,79%。糖尿病29%,29%。血行再建術(PCI,CABG)歴21%,23%。
治療法 非選択的投与群*1,選択的投与群*2にランダム化。
*1:513例。CAGの6時間以上前に全例にclopidogrel 600mgを経口投与。
*2:515例。PCIを施行する患者のみ,CAG後,PCI施行の数分前にclopidogrel 600mgを経口投与。
追跡完了率
結果

●評価項目
非選択的投与群ではCAGの平均20.6時間前にclopidogrelを投与した。
PCI施行は非選択的投与群30% vs 選択的投与群28%,CAGのみ施行は70% vs 72%であった。
一次エンドポイント発生は非選択的投与群4例(0.8%)vs 選択的投与群5例(1.0%)で,有意差はなかった(p=0.749,90%CI-1.2-0.8)。
死亡は非選択的投与群1例 vs 選択的投与群0例,周術期のTIA/脳卒中は1例 vs 3例(p=0.624),再インターベンション(2例 vs 2例)。
周術期のトロポニン上昇は13例(2.7%) vs 17例(3.3%)(p=0.475,90%CI-2.5-1.0)と同等であった。

●有害事象
出血性合併症(TIMI大/小出血)は18例(3.5%) vs 7例(1.4%)と非選択的投与群で多く(p=0.025),調整後も同群でリスクが上昇した(OR 3.03,95%CI 1.14-8.10,p=0.027)。ほとんどが小出血であった(16例 vs 6例,p=0.033)。

文献: Widimsky P, et al.; PRAGUE-8 Trial Investigators. Clopidogrel pre-treatment in stable angina: for all patients > 6 h before elective coronary angiography or only for angiographically selected patients a few minutes before PCI? A randomized multicentre trial PRAGUE-8. Eur Heart J 2008; 29: 1495-503. pubmed
関連トライアル AFIJI CYP2C19, ARMYDA-5 PRELOAD, ARMYDA-PRO, Berger JS et al, Bonello L et al, ISAR-REACT 3A, Karjalainen PP et al, PCI-CLARITY, PREPAIR, RELOAD, TRITON-TIMI 38 early and late benefits
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