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CIAO Coronary Interventions Antiplatelet-based Only
結論 非複雑病変に対し,抗凝固療法を行わず抗血小板療法のみで施行する待機的経皮的冠動脈形成術(PCI)は安全であり,出血性合併症発生率は減少した。

目的 非複雑病変に対し,未分画heparin(UFH)または他の抗トロンビン薬投与を行わず,抗血小板療法のみで施行する待機的PCIの安全性と有効性を評価。一次エンドポイント:手技後30日以内の死亡+急性心筋梗塞(AMI)+緊急血管再開通術の複合。二次エンドポイント:出血性合併症。
デザイン ランダム化,二重盲検。
セッティング 表記なし。
期間 登録期間は2005年6月-2007年1月。追跡期間は30日。
対象患者 700例。冠動脈造影にて標的病変が単一と判明し,以下の基準に合致した,待機的PCIを施行する慢性冠動脈疾患患者;病変が直径>2.5mmのnative血管セグメントに存在,直径>70%狭窄,病変長<33mm,非石灰化,重要な側副枝(<2.5mm)がない,開口部または左主幹部以外,明らかな血栓が存在しない,非慢性閉塞。
【除外基準】急性冠症候群,2週間以内の心筋梗塞,年齢90歳超,12時間以内のUFH投与,24時間以内の低分子量heparin投与,3日以内のwarfarin投与,国際標準比(INR)>1.3,長期抗凝固療法の適応など。
【患者背景】平均年齢はheparin併用群62.9±10.6歳,抗血小板療法単独群62.9±10.7歳。各群の男性78.2%,78.8%。高コレステロール血症56.6%,59.7%。糖尿病35.2%,26.5%。clopidogrel前負荷68.9%,70.5%。
治療法 heparin併用群*1(350例),抗血小板療法単独群*2(350例)にランダム化。
*1:ガイドカテーテル挿入前に,ACTが<250秒となるようUFH 70-100UI/kgを投与。heparinの追加は術者の裁量とされた。
*2:heparinのプラセボとして生理食塩水を投与。

aspirin 75-160mg/日は全例に投与。ticlopidine 250mg,1日2回またはclopidogrel 75mg/日は7日間投与すべきとされた。あるいは,手技の24時間前にclopidogrel負荷用量300mgを投与した。GP IIb/IIIa受容体拮抗薬の投与は術者の裁量とした。
インターベンション担当医はACTについて盲検化。非盲検の看護師がheparinボーラス投与のACTを5分ごとにモニターし,治療群およびACT値にしたがいheparinまたは生理食塩水を投与。カテーテルからの流出量はUFH生理食塩水7.5UI/mL,手技ごとの最大流出量は100mLとした。
追跡完了率 表記なし。
【脱落理由】―
結果

●評価項目
手技的成功は全例で得られた。PCI終了時のACT中央値はheparin併用群201±34秒,抗血小板療法単独群127±25秒であった(p<0.05)。
一次エンドポイントはheparin併用群2.0%,抗血小板療法単独群3.7%で,有意差は認められなかったが,非劣性基準に合致した(絶対リスク減少1.7%,95%CI -0.1-4.5%,p=0.17,非劣性p<0.001)。死亡は両群とも0例,AMIは11例(3.1%)vs 7例(2%)(p=0.34),緊急血管再開通術は2例(0.6%)vs 1例(0.3%)(p=1.0)。

●有害事象
出血イベント発生はわずかであったが,出血基準により相違がみられた。TIM出血基準(p=0.69);小出血4例 vs 2例。GUSTO出血基準(p=0.06);軽度の出血5例vs 0例。STEEPLE出血基準(p=0.048);大出血2例 vs 0例,小出血4例 vs 0例。ACUITY出血基準(p=0.06);大出血5例 vs 0例。

文献: Stabile E, et al. The CIAO (Coronary Interventions Antiplatelet-based Only) Study: a randomized study comparing standard anticoagulation regimen to absence of anticoagulation for elective percutaneous coronary intervention. J Am Coll Cardiol 2008; 52: 1293-8. pubmed
関連トライアル ARMYDA-PRO, Friedman HZ et al, GRACE heparin, ISAR-REACT 3 bleeding and MI, Karjalainen PP et al, MUSICA , OASIS-5 and 6, Rabah MM et al, SPIRIT III, STEEPLE, STEEPLE anticoagulation level
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