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Masjuan J et al In-hospital stroke treated with intravenous tissue plasminogen activator
結論 病院内で脳卒中を発症した患者は,院外で発症した患者に比し,血栓溶解療法の手技の進行が遅かった。院内発症患者において,血栓溶解療法は安全かつ有効であった。

目的 情報が限られている院内発症脳卒中について,血栓溶解療法の手技,安全性,有効性を院外発症脳卒中と比較。
デザイン 登録研究。
セッティング 多施設(脳卒中専門病棟4施設),スペイン。
期間 登録期間は2004年1月-2007年7月。
対象患者 367例。t-PA静注を受けた急性脳卒中患者。
【除外基準】表記なし。
【患者背景】平均年齢は院内発症群68.0±12.3歳,院外発症群65.7±13.1歳。各群の男性46.7%,56.7%。高血圧63.3%,61.1%。糖尿病36.7%,17.5%(p=0.01)。心房細動33.3%,17.5%(p=0.034)。脂質異常症40%,33.6%。うっ血性心不全16.6%,5.3%(p=0.014)。
前処置;抗血小板薬40%,27%,抗凝固薬23.3%,2.4%(p<0.001),抗血栓薬56.7%,28.8%(p=0.002)。
脳卒中の原因;高度な頸動脈狭窄を伴う大血管疾患13.3%,9.6%,それ以外の大血管疾患16.7%,14.6%,心原性53.3%,44.5%,ラクナ梗塞0%,4.2%,その他0%,4.2%,不明16.7%,22.7%。
院内発症群の入院理由;一過性脳虚血発作11例,心疾患8例,末梢動脈疾患5例,抗血栓薬の中止を伴う外科手術の予定4例など。
治療法 本論文の解析は院内発症患者(30例)と院外発症患者(337例)を比較。
全例において標準的なt-PA療法(脳卒中発症後3時間以内に0.9mg/kg静注)を実施。抗凝固薬が事前に投与された場合は,以下の状態のみ血栓溶解療法を実施;(1)予防投与量の低分子量heparinの投与,(2)プロトロンビン時間国際標準比<1.7の経口抗凝固薬事前投与,(3)t-PA静注前,初回測定時のAPTT値が正常であった未分画heparin静注。
追跡完了率
結果

●評価項目
発症から病院到着までは院内発症群0分,院外発症群76.7±29.6(範囲20-175)分,発症から治療までは92.0±26.1(45-175)分 vs 141.7±26.9(60-180)分(p<0.0001)といずれも院内発症群の方が早かったが,病院内で治療開始までに要した時間は,院内発症群の方が長かった;病院到着からCT実施まで39.5±18.0(16-100)分 vs 22.6±19.7(5-141)分(p<0.0001),病院到着から治療開始まで92.0±26.1(45-175)分 vs 65.4±25.8(4-155)分(p<0.0001)。
90日後の良好な転帰(mRS≦2)は15例(55.6%)vs 159例(55.0%),死亡は2例(7.1%)vs 45例(15.1%),症候性脳内出血0 vs 14例(4.2%)と,いずれも有意差は認められなかった。

●有害事象

文献: Masjuan J, et al. In-hospital stroke treated with intravenous tissue plasminogen activator. Stroke 2008; 39: 2614-6. pubmed
関連トライアル Bravo Y et al, CASES gender, Mattle HP et al, Mikulik R et al 2009, Obach V et al, rtPA血栓溶解療法の転帰における性差, SAINT postthrombolysis ICH, Schellinger PD et al, SITS-ISTR, SITS-ISTR blood pressure, SITS-MOST multivariable analysis, SUMO, Tsivgoulis G et al, Tsivgoulis G et al
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