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PRoFESS Prevention Regimen for Effectively Avoiding Second Strokes
結論 脳梗塞既往患者において,低用量aspirin+徐放性dipyridamole併用はclopidogrel単独投与に対し非劣性基準を満たさなかったが,脳梗塞再発率は同等であった。再発予防において両群のいずれが優れているかは示されなかった。

目的 脳梗塞既往患者において,再発予防のための低用量aspirin+徐放性dipyridamole併用(ASA-ERDP)とclopidogrel単独投与の有効性と安全性を比較。一次エンドポイント:脳卒中再発。二次エンドポイント:脳卒中,心筋梗塞,血管死の複合。
デザイン ランダム化,2×2 factorial,二重盲検,intention-to-treat解析。ASA-ERDPのclopidogrelに対する非劣性(非劣性マージン1.075)を検討し,非劣性が認められた場合は優位性を評価。なお,PRoFESS試験ではtelmisartanとプラセボの比較も行われたが,本論文では抗血小板薬に関する結果のみが記載されている。
セッティング 多施設(695施設),35ヵ国(南北アメリカ,ヨーロッパ,アジア,アフリカ,オセアニア)。
期間 試験開始2003年9月11日,追跡終了2008年2月8日。平均追跡期間は2.5(範囲1.5-4.4)年。
対象患者 20332例。24時間以上症状が持続した脳梗塞を90日以内に発症した55歳以上の患者。症状持続時間が短くてもCT,MRIにて脳梗塞が確認された症例は登録可とした。6000例が登録された時点で登録基準を変更し,50-54歳の症例,および脳梗塞発症後90-120日であっても複数の血管リスク因子を有する症例の登録を可とした。
【除外基準】抗血小板薬禁忌。
【患者背景】平均年齢はASA-ERDP群66.1±8.6歳,clopidogrel群66.2±8.5歳,各群の女性35.9%,36.0%。脳梗塞発症からランダム化までは両群とも15日(中央値)。TOAST分類による脳卒中病型は,大血管アテローム硬化28.8%,28.3%,心原性脳塞栓1.8%,1.8%,小血管閉塞52.0%,52.1%,その他の原因による急性脳卒中2.0%,2.1%,原因不明15.4%,15.6%。
治療法 ASA-ERDP群(10181例。aspirin 25mg+徐放性dipyridamole 200mg,各1日2回)およびclopidogrel群(10151例。75mg/日)にランダム化。
PRoFESS試験では当初aspirin+clopidogrel併用とaspirin+dipyridamole併用の比較を行う予定であったが,aspirin+clopidogrel併用群の出血リスクが上昇した MATCH試験(Lancet 2004; 364: 331-7)の結果を受け,2027例が割り付けされ治療期間が8ヵ月経過した時点でaspirin+clopidogrel併用からclopidogrel単独投与に切り替えられた。
追跡完了率 追跡不能は125例(各群0.6%)。
【脱落理由】―
結果

●評価項目
試験薬早期中止はASA-ERDP群2961例(29.1%)と,clopidogrel群2290例(22.6%)に比し多かった(p<0.001)。試験薬のコンプライアンス(試験期間の75%以上服薬)も69.6% vs 76.8%とclopidogrel群の方が良好であった。
脳卒中再発はASA-ERDP群916例(9.0%),clopidogrel群898例(8.8%),ハザード比(HR)1.01(95%CI 0.92-1.11)で,ASA-ERDP群はclopidogrel群に対し非劣性基準を満たさなかった。脳卒中の病型は,脳梗塞780例 vs 805例,脳出血83例 vs 45例,その他/不明53例 vs 48例。脳出血はASA-ERDP群の方が多かったが,致死的または介護を要する脳卒中(再発から3ヵ月後のmodified Rankin Score[mRS]≧3)は同等であった:413例(4.1%)vs 392例(3.9%)HR 1.05(95%CI 0.96-1.16)。
二次エンドポイント(脳卒中,心筋梗塞,血管死の複合)は両群とも1333例(13.1%),HR 0.99(95%CI 0.92-1.07)であった。
脳卒中再発または大出血の正味のリスクはASA-ERDP群1194例(11.7%)と,clopidogrel群1156例(11.4%),HR 1.03,95%CI 0.95-1.11と同等であった。

●有害事象
大出血はASA-ERDP群419例(4.1%)と,clopidogrel群365例(3.6%)に比し多かった(HR 1.15,95%CI 1.00-1.32)。頭蓋内出血もASA-ERDP群の方が多かった;147例(1.4%)vs 103例(1.0%),HR 1.42,95%CI 1.11-1.83。

文献: Sacco RL, et al.; PRoFESS Study Group. Aspirin and extended-release dipyridamole versus clopidogrel for recurrent stroke. N Engl J Med 2008; 359: 1238-51. pubmed
関連トライアル AAASPS 2003, ACTIVE A, ACTIVE W, APPRAISE, APPRAISE-2, CAPRIE 1996, CAPRIE 2000, CAPRIE impact of smoking, CASISP, CASPAR , Chan FK et al, CHANCE, CHARISMA, CHARISMA bleeding complications, CHARISMA subgroup analysis, CLARITY-TIMI 28, clopidogrel追加による死亡率抑制効果, COGENT, COMPASS, CREDO, CURE, DAC, EARLY, ESPS-2 1996, EXPRESS risk of bleeding, FASTER, Flynn RW et al, JASAP, Lamberts M et al, MATCH, PLATO, PLATO total events, POISE-2, PRoFESS acute ischemic stroke, PRoFESS disability and cognitive function, PRoFESS post hoc analysis, REAL-LATE / ZEST-LATE, SITS-ISTR antiplatelet therapy, SPS3, SPS3 post hoc analysis, TRILOGY ACS, TRITON-TIMI 38, 急性脳梗塞/TIA患者への抗血小板療法:2剤併用療法と単剤療法の比較, 血管疾患患者に対する抗血小板療法
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