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STEEPLE anticoagulation level
結論 enoxaparin群では目標抗凝固レベル達成率が高く,抗Xaレベル≦0.9IU/mLにおいては良好な安全性および有効性プロフィールが得られた。UFH群では目標ACT達成率が低く,至適抗凝固域の評価は困難であった。

目的 経皮的冠動脈形成術(PCI)中の抗凝固レベルと虚血イベント,出血との関係を検討。一次エンドポイント: PCI施行後48時間の冠動脈バイパス術(CABG)に関連しない大出血+小出血。虚血関連エンドポイント: 30日間の全死亡,非致死的心筋梗塞,緊急標的血管血行再建(UTVR)の複合。
デザイン
セッティング
期間
対象患者 3528例。大腿動脈アプローチによる待機的PCI施行が予定されている18歳以上の患者。
【除外基準】最近の血栓症,段階的手技の予定例,出血リスク増大,PCI前の非経口抗血栓薬治療,試験薬に対する過敏症。
【患者背景】平均年齢はenoxaparin群63.5±10.4歳,UFH群63.5±10.2歳。各群の男性75.4%,74.0%。
治療法 enoxaparin 0.5mg/kg群(1070例),0.75mg/kg群(1228例),UFH投与群(1230例)にランダム化。GPI併用の有無により層別。
enoxaparin群:GPI併用の有無にかかわらず,シース挿入後,PCI直前,抗凝固モニタリングを行わずにenoxaparinを単回ボーラス静注。手技が2時間を超える場合は初回の半量の追加ボーラスを推奨。0.5mg/kg群ではPCI終了直後,0.75mg/kg群では4-6時間後,抗凝固モニタリングを行わずにシースを抜去。抗XaレベルはPCI開始時,ボーラス静注10分後,PCI終了時に測定。目標レベルは0.5-1.8IU/mL。
UFH群:GPI併用例ではUFH 50-70IU/kg(目標ACT 200-300秒),非併用例では70-100IU/kg(目標ACT 300-350秒)をボーラス静注。PCI前および手技中に目標ACTの下限を下回った場合は追加ボーラス投与。ACT 150-180秒となった時点でシースを抜去。ACTは手技開始時および終了時に測定。
全例にaspirin 75-500mg/日およびthienopyridineを投与。
追跡完了率
結果

●評価項目
目標抗凝固レベルを達成したのはenoxaparin群85.8%と,UFH群19.7%に比し多かった(p<0.001)。1回以上目標レベルを下回ったのは11.7% vs 39.8%,1回以上目標レベルを超えたのは2.6% vs 57.9%。
enoxaparin群において,抗Xaレベル>0.9IU/mLとCABGに関連しない大出血+小出血との間に相関が認められた(抗Xaレベルが1IU上昇するごとのオッズ比[OR]1.6,95%CI 1.0-2.5,p=0.03)。抗Xaレベルと虚血関連複合エンドポイントとの間には相関は認められなかった(p=0.47)。
UFH群において,ACT>325秒とCABGに関連しない大出血の間には相関が認められた(ACTが100秒長くなるごとのOR 1.6,95%CI 1.1-2.2,p=0.04)。ACT≦325秒と虚血関連複合エンドポイントとの間には相関が認められなかった(ACTが100秒短くなるごとのOR 0.7,95%CI 0.2-0.8,p=0.006)。

●有害事象

文献: Montalescot G, et al., STEEPLE Investigators. Impact of anticoagulation levels on outcomes in patients undergoing elective percutaneous coronary intervention: insights from the STEEPLE trial. Eur Heart J 2008; 29: 462-71. pubmed
関連トライアル ACUITY 1-year results, ACUITY diabetes mellitus, ACUITY gastrointestinal bleeding, ACUITY switching to bivalirudin, ATOLL, CIAO, ISAR-REACT 3 bleeding and MI, Karjalainen PP et al, OASIS-5 and 6, Rabah MM et al, STEEPLE, SYNERGY elderly, TRITON-TIMI 38 early and late benefits
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