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ACTIVE W CHADS2 score
結論 CHADS2スコア1の患者の脳卒中リスクは低いが,抗凝固薬を投与することにより,わずかではあるものの有意なリスク減少が得られ,また大出血リスクは低かった。
コメント ACTIVE W試験試験では,CHADS2スコア平均2の症例でワルファリン群がアスピリン+クロピドグレル併用群に比し脳梗塞発症を有意に抑制することを示したが,今回のサブ解析ではCHADS2スコア1の比較的リスクの低い患者においても,ワルファリンの優位性が示された。2006年の欧米ガイドラインでは,CHADS2スコア1の症例においてはワルファリンあるいはアスピリンが推奨されているが,日本人ではJAST試験が示すようにアスピリンの有効性は認められていない。今回のサブ解析で,改めてCHADS2スコア1におけるワルファリンの優位性が示されたことは,日本の心房細動治療ガイドライン2008をサポートする意味で大変意義深い。(是恒之宏

目的 ACTIVE W試験において,CHADS2スコア1の患者における脳卒中および大出血発症率を検討し,また,抗凝固薬の有効性をCHADS2スコア2以上の患者と比較。
デザイン 本論文はACTIVE W試験(Lancet 2006; 367: 1903-12)のサブ解析。
セッティング
期間
対象患者 6706例。永続性,持続性,または2回以上の発作性心房細動の既往があり,1つ以上の脳卒中リスクを有する患者。
【除外基準】―
【患者背景】平均年齢は70歳,男性66%。
治療法 ACTIVE W試験 は抗血小板薬併用(aspirin +clopidogrel)群と抗凝固薬群にランダム化。
追跡完了率
【脱落理由】―
結果

●評価項目
ACTIVE W 試験参加者におけるCHADS2スコアの内訳は,0:178例(3%),1:2436例(36%),2:2286例(34%),3:1107例(17%),4:490例(7%),5:183例(3%),6:26例(0.4%)。
CHADS2スコア1における脳卒中発症率は抗血小板薬併用群1.25%/年と,抗凝固薬群0.43%/年に比し高かった(相対リスク[RR]2.96,95%CI 1.26-6.98,p=0.01)。CHADS2スコア2以上においても抗血小板薬併用群3.15%/年と,抗凝固薬群2.01%/年に比し高かった(RR 1.58,95%CI 1.11-2.24,p=0.01)。抗凝固薬のベネフィットについて,CHADS2スコア別の有意差は認められなかった(交互作用p=0.19)。
ベースライン時のSBPが中央値(133mmHg)超であった者における脳卒中発症率は,抗血小板薬併用群3.25%/年と,抗凝固薬群1.30%/年に比し高かった(RR 2.53,95%CI 1.60-3.99,p<0.0001)。中央値未満であった者では,投与薬剤にかかわらず脳卒中発症率は低かった(1.65%/年 vs 1.50%/年,p=0.63)。ベースライン時のSBPは抗凝固薬のベネフィットに影響を与えた(交互作用p=0.01)。

●有害事象
CHADS2スコア1における出血合併症発症率は抗血小板薬併用群2.09%/年,抗凝固薬群1.36%/年と有意差は認められなかった(RR 1.55,95%CI 0.91-2.64,p=0.11)。CHADS2スコア2以上においても,抗血小板薬併用群2.63%/年,抗凝固薬群2.75%/年と有意差は認められなかった(RR 0.97,95%CI 0.69-1.35,p=0.84)。大出血リスクについて,抗血小板薬併用ではCHADS2スコア別の有意差は認められなかったが(交互作用p=0.15),抗凝固薬投与では,CHADS2スコア1の方がスコア2以上に比し低かった(RR 0.49,95%CI 0.30-0.79,p=0.003)。

文献: Healey JS, et al. Risks and benefits of oral anticoagulation compared with clopidogrel plus aspirin in patients with atrial fibrillation according to stroke risk: the atrial fibrillation clopidogrel trial with irbesartan for prevention of vascular events (ACTIVE-W). Stroke 2008; 39: 1482-6. pubmed
関連トライアル ACTIVE A, ACTIVE W, ACTIVE W INR control, ACTIVE W paroxysmal vs sustained, AFASAK 2 1999, ARISTOTLE risk score, AVERROES bleeding, BAATAF, BAT, CAST-IST, CHARISMA atrial fibrillation, CHARISMA post hoc analysis, CHARISMA subgroup analysis, EAFT 1993, ESPRIT , Hansen ML et al, Hart RG et al, JAST, Lamberts M et al, MATCH, NASPEAF, ORBIT-AF, Pearce LA et al, PROTECT AF, SITS-ISTR antiplatelet therapy, SPAF I-III 1999, SPAF I-III 2000, SPAF II 1994, SPAF II 1996, SPAF III 1996, SPAF III 1998, SPAF III von Willebrand factor, SPORTIF elderly patients, SPORTIF pooled analysis, SPORTIF risk of bleeding, SPORTIF V, Swedish Atrial Fibrillation Cohort Study: net benefit, TPT, warfarinによるNVAF患者の脳卒中予防, 心血管疾患リスクを有する患者におけるaspirin+OAC併用とOAC単独投与の比較, 心房細動患者に対する脳卒中予防療法における年齢効果
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