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EPITHET Echoplanar Imaging Thrombolytic Evaluation Trial
結論 灌流強調画像(PWI)/拡散強調画像(DWI)ミスマッチが陽性である発症後3時間以降6時間以内の脳卒中患者において,alteplaseは有意ではないものの梗塞巣拡大の抑制と関連した。再灌流の増加とは有意な関連がみられた。

目的 PWI/DWIミスマッチ*が陽性である発症後3時間以降6時間以内の脳卒中患者において,alteplase静注の梗塞巣拡大抑制および再灌流に対する効果を評価。一次エンドポイント:PWI/DWIミスマッチ陽性者における開始時のDWIから第90日のT2強調画像までの梗塞巣拡大。二次エンドポイント:第3-5日の再灌流,良好な神経学的転帰,良好な機能的転帰。
*:PWI低灌流領域÷DWI異常領域>1.2,かつPWI-DWI≧10mL
デザイン 第II相,ランダム化,二重盲検,per protocol解析。
セッティング 多施設(15施設)。4ヵ国(オーストラリア,ニュージーランド,ベルギー,英国)。
期間 スクリーン期間は2001年4月-2007年1月。
対象患者 101例。症状発現から3-6時間,18歳以上, National Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコア>4,発病前modified Rankin Score(mRS)≦2の急性虚血性脳卒中患者。
【除外基準】出血性脳卒中,中大脳動脈領域の1/3超の虚血,MRI実施不能など。
【患者背景】ミスマッチ陽性者の平均年齢はalteplase群71.3±14.2歳,プラセボ群72.2±13.1歳,各群の男性43%,51%,NIHSS中央値14(4-23),11(5-25),治療までの時間中央値293(45)分,291(51)分,開始時のDWI異常領域体積中央値18(3-173)mL,20(0-180)mL,開始時のPWI低灌流領域体積中央値157(40-558)mL,200(40-428)mL。
治療法 alteplase群(52例。0.9mg/kg[最大90mg],10%をボーラス投与,残りは1時間超で投与),プラセボ群(49例)にランダム化。
治療前にエコープラナーMRIを実施。DWI,PWI,磁気共鳴血管造影(MRA)は治療前および第3-5日に実施し,第90日にT2強調画像を撮影。
追跡完了率 追跡不能はalteplase群8例,プラセボ群1例。
【脱落理由】画像データなし。
結果

●評価項目
ミスマッチ陽性者は全体の86%(alteplase群37例,プラセボ群43例)であった。
ミスマッチ陽性者における梗塞巣拡大の幾何平均はalteplase群1.24と,プラセボ群1.78に比し抑制されたが,有意差は認められなかった(比率0.69,95%CI 0.38-1.29,p=0.239)。ミスマッチ陽性者における梗塞巣の相対的拡大中央値はalteplase群1.18 vs プラセボ群1.79(比率0.66,95%CI 0.36-0.92,p=0.054)。
再灌流はalteplase群19例(56%)と,プラセボ群11例(26%)に比し多く(p=0.01),梗塞巣拡大の抑制(梗塞巣拡大の幾何平均:再灌流あり0.79 vs 再灌流なし2.25,p=0.001),良好な神経学的転帰(再灌流あり22例[73%]vs 再灌流なし13例[27%],p<0.0001),良好な機能的転帰(再灌流あり19例[63%]vs 再灌流なし15例[32%],p=0.007)との関連がみられた。

●有害事象
症候性頭蓋内出血はalteplase群4例(7.7%),プラセボ群0例。

文献: Davis SM, et al, EPITHET investigators. Effects of alteplase beyond 3 h after stroke in the Echoplanar Imaging Thrombolytic Evaluation Trial (EPITHET): a placebo-controlled randomised trial. Lancet Neurol 2008; 7: 299-309. pubmed
関連トライアル ECASS III, ECASS III additional outcomes, EPITHET clinical-diffusion mismatch, ESTAT, IPSS use of alteplase, IST-3 18-month follow-up, J-ACT, J-MARS, Kruetzelmann A et al, LATE 1993, RECANALISE, RESTORE, SAINT postthrombolysis ICH, SAMURAI DWI-ASPECTS, Schellinger PD et al, SITS-ISTR, SITS-ISTR 2010, SITS-MOST, SITS-MOST multivariable analysis, STRokE DOC, VISTA baseline severity, 虚血性脳卒中患者に対するrt-PA療法, 灌流/拡散ミスマッチに基づいた遅延血栓溶解療法
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