抗血栓トライアルデータベース
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RECORD3 Regulation of Coagulation in Orthopedic Surgery to Prevent Deep Venous Thrombosis and Pulmonary Embolism 3
結論 膝関節形成術施行患者に対する血栓予防療法において,rivaroxaban(リバーロキサバン)経口投与はenoxaparin(エノキサパリン)皮下投与に比しより有効で,出血リスクは同等であった。

目的 待機的膝関節形成術後の静脈血栓塞栓症予防において,術後からのrivaroxaban 10mg,1日1回経口投与と,術前からのenoxaparin 40mg,1日1回皮下投与を比較。有効性の一次エンドポイント:術後13-17日以内の深部静脈血栓塞栓症(DVT)+非致死的肺塞栓症(PE)+全死亡。有効性の二次エンドポイント:重篤な静脈血栓塞栓症(近位部DVT+非致死的PE+静脈血栓塞栓症[VTE]関連死)。安全性の一次エンドポイント:治療期間中(試験薬投与開始から最終投与の2日後まで)の大出血。
デザイン ランダム化,二重盲検。per-protocol集団にてrivaroxabanのenoxaparinに対する非劣性を検証し,非劣性が認められた場合はintention-to-treat(ITT)集団にて両試験薬を比較。
セッティング 多施設(147施設)。19ヵ国(アジア,南米,ヨーロッパ,カナダ,南アフリカ)。
期間 登録期間は2006年2月-2006年11月。
対象患者 2459例(安全性の解析)/1702例(有効性の解析)。待機的膝関節形成術を予定された18歳以上の患者。
【除外基準】活動性出血,または低分子量heparinの使用に禁忌を示す出血高リスク,用量を調整したenoxaparinを必要とする疾患,重度の肝疾患,HIVプロテアーゼ阻害薬の併用,線溶薬の使用,間欠的空気圧迫法の予定,中止不可能な抗凝固薬を必要とするなど。
【患者背景】年齢中央値(範囲)はrivaroxaban群67.6(28-91)歳,enoxaparin群67.6(30-90)歳,各群の女性70.2%,66.3%(p=0.03)。
治療法 rivaroxaban 群*1,enoxaparin群*2にランダム化。
*1:rivaroxaban 10mg,1日1回経口投与を傷縫合6-8時間後より開始。
*2:enoxaparin 40mg,1日1回皮下投与を手術の12時間前に開始し,傷縫合6-8時間後に再開。
両試験薬とも,手術日(第1日)から第10-14日まで24時間ごとに投与。両側静脈造影は試験薬最終投与の翌日(第11-15日)に施行。その後は試験薬の投与は行わず,血栓予防薬の追加投与は医師の裁量によった。
追跡完了率 有効性の解析からの主な排除理由は,血栓塞栓症の評価が不適切rivaroxaban 群30.0%,enoxaparin群26.5%など。
結果

●評価項目
試験薬の平均投与期間はrivaroxaban群11.9日,enoxaparin 群12.5日。
有効性の一次エンドポイント発生はrivaroxaban群79例(9.6%)と,enoxaparin 群166例(18.9%)に比し少なく(絶対リスク減少9.2%[95%CI 5.9-12.4],p<0.001,相対リスク減少49%[95%CI 35-61],p<0.001),rivaroxaban群の非劣性が示された(非劣性p<0.001)。死亡は0例 vs 2例(0.2%)(p=0.23),PEは0例 vs 4例(0.5%)(p=0.06),DVTは79例(9.6%)vs 160例(18.2%)(p<0.001)。なおenoxaparin 群の死亡はいずれも原因不明。
重篤なVTEは9例(1.0%)vs 24例(2.6%)と,rivaroxaban 群で少なかった(絶対リスク減少1.6%[95%CI 0.4-2.8],p=0.01,相対リスク減少62%[95%CI 18-82],p=0.02)。

●有害事象
大出血は7例(0.6%)vs 6例(0.5%)と同等であった(p=0.77)。致死的出血は両群とも0例。全出血は60例(4.9%)vs 60例(4.8%)(p=0.93)。
試験薬による有害事象(主に消化管)は146例(12.0%)vs 161例(13.0%)。

文献: Lassen MR, et al; RECORD3 Investigators. Rivaroxaban versus enoxaparin for thromboprophylaxis after total knee arthroplasty. N Engl J Med 2008; 358: 2776-86. pubmed
関連トライアル ADOPT, ADVANCE, ADVANCE-2, ADVANCE-3 , AMPLIFY, APROPOS, ATLAS ACS 2-TIMI 51, ATLAS ACS-TIMI 46 , CASSIOPEA, dabigatran,rivaroxaban,apixabanによる関節置換術後の血栓予防, EINSTEIN-DVT and EINSTEIN-Extension, EINSTEIN-PE, EXULT A, Hokusai-VTE, LIFENOX, MAGELLAN, ODIXa-HIP, ODIXa-KNEE, ODIXa-OD-HIP, ORTHO-TEP Registry, PREVAIL, PREVENT 2004, PROTECT, RE-MODEL, RE-NOVATE, RECORD1, RECORD2, RECORD4, ROCKET AF, SAVE-KNEE, SAVE-HIP1, SAVE-HIP2, THRIVE, THRIVE III, van Gogh Studies prophylaxis, 予防療法を受けた関節置換術施行患者における症候性VTE発症率
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