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Schalekamp T et al Increased bleeding risk with concurrent use of selective serotonin reuptake inhibitors and coumarins
結論 coumarin投与を受けている患者において,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の使用は非消化管出血による入院リスクの上昇と関連していたが,消化管出血による入院リスクとは関連が認められなかった。

目的 オランダ患者データベース(PHARMO Record Linkage System,登録数約200万人)の薬剤処方および入院に関するデータを用い,SSRI/coumarin(acenocoumarol/phenprocoumon)併用と大出血リスクの関連を検討。解析対象はSSRI;citalopram hydrobromide,escitalopram oxalate,fluvoxamine maleate,fluoxetine hydrochloride,paroxetine hydrochloride,sertraline hydrochloride,抗うつ剤;nortriptyline hydrochloride,mirtazapine。
デザイン 患者対照研究。
セッティング オランダ。
期間 追跡期間中央値は220日(1-4690日)。
対象患者 7666例(患者1848例,対照5818例)。[患者]18歳以上,大出血による入院歴を有さず,1991年1月1日-2004年12月31日の間にcoumarin(acenocoumarol/phenprocoumonのいずれか)の投与を新規に受け,投与中に異常出血のために入院した患者。[対照]患者と性別,年齢,coumarin投与(acenocoumarol/phenprocoumon),投与期間などを合致させた者を患者1例につき最多4例までランダムに選択。
【除外基準】―
【患者背景】平均年齢は患者群72.7±10.3歳,対照群72.9±9.7歳。各群の男性53.7%,54.5%。acenocoumarol投与88.1%,91.1%,SSRI投与3.1%,2.0%,非ステロイド性抗うつ剤投与0.2%,0.3%,非ステロイド性抗炎症薬投与12.0%,5.1%。
治療法
追跡完了率
【脱落理由】―
結果

●評価項目
coumarin投与を受けた患者70201例のうち,入院を必要とした出血が発生した者2403例(1.82/100例・年)を同定。このうち,対照を合致させられなかった555例を除いた1848例と,対照5818例について解析を行った。
1848例の出血部位は消化管出血605例(32.7%),非消化管出血1243例(67.3%)であった。消化管出血の内訳は,上部消化管537例(29.0%),下部消化管68例(3.7%)。非消化管出血の内訳は,頭蓋内318例(17.2%),子宮131例(7.1%),尿路115例(6.2%),関節34例(1.8%),眼20例(1.1%),鼻161例(8.7%),その他464例(25.1%)。
SSRI使用により,非消化管出血による入院の増加がみられた(補正後オッズ比[OR]1.7,95%CI 1.1-2.5)。しかし,消化管出血による入院は有意ではなかった(補正後OR 0.8,95%CI 0.4-1.5)。
非SSRI薬(nortriptyline hydrochloride,mirtazapine)の使用は,消化管,非消化管とも出血による入院リスクについて有意差は認められなかった。
非ステロイド性抗炎症薬の使用は,消化管,非消化管のいずれにおいても出血による入院リスクを上昇させた(消化管出血による入院;補正後OR 4.6,95%CI 3.3-6.5,非消化管出血による入院;補正後OR 1.7,95%CI 1.3-2.2)。

●有害事象

文献: Schalekamp T, et al. Increased bleeding risk with concurrent use of selective serotonin reuptake inhibitors and coumarins. Arch Intern Med 2008; 168: 180-5. pubmed
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