抗血栓トライアルデータベース
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AMADEUS
結論 血栓塞栓症リスクのある心房細動(AF)患者において,idraparinuxはビタミンK拮抗薬と遜色のない有用性を示したが,出血が有意に増加した。

目的 長期抗凝固療法の適応のあるAF患者において,血栓塞栓症予防のための固定用量のidraparinuxと,用量を調整した経口ビタミンK拮抗薬を比較。有効性の一次エンドポイント:脳卒中(脳梗塞,出血性,病型不明)または全身性塞栓症。有効性の二次エンドポイント:脳梗塞,非虚血性脳卒中(出血性,病型不明),全身性塞栓症,心血管死,心筋梗塞,静脈血栓塞栓イベント。安全性の一次エンドポイント:大出血,大出血ではないが臨床的に関連のある出血。
デザイン PROBE(prospective,randomized,open,blinded-endpoint),非劣性試験,intention-to-treat解析(有効性),per protocol解析(安全性)。
セッティング 多施設。10ヵ国(ヨーロッパ,北米,オーストラリア,ニュージーランド)。
期間 ランダム化期間は2003年9月-2005年7月。idraparinux群の過度の出血のため,データ安全性審査委員会の勧告により試験終了。平均追跡期間は10.7±5.4ヵ月。
対象患者 4576例。ECGによって確認された非弁膜症性AF患者で,リスク因子(脳梗塞/一過性脳虚血発作/全身性塞栓症の既往,薬物療法を必要とする高血圧,左室機能障害,75歳以上,65-75歳で糖尿病または症候性冠動脈疾患を有する)のうち1つ以上を有するために長期抗凝固療法の適応のある者。
【除外基準】抗凝固療法の禁忌または他の適応,クレアチニンクリアランス(CCr)10mL/分未満,コントロール不良の出血の可能性をともなう最近の侵襲的手技,またはその予定,など。
【患者背景】平均年齢はidraparinux群70.1±9.0歳,ビタミンK拮抗薬群70.2±9.1歳。各群の男性67%,65%。CHADS2スコア低リスク(0-1)42%, 40%。登録前の抗凝固薬投与なし24%,24%。
治療法 idraparinux群(2283例。idraparinux 2.5mg,週1回皮下投与),ビタミンK拮抗薬群(2293例。warfarinまたはacenocoumarolを目標プロトロンビン時間国際標準比[INR]2.0-3.0にて調整した用量を投与)にランダム化。
idraparinux群のうち,開始時のCCr値が10-30mL/分の者には,2回目以降のidraparinuxは1.5mg/週投与。ビタミンK拮抗薬群ではINRを最低月1回測定。非ステロイド性抗炎症薬,抗血小板薬は禁止(ただし臨床的に適応とされる場合,aspirin≦100mg/日,clopidogrel 75mg/日は許可)。
追跡完了率 試験終了はidraparinux群1982例(87%),ビタミンK拮抗薬群2073例(90%)(p=0.0001)。
【脱落理由】有害事象178例(8%)vs 87例(4%),患者の要求38例(2%)vs 59例(3%),有用性不足12例(0.5%)vs 5例(0.2%)など。
結果

●評価項目
[例数の後の( )は/100人・年を示す]
一次エンドポイント(脳卒中または全身性塞栓症)はidraparinux群18例(0.9),ビタミンK拮抗薬群27例(1.3)[ハザード比(HR)0.71,95%CI 0.39-1.30,非劣性p=0.007]で,非劣性基準に合致した。内訳は,脳梗塞13例(0.7)vs 20例(0.9),出血性脳卒中4例(0.2) vs 5例(0.2),病型不明脳卒中1例(0.1)vs 1例(0.1),全身性塞栓症0例(0.0)vs 2例(0.1)。
二次エンドポイントは,心筋梗塞死3例(0.2)vs 3例(0.1),その他の心血管死19例(1.0)vs 30例(1.4),心筋梗塞16 例(0.8)vs 13例(0.6),静脈血栓塞栓イベント2 例(0.1)vs 5例(0.2)。
腎機能不全者,高齢者では出血リスクが高かった。idraparinux群のビタミンK拮抗薬群に比しての出血リスクのHRは,CCr 80mL/分以上では1.4,30-50mL/分では3.0,30mL/分未満では3.9。同様に,75歳未満では1.5,75歳以上では2.4。

●有害事象
[全死亡以外,例数の後の( )は/100人・年を示す]
臨床的に関連のある出血はidraparinux群346例(19.7),ビタミンK拮抗薬群226例(11.3)(HR 1.74,95%CI 1.47-2.06,p<0.0001),大出血ではないが臨床的に関連のある出血は291例(16.4)vs 206例(10.3)(HR 1.60,95%CI 1.34-1.91,p<0.0001)と,いずれもidraparinux群で多かった。大出血は74例(3.9)vs 29例(1.4),頭蓋内出血は21例(1.1)vs 9例(0.4)(p=0.014),致死的出血は13例(0.7)vs 2例(p<0.1)。
全死亡は62例(3.2%/人・年) vs 61例(2.9%/人・年)。

文献: Bousser MG, et al.; Amadeus Investigators. Comparison of idraparinux with vitamin K antagonists for prevention of thromboembolism in patients with atrial fibrillation: a randomised, open-label, non-inferiority trial. Lancet 2008; 371: 315-21. pubmed
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