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PRINCIPLE-TIMI 44 Prasugrel in Comparison to Clopidogrel for Inhibition of Platelet Activation and Aggregation-Thrombolysis in Myocardial Infarction 44
結論 狭心症に対して計画された経皮的冠動脈形成術(PCI)のための心臓カテーテル検査施行予定患者において,prasugrel負荷用量60mgは,clopidogrel負荷用量600mgに比し血小板阻害作用に優れていた。prasugrel維持用量10mg/日は,clopidogrel維持用量150mg/日に比し抗血小板作用に優れていた。
コメント サロゲートエンドポイント(ADP惹起血小板凝集)を用いて600mgローディング+150mg/日という大量のクロピドグレルと日本製のプラスグレルの効果を比較した。代謝が単純なプラスグレルがサロゲートエンドポイント試験では大量のクロピドグレルに勝るのは想定範囲内であるが,今後のイベント試験の結果が期待される。(後藤信哉

目的 狭心症に対して計画されたPCIのための心臓カテーテル検査施行予定患者において,prasugrelと,現在の承認より高用量のclopidogrelを比較。
[薬物力学に関するエンドポイント]
負荷用量投与期 の有効性の一次エンドポイント:試験薬負荷用量投与6時間後の血小板凝集阻害(ADP 20μmol /L)。ただしGP IIb/IIIa受容体拮抗薬投与者を除く。PCIの状態は問わない。維持用量投与期 の有効性の一次エンドポイント:試験薬維持用量投与開始後14±2日後における血小板凝集阻害(ADP 20μmol /L)。
[臨床に関するエンドポイント]
安全性の一次エンドポイント:15日の冠動脈バイパス術に関連しない出血。有効性の一次エンドポイント:負荷用量投与時からクロスオーバー前の維持用量投与時までの主要有害心イベント(心血管死,心筋梗塞,脳卒中)。
デザイン ランダム化,二重盲検,クロスオーバー,on-treatment解析。
セッティング 多施設(14施設)。4ヵ国。
期間 追跡期間は29±4日。
対象患者 201例。狭心症に対して計画されたPCIのための心臓カテーテル検査施行予定で,かつ以下の基準(14日以内の冠動脈造影でPCI施行に適している病変が1病変以上/8週間以内の機能検査で虚血の客観的所見/PCIまたはCABG施行歴)の1つ以上に該当する18歳以上の患者。
【除外基準】心筋梗塞の緊急治療のためのPCI,5日以内のthienopyridine投与,7日以内のGP IIb/IIIa受容体拮抗薬の投与または投与予定(救済措置の場合は許可),出血ハイリスク,血小板減少症,貧血症。
【患者背景】平均年齢はprasugrel群64歳,clopidogrel群63.8歳。各群の女性28.4%,22.2%。心筋梗塞の既往30.4%,28.3%。
治療法 prasugrel 60mg とclopidogrel 600mg(いずれも負荷用量)にランダム化。試験薬は心臓カテーテル予定開始時間の30分-1時間前までに投与し,冠動脈の病変が適合であった場合はPCIを施行。PCI後,prasugrel 10mg/日またはclopidogrel 150mg/日(いずれも維持用量)を14±2日間投与。15±2日に試験薬をクロスオーバーし,ウォッシュアウト期間を設けず,さらに14±2日間投与。
追跡完了率
結果

●評価項目
[薬物力学項目]
血小板凝集阻害(ADP 20μmol/L)はprasugrel 60mg群(治療前75.7±11.8%→負荷用量投与期74.8±13.0%),clopidogrel 600mg群(77.0±9.7%→31.8±21.1%)と,治療前では有意差は認められなかったが,負荷用量投与期ではprasugrel 60mg群の方が高かった(「評価項目」に表記あり。p<0.0001)。
維持用量投与期の血小板凝集阻害率(ADP 20μmol/L)はprasugrel 10mg/日群61.3±17.8%と,clopidogrel 150mg/日群46.1±21.3%に比し高かった(p<0.0001)。
[臨床項目]
大出血はいずれの群においても認められず,出血のための試験薬早期中止もなかった。クロスオーバー前の小出血はprasugrel群2例(2.0%),clopidogrel群0例。出血性有害事象はprasugrel群19例(18.6%),clopidogrel群14例(14.1%)。クロスオーバー後では,出血性有害事象はprasugrel→clopidogrel群4例,clopidogrel→prasugrel群0例。
主要有害心イベントはprasugrel群で周術期MI 2例,clopidogrel群で急性ステント血栓症1例。クロスオーバー後では,clopidogrel→prasugrel群でMI 1例。
死亡,脳卒中は認められなかった。

●有害事象
[評価項目]に表記あり。

文献: Wiviott SD, et al.; PRINCIPLE-TIMI 44 Investigators. Prasugrel compared with high loading- and maintenance-dose clopidogrel in patients with planned percutaneous coronary intervention: the Prasugrel in Comparison to Clopidogrel for Inhibition of Platelet Activation and Aggregation-Thrombolysis in Myocardial Infarction 44 trial. Circulation 2007; 116: 2923-32. pubmed
関連トライアル 3T/2R, ARMYDA-5 PRELOAD, ARMYDA-PRO, CLASSICS, Cuisset T et al, Erlinge D et al, Migliorini A et al, ONSET/OFFSET, PCI-CLARITY, PREPAIR, RELOAD, TRILOGY ACS elderly patients, TRITON-TIMI 38, TRITON-TIMI 38 CABG cohort, TRITON-TIMI 38 diabetes, TRITON-TIMI 38 discharge aspirin dose, TRITON-TIMI 38 early and late benefits, TRITON-TIMI 38 PCI
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