抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
APROPOS Apixaban Prophylaxis in Patients Undergoing Total Knee Replacement Surgery
結論 人工膝関節全置換術(TKR)施行患者において,静脈血栓塞栓症(VTE)予防のためのapixaban 2.5mg,1日2回,または5mg,1日1回投与は,現在の標準治療に比し有望である。

目的 待機的TKR施行患者において,VTE予防のためのapixaban(5,10,20mg)1日1回または2回投与の有効性と安全性を既存薬(enoxaparin,warfarin)と比較。有効性の一次エンドポイント:VTEイベント(無症候性/症候性深部静脈塞栓症[DVT]+症候性非致死的肺塞栓症[PE]+全死亡)。安全性の一次エンドポイント:大出血。
デザイン ランダム化,Phase II,盲検(apixaban,enoxaparin),オープン(warfarin)。
セッティング 多施設(97施設)。アルゼンチン,オーストラリア,カナダ,メキシコ,デンマーク,イスラエル,ポーランド,米国。
期間 試験期間は12±2日,追跡期間は30日。
対象患者 1217例(安全性の解析),856例(有効性の解析)。待機的TKRを予定された18-90歳の患者。
【除外基準】出血/凝固障害;heparin誘発性血小板減少症の既往;5年以内の頭蓋内/眼内出血;90日以内の消化管出血または30日以内の潰瘍性疾患;90日以内の脳,脊髄,眼科の,または大手術/外傷;12ヵ月以内の既知のVTE;治療抵抗性高血圧;悪性疾患;活動性肝胆汁性疾患;試験薬の吸収に影響を与えるおそれのある既知の消化管疾患またはその疑い;ALT,AST,ビリルビンが正常値上限>1.5倍;プロトロンビン時間国際標準比(INR)>1.4または活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)が対照値の>1.4倍;7日以内の凝固/血小板機能に影響を与える薬剤(aspirin,clopidogrel,ticlopidine,dipyridamole,sulfinpyrazone)の投与など。[術後の除外理由]外傷性または難しい腰椎穿刺;周術期の硬膜外またはクモ膜下カテーテルの使用;治療抵抗性外傷またはその他の出血;治療抵抗性高血圧。
【患者背景】平均年齢は66.7±9.2歳,女性63.3%,白人93%。
治療法 各群にランダム化。apixaban群,enoxaparin群は人工膝関節全置換術施行12-24時間後, warfarin群は手術日の夜より投与を開始し,12±2日後の静脈造影施行まで投与。手術当日(第1日)に試験薬投与を受けた患者は,翌日(第2日)の朝,10時間以上経過してから次の投与を受けた。
(各群の症例数は安全性の解析数/有効性の解析数を示す)
apixaban群: 2.5mg BID群(2.5mg,1日2回。154/111例),5mg OD群(5mg,1日1回。151/97例),5mg BID群(5mg,1日2回。153/105例),10mg OD群(10mg,1日1回。155/105例), 10mg BID群(10mg,1日2回。153/110例),20mg OD群(20mg,1日1回。151/110例)にapixabanを経口投与。
enoxaparin群:enoxaparin 30mg,1日2回,12時間ごと皮下注。149/109例。
warfarin群:INR 1.8-3.0になるよう調整した用量のwarfarinを1日1回投与。151/109例。
追跡完了率 試験薬投与中止は108例(8.7%)。
【脱落理由】有害事象(2.6-5.9%),試験参加合意撤回(0.7-4.5%),静脈造影評価不可能29.1%。
結果

●評価項目
一次エンドポイント発症率はapixabanの用量に依存して低下したが,有意差は認められなかった(p=0.09[OD/BID],p=0.19[OD],p=0.13[BID])。
VTEイベントはapixaban 2.5mg BID群10例(9.0%),5mg OD群11例(11.3%),5mg BID群5例(4.8%),10mg OD群13例(12.4%), 10mg BID群6例(5.5%),20mg OD群9例(8.2%),enoxaparin群17例(15.6%),warfarin群29例(26.6%)に発症した。無症候性DVTは,apixaban 群8.3%,11.3%,4.8%,10.5%,4.5%,7.3%,enoxaparin群12.8%,warfarin群25.7%。症候性DVTはapixaban 群0.9%,0%,0%,1.9%,0%,0%,enoxaparin群0.9%,warfarin群0.9%。PEはapixaban 群0%,0%,0%,0%,0.9%,0.9%,enoxaparin群1.8%,warfarin群0%。
全死亡は2.5mg BID群の1例(致死的PE)のみ。

●有害事象
大出血の発生はapixaban 群0%,2.6%,2.6%,0.6%,2.6%,3.3%,enoxaparin群,warfarin群は0例。出血はapixaban の用量に依存して増加した(p=0.01[OD],p=0.02[BID],NS[OD/BID])。
ALT,AST上昇による有害事象や試験中止はなかった。

文献: Lassen MR, et al. The efficacy and safety of apixaban, an oral, direct factor Xa inhibitor, as thromboprophylaxis in patients following total knee replacement. J Thromb Haemost 2007; 5: 2368-75. pubmed
関連トライアル ADOPT, ADVANCE, ADVANCE-2, ADVANCE-3 , AMPLIFY, AMPLIFY-EXT, APPRAISE, APPRAISE-2, ARISTOTLE, ARISTOTLE cardioversion, ARISTOTLE previous stroke/TIA, ARISTOTLE risk score, ARISTOTLE time in therapeutic range, ARISTOTLE-J, AVERROES, AVERROES previous stroke/TIA, BISTRO II , Botticelli, dabigatran,rivaroxaban,apixabanによる関節置換術後の血栓予防, DRIVE, EINSTEIN-DVT and EINSTEIN-Extension, EXULT A, FOTO, Hokusai-VTE, MAGELLAN, ODIXa-HIP, ODIXa-KNEE, ODIXa-OD-HIP, RE-MODEL, RECORD1, RECORD2, RECORD3, RECORD4, SAVE-KNEE, SAVE-HIP1, SAVE-HIP2, 人工股関節,膝関節全置換術施行患者のVTE予防におけるdabigatranの有効性および安全性
関連記事