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CAST-IST Chinese Acute Stroke Trial & International Stroke Trial
結論 aspirinの早期投与は広範囲の脳梗塞患者において有効であり,早期再発のリスクを減らすため,急性脳梗塞が疑われる全例への即時投与を常に考慮すべきである。
コメント 本解析の結果から,米国脳卒中協会をはじめとする諸外国のガイドラインでアスピリンが脳梗塞急性期の第一選択薬として推奨され,以降,脳梗塞急性期のアスピリン投与がスタンダードになった。わが国でも脳卒中治療ガイドライン2004にて,脳梗塞急性期の抗血小板療法としてアスピリンはグレードAとして推奨された。世界中に非常に大きなインパクトを与えた研究である。(岡田靖

目的 CASTとISTの結果より,(1)脳梗塞再発などに関するaspirin投与の効果,(2)両試験の対象患者の臨床的特徴がaspirinの効果に影響を及ぼすかを検討。
デザイン 本論文はCAST(Lancet 1997;349:1641-9)とIST(Lancet 1997;349:1569-81)の結合解析で,aspirin群(20055例)と対照群(20035例)を比較。
[CAST]
ランダム化,二重盲検,プラセボ対照。
[IST]
ランダム化,2×2 factorial,オープン。
セッティング 多施設。中国(CAST),34ヵ国(IST)。
期間 [CAST]
登録期間は1993年6月-1997年3月。追跡は4週間。
[IST]
登録期間は1991年1月-1996年5月。追跡は14日。
対象患者 40090例(CAST 20655例+IST 19435例)。発症から48時間以内(睡眠時発症の場合は入眠時から48時間以内)の脳梗塞患者。ランダム化前のCTは入院時に昏睡状態であった者のみ強制的に施行。
【除外基準】―
【患者背景】平均年齢はCAST 63歳,IST 71歳。
治療法 [CAST]
aspirin群(aspirin 160mg/日,4週間投与),プラセボ群にランダム化。
[IST]
全例の半数にaspirin 300mg/日を2週間投与,半数にheparinまたは未分画heparin(UFH)を投与(全例の1/4にheparin 5000U,1日2回,1/4にUFH 12500U,1日2回皮下投与)し,aspirin単独群,aspirin+heparin群,aspirin+UFH群,heparin単独群,UFH単独群,非投与群(いずれの薬剤も投与しない)の6群にランダム化。
追跡完了率
【脱落理由】―
結果

●評価項目
脳梗塞の再発は,aspirin群320例(1.6%)と,対照群457例(2.3%)に比し,きわめて有意な減少がみられた(リスク減少7±1/1000例,2p<0.000001)。
出血性脳卒中/原発部の出血性変化は202例(1.0%) vs 167例(0.8%)とaspirin群において多かったが,有意差は認められなかった(リスク減少2±1/1000例,2p=0.07)。
原因不明の脳卒中は178例(0.9%)vs 186例(0.9%)と有意差は認められなかった(2p=0.7)。
当該脳卒中以外の脳卒中を有さない死亡(おもに原発の脳卒中による死亡)は1004例(5.0%)vs 1090例(5.4%)とaspirin群において減少したが,有意差はかろうじて認められる程度であった(リスク減少4±2/1000例,2p=0.05)。
以上より,aspirin投与による当該脳卒中以外の脳卒中/院内死のリスク減少は9±3/1000例であった(1641例[8.2%]vs 1823例[9.1%],2p=0.001)。

脳梗塞の再発に関し,サブグループ間に有意差は認められなかった。
ランダム化前のCTを行わなかった8889例(22%)において,aspirinは出血性脳卒中を異常に増加させることなく,有効性を示した。
登録基準に沿わない出血性脳卒中のために割り付けられた773例(2%)においても,当該脳卒中以外の脳卒中/死亡は63例(16%) vs 67例(18%)と同等であった。

●有害事象

文献: Chen ZM, et al. Indications for early aspirin use in acute ischemic stroke : A combined analysis of 40 000 randomized patients from the chinese acute stroke trial and the international stroke trial. On behalf of the CAST and IST collaborative groups. Stroke 2000; 31: 1240-9. pubmed
関連トライアル AAASPS 2003, ACTIVE W, ACTIVE W CHADS2 score, aspirinの一次および二次予防効果(ATT), AVERROES bleeding, AVERROES previous stroke/TIA, CAPRIE 2000, CASISP, CAST, CHARISMA atrial fibrillation, CHARISMA subgroup analysis, CISRS, COMMIT, CREDO, EAFT 1993, ESPRIT , FISS-tris, HAEST subanalysis, ISIS-2, ISIS-3, ISIS-pilot, IST 1997, IST 2001, JAMIS, JAST, LASAF Pilot Study, MAST-I, MATCH, OPUS-TIMI 16, Palnum KH et al, Pearce LA et al, PRoFESS acute ischemic stroke, SITS-ISTR antiplatelet therapy, SPAF, SPAF III 1998, SPIRIT, TASS 1993, WARCEF, WARSS, 急性脳梗塞/TIA患者への抗血小板療法:2剤併用療法と単剤療法の比較
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