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WHS vitamin E
結論 女性において,ビタミンEの追加投与は静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクを減少させうるが,特にVTE の既往や遺伝性素因を有する者において有用である可能性がある。

目的 WHS試験において,VTE予防に関するビタミンEの効果を評価。一次エンドポイント:VTE初発。二次エンドポイント:特別な誘因のないVTE(肺塞栓症[PE],深部静脈血栓塞栓症[DVT])。
デザイン ランダム化,二重盲検,2×2ファクトリアル,intention-to-treat解析。本論文は低用量aspirinとビタミンEの有用性を評価するために行われた WHS(N Engl J Med 2005;352:1293-304)のサブ解析。
セッティング
期間 試験終了は2004年3月31日。追跡期間中央値は10.2年。
対象患者 39876例。冠動脈疾患,脳血管疾患,癌(非黒色腫皮膚癌を除く),他の主要慢性疾患(認知症,慢性腎/肝疾患,痛風,消化管出血)の既往がなく,週1回以上のビタミンA,E,ベータカロテンの使用のない45歳以上の女性。
【除外基準】抗凝固薬を服用中。
【患者背景】年齢はビタミンE群45-54歳60.3%,55-64歳29.5%,65歳以上10.2%,プラセボ群60.2%,29.5%,10.3%。各群のVTE既往あり2.8%,2.8%。血液サンプル入手67.1%,67.2%,うち第V因子ライデン変異5.2%,5.1%,プロトロンビン遺伝子突然変異2.7%,2.7%。
治療法 3ヵ月のrun-in期間後,ビタミンE群(19937例。600IU,隔日投与),プラセボ群(19939例)にランダム化。
(これとは別に低用量aspirin群,プラセボ群にランダム化)
追跡完了率
【脱落理由】―
結果

●評価項目
VTEはビタミンE群213例(1.07/1000例・年),プラセボ群269例(1.36/1000例・年)に発症した(ハザード比[HR]0.79,95%CI 0.66-0.94,p=0.010)。うち,誘因のないVTEは102例 vs 139例(HR 0.73,95%CI 0.57-0.94,p=0.016)。PEは74例 vs 102例(HR 0.72,95%CI 0.54-0.98,p=0.034),DVTのみは139例 vs 167例(p=0.10)。
VTEの既往の有無別の検討では,どちらのサブグループにおいても,ビタミンE群でプラセボ群に比しVTE発症が抑制された(既往あり[全体の3%]HR 0.56,95%CI 0.31-1.00,p=0.048,既往なしHR 0.82,95%CI 0.68-0.99,p=0.040)。
第V因子ライデン変異/プロトロンビン遺伝子突然変異を有する者でも同様に,ビタミンE群でプラセボ群に比しVTE発症が抑制された(HR 0.51,95%CI 0.30-0.87,p=0.014)。

●有害事象

文献: Glynn RJ, et al. Effects of random allocation to vitamin E supplementation on the occurrence of venous thromboembolism: report from the Women's Health Study. Circulation 2007; 116: 1497-503. pubmed
関連トライアル PREVENT 2004, WARFASA
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