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RE-NOVATE
結論 人工股関節全置換術施行患者において,静脈血栓塞栓症(VTE)予防のためのdabigatran etexilate経口投与はenoxaparinと同じように有効で,安全性プロフィールも同等であった。

目的 人工股関節全置換術施行患者において,VTE予防のためのdabigatran etexilate(220/150mg)1ヵ月投与の有効性と安全性をenoxaparinと比較。有効性の一次エンドポイント:静脈血栓塞栓イベント[静脈造影上/症候性の深部静脈塞栓症(DVT),症候性肺塞栓症(PE)]+全死亡。有効性の二次エンドポイント:重篤なVTE(近位部DVT,PE)+VTE関連死。安全性の一次エンドポイント:出血,肝機能。
デザイン ランダム化,二重盲検,非劣性試験(非劣性マージン7.7%),intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(115施設)。ヨーロッパ,オーストラリア,南アフリカ。
期間 登録期間は2004年12月-2006年4月。試験期間は試験薬初回投与から最終投与の3日後まで。
対象患者 3463例(安全性の解析),2651例(有効性の解析)。primary待機的片側人工股関節全置換術を予定された18歳以上,体重40kg以上の患者。脊髄/硬膜外麻酔が行われた場合は,試行3回未満/非外傷性留置の場合のみ対象とした。
【除外基準】出血性素因,急性頭蓋内疾患/出血性脳卒中の既往,大手術,外傷,コントロール不良の高血圧,3ヵ月以内の心筋梗塞,消化管/泌尿・生殖器の出血,6ヵ月以内の潰瘍性疾患,重症肝疾患,1ヵ月以内のALT/AST値の正常値上限の2倍超;重症腎不全(クレアチニンクリアランス30mL/分未満),長時間作用型非ステロイド性抗炎症薬の使用,活動性悪性疾患など。
【患者背景】平均年齢はdabigatran etexilate 220mg群65±10歳,同150 mg 群63±11歳,enoxaparin群64±11歳。
治療法 人工股関節全置換術施行後,dabigatran etexilate 220mg群[1146例(安全性の解析)/880例(有効性の解析)。dabigatran etexilate 220mg,1日1回経口投与],同150 mg群(1163/874例。同150mg,1日1回経口投与),enoxaparin群(1154/897例。40mg/日皮下投与)にランダム化。
試験薬/プラセボの皮下投与は人工股関節全置換術前夜に開始したが,国により,現地の慣行に従って術後開始とした。dabigatran etexilateの初回投与は半量(110/75mg)とし,術後1-4時間後,十分な止血を確認してから投与。初回投与が手術翌日になった場合は初回から全量を投与し,2回目の投与は最低12時間後とした。試験薬の投与は両側静脈造影施行まで,28-35日間継続した。
試験薬投与中の低用量aspirin(160mg未満),選択的シクロオキシゲナーゼ-2阻害薬の併用は許可。弾性圧迫ストッキングの使用は許可,ただし間欠的空気圧迫デバイスの使用は不許可。
追跡完了率 有効性の解析からの除外はdabigatran etexilate 220mg群257例,同150mg群282例,enoxaparin群245例。
【脱落理由】静脈造影非施行164例 vs 201例 vs 173例,静脈造影不十分93例 vs 81例 vs 72例。
結果

●評価項目
一次エンドポイントはdabigatran etexilate 220mg群53例(6.0%)(95%CI 4.5-7.6,enoxaparinとの絶対差-0.7%,p<0.0001),同150 mg群75例(8.6%)(95%CI 6.7-10.4,enoxaparinとの絶対差1.9%,p<0.0001),enoxaparin群60例(6.7%)(95%CI 5.1-8.3)と,dabigatran etexilate両群ともenoxaparin群に比し非劣性が認められた。
症候性DVTは6例(0.5%)vs 9例(0.8%)vs 1例(0.1%)。
症候性PEは5例(0.4%)vs 1例(0.1%)vs 3例(0.3%)。
全死亡は3例(0.3%)vs 3例(0.3%)vs 0例(うちdabigatran etexilate 220mg群1例,同150mg群2例は致死的VTEの疑い)。
無症候性DVTは40(うち近位部18例/遠位部22例)例(4.6%)vs 63(28/35)例(7.2%)vs 56(32/24)例(6.3%)。
二次エンドポイントは28例(3.1%,95%CI 2.0-4.2,enoxaparinとの絶対差-0.8%,p=0.33)vs 38例(4.3%,95%CI 2.9-5.6,enoxaparinとの絶対差0.4%,p=0.71)vs 36例(3.9%,95%CI 2.7-5.2)。
大出血はdabigatran etexilate 220mg群23例(2.0%,p=0.44),同150mg群15例(1.3%,p=0.60)と,enoxaparin群18例(1.6%)と同等であった。うち致死的出血は1例 vs 1例 vs 0例。
ベースライン後のALTの正常域上限3倍超の上昇はdabigatran etexilate 220mg群34例(3.0%)(p=0.0081),同150mg群34例(3.0%)(p=0.0061)にみられ,enoxaparin群60例(5.3%)に比し少なかった。
p値はすべてvs enoxaparin群)

●有害事象
治療中止に至った有害事象は74例(6%)vs 88例(8%)vs 66例(6%)。

文献: Eriksson BI, et al; RE-NOVATE Study Group. Dabigatran etexilate versus enoxaparin for prevention of venous thromboembolism after total hip replacement: a randomised, double-blind, non-inferiority trial. Lancet 2007; 370: 949-56. pubmed
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