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Schellinger PD et al MRI-based and CT-based thrombolytic therapy in acute stroke within and beyond established time windows: an analysis of 1210 patients
結論 脳梗塞患者において,症状発現から治療までの時間が有意に長く,ベースラインのNational Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)スコアも有意に高かったにもかかわらず,MRI所見にもとづいた血栓溶解療法は,CT所見にもとづいた標準的血栓溶解療法に比し,安全で,潜在的に有効であった。

目的 脳梗塞の症状発現後3時間以内,もしくは3時間経過後に開始した,MRI所見にもとづいた血栓溶解療法の安全性と有効性を,3時間以内に開始したCT所見にもとづいた標準的血栓溶解療法と比較。安全性のエンドポイント:症候性脳内出血(sICH),死亡率。有効性の一次エンドポイント:転帰良好(modified Rankin Score[mRS]0-1)。有効性の二次エンドポイント:自立(mRS 0-2),レスポンダー(開始時のNIHSS重症度別に調整した良好な転帰の比率)。
デザイン 登録研究。
セッティング 多施設(5施設),ドイツ,スペイン。
期間 各施設のデータベースの登録は1990年代後半-2000年代前半に開始。
対象患者 1210例。ヨーロッパの脳卒中センター5施設のデータベースに登録されている患者。
【除外基準】中大脳動脈領域の1/3を超える境界明瞭な脳梗塞。
【患者背景】年齢中央値(範囲)はCT 群69(21-94)歳,MRI3時間以内群67(19-91)歳,MRI3時間超過群68.5(26-91)歳。
治療法 t-PA標準用量の静脈内投与(0.9mg/kg,10%をボーラス投与,90%は1時間で静注)を受けた患者を,CT群(714例。CT所見にもとづいた血栓溶解療法を症状発現から3時間以内に施行),MRI3時間以内群(316例。MRI所見にもとづいた血栓溶解療法を3時間以内に施行),MRI3時間超過群(180例。MRI所見にもとづいた血栓溶解療法を3時間超過後に施行)に群別し比較。全例において,国内または国際のガイドラインに従って標準的治療を行った。
追跡完了率
結果

●評価項目
開始時のNIHSS(中央値/範囲)はCT群12(1-37),MRI3時間以内群13(0-28),MRI3時間超過群14(2-42)(p=0.019)。
症状発現から治療までの時間(中央値/範囲)は130(10-180)分 vs 135(40-180)分 vs 240(181-1032)分(p<0.001)。
sICH発症率は5.3% vs 2.8% vs 4.4%(p=0.213)で,MRIの使用は有意にsICHを抑制した(オッズ比[OR]0.520,95%CI 0.270-0.999,p=0.05)。
死亡率は13.7% vs 11.7% vs 13.3%(p=0.675)で,年齢(OR 1.072,p<0.001),NIHSS(OR 1.115,p<0.001)が予測因子であった。
転帰良好(mRS 0-1)は35.4% vs 37.0% vs 40.0%(p=0.512)で,年齢(OR 0.973,p<0.001),NIHSS(OR 0.862,p<0.001),MRI所見にもとづいて症状発現から3時間以内に治療開始(OR 1.467,95%CI 1.017-2.117,p=0.040)がCTに比し転帰良好の予測因子であった。3時間以内では,MRIはCTに比し有効である傾向がみられた(OR 1.136,95%CI 0.841-1.534)。
自立(mRS 0-2)は49.7% vs 53.2% vs 47.8%(p=0.451),レスポンダーは32.2% vs 35.4% vs 35.0%(p=0.536)。

●有害事象

文献: Schellinger PD, et al. MRI-based and CT-based thrombolytic therapy in acute stroke within and beyond established time windows: an analysis of 1210 patients. Stroke 2007; 38: 2640-5. pubmed
関連トライアル ECASS, ECASS III, Engelter ST et al, EPITHET, Georgiadis D et al, 2006, Helsinki Stroke Thrombolysis Registry, J-MARS, Kellert L et al, Mattle HP et al, MELT Japan, MERCI and Multi MERCI, Mikulik R et al 2009, RESTORE, SAINT postthrombolysis ICH, SAMURAI, SAMURAI CT versus DWI, Saqqur M et al, Singer OC et al, SITS-ISTR, SITS-ISTR antiplatelet therapy, SITS-ISTR blood pressure, SITS-ISTR elderly, SITS-ISTR young patients, SITS-MOST multivariable analysis, SUMO, Toni D et al
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