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van Walraven C et al A clinical prediction rule to identify patients with atrial fibrillation and a low risk for stroke while taking aspirin
結論 以下の4つの条件(脳卒中/一過性脳虚血発作[TIA]の既往なし,高血圧の治療を受けていないかまたはSBP 140mmHg未満,心筋梗塞/狭心症の既往なし,糖尿病の合併なし)を満たし,aspirin投与を受けている心房細動(AF)患者では,年齢にかかわらず,脳卒中発症率は年齢を合致させた一般人口と同程度であり,抗凝固療法によるベネフィットは大きくないと考えられる。

目的 aspirin 投与を受けている非弁膜症性AF患者において,脳卒中リスクが,年齢および性別を合致させた一般人口(Framingham Heart Study: Stroke 1991;22:312-8)における予測値と同等,または低くなる条件を同定するため,年齢に依存しない臨床的予測ルールを導出。
デザイン 複合解析。
セッティング
期間
対象患者 2501例。6つの臨床試験( AFASAK 1: Lancet 1989;1:175-9,AFASAK 2: Arch Intern Med 1998;158:1513-21,PATAF: BMJ 1999;319:958-64, SPAF I: Circulation 1991;84:527-39, SPAF II: Lancet 1994:343:687-91, SPAF III: JAMA 1998;279:1273-7)で脳卒中予防のためのaspirin投与を受けた,試験参加の6-24ヵ月前に脳卒中/TIAが認められなかった成人の非弁膜症性AF患者。
【除外基準】5試験では経口抗凝固薬またはaspirinに無作為割り付けを行ったため,両薬剤に対し適応または禁忌(腎/肝不全,血小板減少症,出血性疾患など)を有する患者は除外。AFASAKでは,急性冠症候群の既往または冠動脈血行再建術歴を有する患者は除外。なお本論文では,SPAF Iでaspirinに無作為割り付けされているSPAF II参加者は解析から除外した。
【患者背景】全例の平均年齢は70.4±10.1歳。男性66.7%。
治療法 全例にaspirin 75-325mg/日投与。SPAF III以外の5試験はaspirin投与に無作為割り付け。
追跡完了率 欠測値は69例(2.5%)。
【脱落理由】―
結果

●評価項目
全例(4688.6例・年)における脳イベントの発症は166例(6.6%,3.5件/100例・年)。
(サンプル数が大きいため,無作為に2/3の患者を選択し,再帰分割法を適用)3120.3例・年において,脳卒中/TIAの発症は103例(3.3件/100例・年)で,一般人口における予測値(1.3件/100例・年)に比し多かった。
イベント発症率が低い患者を同定する条件は以下の4つであった。
(1)脳卒中/TIAの既往なし:既往のない者でのイベント発症率は94件/3033.3患者・年,観測値3.1(予測値1.3)件/100例・年。既往者では9件/87.3患者・年,観測値10.3(予測値1.4)件/100例・年(p<0.001)。
(2)高血圧の治療なし/SBP 140mmHg未満:(1)の条件に合致する者におけるイベント発症率;高血圧でない者では19件/975.9患者・年,観測値1.9(予測値1.2)件/100例・年。高血圧者では75件/2057.1患者・年,観測値3.6(予測値1.3)件/100例・年(p=0.01)。
(3)心筋梗塞/狭心症の既往なし:(1),(2)の条件に合致する者におけるイベント発症率;既往のない者では12件/851.0患者・年,観測値1.4(予測値1.2)件/100例・年。既往者では7件/124.9患者・年,観測値5.6(予測値1.4)件/100例・年(p=0.002)。
(4)糖尿病合併なし:(1)-(3)の条件に合致する者におけるイベント発症率;合併のない者では9件/800.2患者・年,観測値1.1(予測値1.2)件/100例・年。合併者では3件/50.8患者・年,観測値5.9(予測値1.2)件/100例・年(p=0.005)。
(1)-(4)の条件のいずれにも合致しない者のイベント発症率は98件/2334.1患者・年,観測値4.2(予測値1.3)件/100例・年。
この条件を全例に適用して解析したところ,4条件を満たす者のイベント発症率は1.0(予測値1.2)件/100例・年であった。また,経口抗凝固薬投与を受けていた者のうち,4条件を満たす者のイベント発症率は1.5件/100例・年であった。なお,4条件を満たす低リスク者は全例の23.5%,75歳超の16.0%を占めた。

●有害事象

文献: van Walraven C, et al. A clinical prediction rule to identify patients with atrial fibrillation and a low risk for stroke while taking aspirin. Arch Intern Med 2003; 163: 936-43. pubmed
関連トライアル ACTIVE W, ACTIVE W CHADS2 score, ACTIVE W paroxysmal vs sustained, AFFIRM subgroup analysis, AVERROES previous stroke/TIA, CHARISMA atrial fibrillation, Hart RG et al, IST 2001, JAST, NABOR, Pearce LA et al, SPAF I-III 1999, SPAF III 1998, SPAF III von Willebrand factor, SPORTIF risk of bleeding, SPORTIF V
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