抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
Matisse Study
結論 血行動態的に安定している肺塞栓症(PE)患者において,fondaparinuxの1日1回皮下投与は,モニタリングを必要とせず,未分画heparinと同等の有効性と安全性を示した。

目的 血行動態的に安定しているPE患者において,静脈血栓塞栓症(VTE)予防のためのfondaparinux投与を未分画heparinと比較。有効性の一次エンドポイント:3ヵ月の症候性VTE(客観的に確認されたPE/深部静脈血栓塞栓症[DVT]の再発,PEによる死亡)の再発。安全性の一次エンドポイント:初期治療期間の大出血,3ヵ月の死亡,臨床的に関連のある大出血以外の出血。
デザイン PROBE法(prospective, randomized, open, blinded-endopoint design),非劣性試験(非劣性マージン3.5%)。
セッティング 多施設(235施設)。20ヵ国(ヨーロッパ,北米,イスラエル)。
期間 スクリーニング期間は2000年5月-2002年3月。試験期間は3ヵ月。
対象患者 2213例。急性症候性PEを発症し,抗血栓療法を必要とする18歳以上の患者。
【除外基準】低分子量heparin/経口抗凝固薬の24時間超の治療用量投与,血栓溶解療法/塞栓除去術/大静脈フィルターの必要,活動性出血,血小板減少症(10万/μL未満),血清クレアチニン2.0mg/dL超,180/110mmHg超の治療抵抗性高血圧など。
【患者背景】平均年齢はfondaparinux群63±16.2歳,UFH群62±16.7歳。
治療法 fondaparinux群(1103例。体重50kg未満は5.0mg,50-100kgは7.5mg,100kg超は10.0mgを各1日1回皮下投与),UFH群(1110例。5000IU以上をボーラス投与後,APTTが1.5-2.5になるよう,1時間につき最低1250IUを静注。APTTは投与開始6時間後に測定し,以後は各測定の6時間後[治療効果が不十分/過剰な場合],または毎日測定)にランダム化。
両群とも試験薬は5日以上継続し,かつINRが連続2日以上2.0超を記録するまで投与。
また全例において,ビタミンK拮抗薬は試験薬開始72時間以内の可能な限り早い時期に投与を開始し,INRが2.0-3.0となるよう用量調整。3ヵ月間投与継続。
追跡完了率 有効性の解析からの除外はfondaparinux群6例,UFH群7例。
【脱落理由】試験参加合意撤回両群とも6例,追跡不能7例。
結果

●評価項目
3ヵ月の一次エンドポイント発生はfondaparinux群42例(3.8%),UFH群56例(5.0%)(絶対差-1.2%,95%CI -3.0-0.5)で,非劣性基準に合致した。内訳は致死的PE 16例 vs 15例,非致死的PE 14例 vs 24例,DVTのみ12例 vs 17例。
初期治療期間の大出血は14例(1.3%)vs 12例(1.1%)(絶対差0.2%,95%CI -0.7-1.1),うち致死的出血は 1例 vs 1例。3ヵ月の大出血は22例(2.0%)vs 26例(2.4%)。
初期治療期間の死亡は9例(0.8%)vs 12例(1.1%),3ヵ月では57例(5.2%)vs 48例(4.4%)(絶対差0.8%,95%CI -1.0-2.6)。内訳はPE 14例 vs 15例,出血3例 vs 1例など。
初期治療期間の臨床的に関連のある大出血以外の出血は35例(3.2%)vs 57例(5.2%),3ヵ月では62例(5.7%)vs 92例(8.4%)。

●有害事象
[評価項目]に表記あり。

文献: Büller HR, et al; Matisse Investigators. Subcutaneous fondaparinux versus intravenous unfractionated heparin in the initial treatment of pulmonary embolism. N Engl J Med 2003; 349: 1695-702. pubmed
関連トライアル ARTEMIS, CALISTO, EINSTEIN-PE, ESSENCE 1997, ExTRACT-TIMI 25, FIDO, FONDACAST, FUTURA/OASIS-8, OASIS-5, OASIS-5 and 6, OASIS-6, OTPE, PREVAIL, PROTECT, STEEPLE, SYNERGY, THRIVE, TIMI 11B, Turpie AGG et al 1992, van Gogh Studies, van Gogh Studies prophylaxis, Wells PS et al
関連記事