抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
THRIVE III Thrombin Inhibitor in Venous Thromboembolism III
結論 静脈血栓塞栓症(VTE)再発予防において,ximelagatranはプラセボより優れており,出血性合併症の頻度の増加もなかった。しかし,アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)値が一時的に上昇する患者の増加がみられた。

目的 VTE再発予防のための標準的抗凝固療法を6ヵ月行った後の,長期ximelagatran固定用量療法の有効性と安全性を評価。一次エンドポイント:症候性VTEの再発。二次エンドポイント:全死亡,出血イベント。
デザイン ランダム化,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(142施設)。18ヵ国(ヨーロッパ,アルゼンチン,ブラジル,カナダ,イスラエル,メキシコ,南アフリカ)。
期間 ランダム化期間は1999年11月-2000年10月。追跡期間は18ヵ月。
対象患者 1223例。18歳以上の症候性/確定診断された下肢深部静脈塞栓症(DVT),または肺塞栓症(PE)患者で,6ヵ月以上の抗凝固療法を受け,再発のない者。
【除外基準】抗凝固療法継続の指示,出血リスク増大に関連する状態,ヘモグロビン濃度9.0g/dL未満,血小板数9万/mm3未満,腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/分未満),重篤な肝疾患,ALT値の正常域上限の3倍以上の持続的上昇など。
【患者背景】平均年齢はximelagatran群56±15歳,プラセボ群58±15歳。
治療法 VTEイベント初発の約6ヵ月(範囲5-7)後,5年以内の活動性癌の有無により層別化したうえで,ximelagatran群(612例。24mg,1日2回投与),プラセボ群(611例)にランダム化。
試験薬の投与は,標準的抗凝固療法を中止後,国際標準比(INR)が1.5未満となってから開始。
他の抗凝固薬,血栓溶解薬,抗血小板薬(500mg/日までのaspirin,あるいは時折の>500mg/日投与を除く)の併用は不可。非ステロイド性抗炎症薬は半減期7時間未満のもののみ許可。
追跡完了率 脱落は両群各5例。
【脱落理由】―
結果

●評価項目
VTE再発は,ximelagatran群が12例(2.8%)と,プラセボ群71例(12.6%)に比し有意に少なかった(ハザード比[HR]0.16,95%CI 0.09-0.30,p<0.001)。内訳はPE 2例 vs 15例,DVT 10例 vs 48例,DVT,PE併発0例 vs 8例。
全死亡は6例(1.1%)vs 7例(1.4%)(HR0.83,95%CI 0.28-2.46,p値表記なし),死因のうちPEは0例 vs 3例。
全出血イベントは134例(23.9%)vs 111例(21.0%)(HR1.19,95%CI 0.93-1.53,p=0.17),うち大出血は6例(消化管3例,婦人科2例,血尿1例)vs 5例(硬膜下,クモ膜下,硝子体,消化管,婦人科各1例)で,致死的出血は認められなかった。

●有害事象
一過性のALT値の正常値上限の3倍以上の上昇がximelagatran群37例(6.0%),プラセボ群6例(1.0%)にみられた。18ヵ月の推定累積リスクは6.4% vs 1.2%(オッズ比6.5,95%CI 2.7-15.5,p<0.001)。

文献: Schulman S, et al;THRIVE III Investigators. Secondary prevention of venous thromboembolism with the oral direct thrombin inhibitor ximelagatran. N Engl J Med 2003; 349: 1713-21. pubmed
関連トライアル AMPLIFY-EXT, ARTEMIS, ASPIRE, CALISTO, Crowther MA et al, EINSTEIN-DVT and EINSTEIN-Extension, ELATE, EXULT A, Kucher N et al, ODIXa-KNEE, PREVENT 2003, PREVENT 2004, PROTECT, RE-COVER, RE-MEDY & RE-SONATE, RECORD1, RECORD3, SPORTIF elderly patients, SPORTIF II , SPORTIF III, SPORTIF pooled analysis, SPORTIF risk of bleeding, SPORTIF V, THRIVE, van Gogh Studies prophylaxis, VTE治療における新規経口抗凝固薬, WARFASA
関連記事