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ACE Anticoagulation in Cardioversion Using Enoxaparin
結論 経食道心エコー(TEE)ガイド下に電気的除細動を行う心房細動(AF)患者において,enoxaparinの虚血性脳血管障害,全身性塞栓症,出血性合併症,死亡の予防効果は,未分画heparin(UFH)+phenprocoumonに比し劣らなかった。

目的 電気的除細動を行う非弁膜症性AF患者において,enoxaparinの皮下投与の有効性と安全性を,UFH静注後にphenprocoumonを投与する従来の抗凝固療法と比較。一次エンドポイント:虚血性脳血管障害+全身性塞栓症+全死亡+重篤な出血性合併症。二次エンドポイント:電気的除細動成功,試験期間終了時の洞調律,大出血以外の出血性合併症など。
デザイン PROBE(prospective,randomised,open,blinded endpoints),非劣性試験(非劣性マージン2%),per-protocol解析,intention-to-treat(ITT)解析。
セッティング 多施設(56施設)。ドイツ。
期間 登録期間は1999年11月11日-2001年10月10日。追跡終了は2001年11月26日。試験終了は2002年7月。
対象患者 496例。18歳以上,体重45kg以上で,初回のECGでAFが確認され,試験参加の48時間以上前より動悸/めまい/頻脈の臨床症状がある者。臨床症状のない場合には安静時/長時間ECGにより過去3ヵ月間に持続性AFが確認された者。
【除外基準】急性神経学的欠損,全身性塞栓症または血栓症の急性臨床徴候,左室または大動脈血栓,血液凝固異常または内出血,血小板数<10万/μL,heparin起因性血小板減少症(タイプII)または重度の慢性肝・腎疾患の既往,6ヵ月以内の脳内/消化管出血,重篤な高血圧,ECGにおいて洞調律が1年超にわたり確認されていない,振戦麻痺など神経学的欠損を引き起こす疾患,他の抗凝固薬・抗血小板薬・325mg/日以上のaspirinの使用など。
【患者背景】平均年齢はenoxaparin群66±11歳,UFH+phenprocoumon群65±11歳。
治療法 電気的除細動は,65例(9施設)ではTEEを利用せず(stratum A),431例(47施設)では利用(stratum B)。
stratum A:enoxaparin群(35例)*1,UFH+phenprocoumon群(30例)*2にランダム化。薬物治療開始3週後に電気的除細動を施行,その後,薬物治療を4週間継続。
*1:初期用量 1mg/kg ,1日2回を3-8日間皮下注後,固定用量40mg(体重65kg未満)または60mg(65kg以上),1日2回皮下注。退院後は自己注射。
*2:UFH は80IU/kg(または施設の規定による用量)ボーラス静注後,APTTにより調整した用量(初期用量18IU/kg・分,または施設の規定による用量)を72時間以上点滴するとともに,ランダム化から72時間以内にphenprocoumon投与を開始(UFH中止前にINR 2.0-3.0になるよう用量調整)。
stratum B:enoxaparin群(213例),UFH+phenprocoumon群(218例)にランダム化し,ただちに薬物治療を開始。TEEで血栓のないことが確認された場合は1-3日後に十分な抗凝固が達成されてから,血栓が認められた場合は電気的除細動を3週間延期し,再度のTEEで血栓のないことを確認してから,それぞれ電気的除細動を施行。その後4週間薬物治療を継続。
追跡完了率 追跡完了は462例。
【脱落理由】―
結果

●評価項目
一次エンドポイントの発生は,per-protocol解析(428例)でenoxaparin群7例(3.2%)vs UFH+phenprocoumon群12例(5.7%)(非劣性p=0.016,95%CI-6.9-1.8%),ITT解析(496例)でenoxaparin群7例(2.8%)vs UFH+phenprocoumon群12例(4.8%)(非劣性p=0.013,95%CI -5.8-1.6%)であった。
全塞栓イベントは2例(0.8%)vs 4例(1.6%),大出血は2例(0.8%)vs 6例(2.4%),全死亡は3例 vs 5例で,治療群間,stratum A,B間ともすべて有意差は認められなかった。
電気的除細動成功は151例(83.0%)vs 179例(89.1%)(p=0.10),試験期間終了時の洞調律は151例(65.9%)vs 159例(68.3%)(p=NS),小出血は21例(8.5%)vs 21例(8.5%)(p値表記なし)で,すべて有意差は認められなかった。

●有害事象
[評価項目]に表記あり。

文献: Stellbrink C, et al.; ACE (Anticoagulation in Cardioversion using Enoxaparin) Study Group. Safety and efficacy of enoxaparin compared with unfractionated heparin and oral anticoagulants for prevention of thromboembolic complications in cardioversion of nonvalvular atrial fibrillation: the Anticoagulation in Cardioversion using Enoxaparin (ACE) trial. Circulation. 2004; 109: 997-1003. pubmed
関連トライアル ACUITY switching to bivalirudin, ADVANCE-2, ARISTOTLE cardioversion, ESSENCE 1997, ESSENCE 2000, ExTRACT-TIMI 25, ExTRACT-TIMI 25 clopidogrel, FIDO, NASPEAF, ODIXa-KNEE, PREVAIL, PROSPECT , SPORTIF V, STEEPLE, SYNERGY, SYNERGY elderly, TIMI 11B
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