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ASPECT Aspirin-Induced Platelet Effect study
結論 aspirin抵抗性の評価は測定法に左右される。aspirinはすべての用量において効果的にアラキドン酸(AA)誘発性の血小板機能を阻害する薬剤であるが,AA以外の誘発物質を用いた測定においても,aspirin抵抗性が多く認められた。ほぼ完全にAA誘発性の血小板凝集を抑制したにもかかわらず,用量依存性の作用がみられたことから,aspirinはシクロオキシゲナーゼ-1以外の経路の抗血小板作用を有する可能性がある。
コメント 本研究で用いられたテストの中では,アラキドン酸による凝集が最もアスピリンの阻害によるCOX-1阻害と連関している。さらに特異的な血小板由来トロンボキサンA2(TX-A2)の計測を行えば,COX-1阻害との関連で薬理学的なアスピリン抵抗性の有無がわかると思われる。(後藤信哉

目的 aspirinの血小板反応性を一般に用いられている方法で測定し,用量と血小板反応性の程度の関係を評価。
デザイン ランダム化,二重盲検,二重クロスオーバー。
セッティング 単施設。米国。
期間
対象患者 120例。冠動脈造影/超高速CTにより確認された18歳以上の冠動脈疾患患者。対照は健常者10例(最低1ヵ月間薬剤の使用がない28-47歳の者)。
【除外基準】出血素因,消化管出血/出血性脳卒中の既往,凝血障害,6週以内の大手術,血小板数<10万/mm3,ヘマトクリット<25%,クレアチニン>4mg/dL,非ステロイド性抗炎症薬/抗凝固薬/aspirin以外の抗血小板薬の使用など。
【患者背景】平均年齢は65±10歳。男性70%。脂質異常症87%。
治療法 aspirin 81,162,325mg/日,4週間投与にランダム化,二重クロスオーバー。
aspirinの血小板反応性の測定は,以下の機器を用いた:light transmittance aggregometry(LTA),thrombelastography(TEG),VerifyNow,PFA-100,Flow cytometry,urinary 11-dehydro(dh)-thromboxane(Tx)B2
追跡完了率 98%。
【脱落理由】辞退2例,一過性脳虚血発作,胃炎,採血不能各1例。
結果

●評価項目
いずれかの用量においてaspirin抵抗性を示した者は,AA誘発性凝集阻害をみた測定では0-6%,コラーゲン誘発性およびADP誘発性凝集阻害をみた測定では1-27%であった。
aspirinの血小板反応の用量依存性は,81mg vs 162mgではADP誘発性LTA(p=0.049),コラーゲン誘発性LTA(p=0.012),PFA-100(p=0.001),81mg vs 325mgではurinary 11- dh- TxB2p=0.003)で認められた。
クロスオーバーによる持ち越し効果は認められなかった。

●有害事象

文献: Gurbel PA, et al. Evaluation of dose-related effects of aspirin on platelet function: results from the Aspirin-Induced Platelet Effect (ASPECT) study. Circulation 2007; 115: 3156-64. pubmed
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