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WAVE Warfarin Antiplatelet Vascular Evaluation
結論 末梢動脈疾患患者において,主要な心血管合併症予防のための抗凝固療法+抗血小板療法の併用は,抗血小板療法単独に優る効果はなく,生命にかかわる出血の増加がみられた。

目的 末梢動脈疾患患者において,抗凝固療法(目標国際標準比[INR]2.0-3.0)+抗血小板療法併用と,抗血小板療法単独を比較。一次エンドポイント(1):心筋梗塞(MI),脳卒中,心血管死。一次エンドポイント(2):MI,脳卒中,緊急処置を要する末梢/冠動脈の重度の虚血,心血管死。安全性のエンドポイント:生命にかかわる出血,中等度/小出血。
デザイン ランダム化,オープン,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(80施設)。カナダ,ポーランド,ハンガリー,ウクライナ,中国,オランダ,オーストラリア。
期間 登録期間は2000年4月-2002年9月27日(患者の登録が予測より遅れたため,必要数[2400例]を待たず登録中止)。平均追跡期間は35ヵ月。
対象患者 2161例。35-85歳の下肢(末梢動脈疾患の客観的証拠のある間欠性跛行,安静時の虚血性疼痛,不治の潰瘍/限局性壊疽,切断歴,動脈血行再建術/ blue toe症候群),頸動脈(登録6ヵ月以上前の一過性虚血発作/脳卒中,頸動脈血管内膜切除術/50%以上の無症候性頸動脈狭窄),鎖骨下動脈のアテローム性動脈硬化症患者。
【除外基準】経口抗凝固療法の適応,活動性出血/出血の高リスク,登録前6ヵ月以内の脳卒中,透析を要する。
【患者背景】平均年齢は併用群63.9±9.4歳,抗血小板療法単独群63.8±9.5歳。
治療法 2-4週間のrun-in期間にて抗凝固療法+抗血小板療法を併用し(抗血小板薬はaspirin[推奨用量81-325mg/日],ticlopidine,clopidogrelを,抗凝固薬はポーランド,ハンガリーではacenocoumarol ,他の5ヵ国ではwarfarinを使用),INR2.0-3.0を達成後,抗凝固療法+抗血小板療法併用群(1080例),抗血小板療法単独群(1081例)にランダム化。目標INRを維持できなかった43例,出血のあった23例はランダム化に含めなかった。
抗血小板薬は両群ともrun-in期間と同じものを継続使用。追跡期間における急性冠症候群または冠動脈ステント植込み施行患者以外,抗血小板薬の二重使用は不許可。
追跡完了率 脱落は併用群2例。
【脱落理由】試験参加合意撤回2例。
結果

●評価項目
一次エンドポイント(1)は併用群132例(12.2%),抗血小板療法単独群144例(13.3%)にみられた(相対リスク0.92[95%CI 0.73-1.16],p=0.48)。うち,心血管死は併用群66例(6.1%) vs 抗血小板療法単独群65例(6.0%)(p=0.84),MIは54例(5.0%)vs 66例(6.1%)(p=0.28),脳卒中は38例(3.5%)vs 38例(3.5%)(p=0.96)。
一次エンドポイント(2)は併用群172例(15.9%),抗血小板療法単独群188例(17.4%)にみられた(相対リスク0.91[95%CI 0.74-1.12],p=0.37)。うち,重度の虚血は62例(5.7%)vs 59例(5.5%)(p=0.76)。
出血は,生命にかかわる出血は43例(4.0%)vs 13例(1.2%),(相対リスク3.41[95%CI 1.84-6.35],p<0.001),中等度の出血は31例(2.9%) vs 11例(1.0%),(相対リスク2.82[95%CI 1.43-5.58],p=0.002),小出血は417例(38.6%) vs 115例(10.6%),(相対リスク3.63[95%CI 3.01-4.38],p<0.001)と,すべて併用群で多かった。

●有害事象
[評価項目]に表記あり。

文献: Anand S, et al. and Warfarin Antiplatelet Vascular Evaluation Trial Investigators. Oral anticoagulant and antiplatelet therapy and peripheral arterial disease. N Engl J Med 2007; 357: 217-27. pubmed
関連トライアル Abraham NS et al, ACS後の患者における新規経口抗凝固薬の追加効果, ACTIVE A, ACTIVE W, ACTIVE W paroxysmal vs sustained, AFASAK 2 1999, APPRAISE, APPRAISE-2, BAT, CHARISMA, CHARISMA bleeding complications, CHARISMA post hoc analysis, CHARISMA subgroup analysis, CLARITY-TIMI 28, COGENT, CREDO, CURE, ECLAP, ESPRIT , GRACE warfarin and antiplatelet therapy, ISAR, Lamberts M et al, NASPEAF, OASIS Pilot Study 1998, REAL-LATE / ZEST-LATE, SPIRIT, SPS3, STARS, Tompkins C et al, TPT, TRA 2P-TIMI 50, TRA 2P-TIMI 50 prior ischemic stroke, TRACER, TRITON-TIMI 38, TRIUMPH nuisance bleeding, Turpie AG et al 1993, WASID, WHS, WOEST, テーラーメイド抗血小板療法と臨床転帰, 心血管疾患リスクを有する患者におけるaspirin+OAC併用とOAC単独投与の比較
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