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Mikulik R et al 2007 Accuracy of serial National Institutes of Health Stroke Scale scores to identify artery status in acute ischemic stroke
結論 National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)スコア連続測定による同スコアの相対的変化は,静注血栓溶解療法後の動脈の状態を示す指標となりうる。
コメント MCA閉塞患者に対するrt-PA静注療法の効果判定にNIHSSスコアの連続測定を行い,完全再開通を識別するにはNIHSSスコア値やその減少値自体の変化より投与後60分,120分での%低下率(前値の40%以下)が最も優れた指標であることを明らかにしている。この方法は,t-PA静注法に動注投与や機械的血栓除去術との併用を考慮した臨床試験の治療プロトコル作成や救急現場での治療手順の判断にも有用であろう。(岡田靖

目的 中大脳動脈(MCA)完全再開通を見分けるためのNIHSS連続測定の精度をCLOTBUST試験(N Engl J Med 2004;351:2170-8)のデータを用い検討し,別のデータセット(バルセロナ)を用いその正当性を検証。
デザイン [CLOTBUST]ランダム化。
[バルセロナ]オープン。
セッティング
期間
対象患者 CLOTBUST試験対象者122例+バルセロナ98例。t-PA静脈内投与(0.9mg/kg,10%をボーラス投与)を受けた急性MCA閉塞患者(孤立性M1閉塞,M2近位部閉塞,内頸動脈-MCAタンデム閉塞,内頸動脈末端閉塞を含む)。
[CLOTBUST]発症3時間以内にt-PA静脈内投与を受けた急性MCA閉塞患者。
[バルセロナ]2001年1月-2005年6月,バルセロナにて,発症6時間以内にt-PA静脈内投与を受け,CLOTBUST試験からは除外された急性MCA閉塞の連続患者。
【除外基準】―
【患者背景】平均年齢はCLOTBUST 群69±12歳,バルセロナ群72±12歳。各群の男性57%,51%。発症から治療まで140±32分,177±59分(p<0.01)。ベースラインのNIHSSスコア中央値16,17。完全再開通(60分後)19%,17%,(120分後)27%,31%。
治療法 両群ともMCA完全再開通はThrombolysis in Brain Ischemia(TIBI)分類により決定し,NIHSSスコアはベースライン,60,120分後に測定(CLOTBUSTでは血管再開通について盲検化された医師,バルセロナは経頭蓋超音波による診断について盲検化されていない医師による。いずれも解析の目的については盲検化)。
追跡完了率
結果

●評価項目
完全再開通の識別のための感度と特異度におけるトレードオフが最もすぐれていたのは,NIHSS低下≧40%であった(60分,120分後における感度65%,74%,特異度85%,80%,陽性的中率50%,58%,陰性的中率91%,89%,陽性尤度比4.3,3.7,陰性尤度比0.4,0.3)。
CLOTBUSTとバルセロナの2群間で,NIHSSスコア低下における感度,特異度,陽性的中率,陰性的中率に有意差は認められなかった。

●有害事象

文献: Mikulik R, et al.; CLOTBUST Investigators. Accuracy of serial National Institutes of Health Stroke Scale scores to identify artery status in acute ischemic stroke. Circulation 2007; 115: 2660-5. pubmed
関連トライアル CLOTBUST , Mattle HP et al, MELT Japan, Saqqur M et al, Schellinger PD et al, VISTA baseline severity
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