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ISAR-SWEET Is Abciximab a Superior Way to Eliminate Elevated Thrombotic Risk in Diabetics
結論 clopidogrel 600mgを前投与し,待機的経皮的冠動脈形成術(PCI)を施行した糖尿病患者において,abciximabは死亡および心筋梗塞(MI)を抑制しなかったが,ベアメタルステント植込み例では再狭窄リスクを低下させた。

目的 clopidogrel 600mgを前投与し,待機的PCIを施行した糖尿病患者において,abciximabの有効性を検討。一次エンドポイント:1年後の全死亡+MI。二次エンドポイント:冠動脈造影にて≧50%の再狭窄。安全性のエンドポイント:30日後の出血,著明な血小板減少症(<20万/μL),輸血の必要性。
デザイン ランダム化,二重盲検。
セッティング 多施設(3施設),ドイツ。
期間 登録期間は2001年1月-2003年10月。追跡期間は1年。
対象患者 701例。冠動脈疾患を合併している糖尿病患者で,インターベンションの最低2時間前にclopidogrel 600mg前投与を受けたnative血管への待機的PCI施行例。
【除外基準】14日以内のMI,安静時ECG上で2誘導以上の≧0.1mVのST偏位かつ/またはトロポニンT値>0.03ng/mLの不安定狭心症,標的血管が静脈バイパスグラフト内にある場合,3ヵ月超の慢性閉塞,血管造影で確認できる血栓が標的病変に存在,左室駆出率<30%,心膜炎,3ヵ月以内の脳卒中,大動脈解離の疑い,経口抗凝固薬投与,>180mmHgの管理不良の高血圧,ヘモグロビン<100g/Lまたはヘマトクリット<34%,血小板数<10万/μLまたは>60万/μL,14日以内のGP IIb/IIIa受容体拮抗薬投与など。
【患者背景】平均年齢はabciximab群67.9±9.1歳,プラセボ群67.3±9.7歳。各群の女性27%,24%。高血圧歴71%,72%。脂質異常症56%,60%。MI既往35%,33%。大動脈冠動脈バイパス術歴12%,10%。class III-IVの狭心症43%,42%。多枝疾患85%,82%。clopidogrel前投与時間中央値6.6時間,6.2時間。インスリン投与29%,28%。経口血糖降下薬投与51%,51%。
治療法 PCI施行決定後,ガイドワイヤーが病変部を通過する前にabciximab群*1,プラセボ群*2にランダム化。
*1:351例。abciximab 0.25mg/kgをボーラス投与後,0.125μg/kg/分(最大10μg/分)を12時間注入。同時にheparin 70U/kgも投与。
*2:350例。プラセボをボーラス投与後12時間注入,およびheparin 140U/kgをボーラス投与。
全例にPCI施行の2時間以上前にclopidogrel 600mg,aspirin 500mgを前投与。施行後はaspirin 200mgを無期限投与,clopidogrel 75mg,1日2回を退院まで(最大3日間)投与後,75mg/日を6ヵ月以上投与。6-8ヵ月後に追跡冠動脈造影を施行。
追跡完了率 1年後の追跡完了率は96.6%(追跡不能はabciximab群11例,プラセボ群13例)。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
PCIデバイスは,両群ともベアメタルステント80%,薬剤溶出ステント,バルーンは各10%であった。
一次エンドポイントはabciximab群29例(8.3%),プラセボ群30例(8.6%)と有意差は認められなかった(相対リスク[RR]0.97,95%CI 0.58-1.62,p=0.91)。死亡は17例(4.8%)vs 18例(5.1%),MIは17例(4.8%)vs 15例(4.3%)。
30日後の死亡+MIは18例(5.1%)vs 14例(4.0%)(p=0.47),うち死亡は両群とも3例。
冠動脈造影上の≧50%の再狭窄は28.9% vs 37.8%(RR 0.76;0.62-0.94,p=0.01),標的血管血行再建術は23.2% vs 30.4%(p=0.03)と,いずれもabciximab群の方が少なかった。
ステント種別の解析では,ベアメタルステント植込み例における冠動脈造影上の≧50%の再狭窄は31.9% vs 40.2%(p=0.04)とabciximab群の方が少なかった。薬剤溶出性ステント植込み例では7.3% vs 4.9%(p=0.10)で,有意差は認められなかった。

●有害事象
大出血はabciximab群4例(1.1%),プラセボ群3例(0.9%)(p=0.99),小出血は12例(3.4%)vs 5例(1.4%)(p=0.09),著明な血小板減少症は4例(1.1%)vs 0例(p=0.12),血液製剤の輸血は8例(2.3%)vs 2例(0.6%)(p=0.11)と,いずれも有意差は認められなかった。

文献: Mehilli J, et al., Intracoronary Stenting and Antithrombotic Regimen: Is Abciximab a Superior Way to Eliminate Elevated Thrombotic Risk in Diabetics (ISAR-SWEET) Study Investigators Randomized clinical trial of abciximab in diabetic patients undergoing elective percutaneous coronary interventions after treatment with a high loading dose of clopidogrel. Circulation 2004; 110: 3627-35. pubmed
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