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AbESTT Abciximab Emergent Stroke Treatment Trial
結論 虚血性脳卒中患者において,abciximabは妥当な安全度にて投与可能であり,3ヵ月後の転帰を改善させうることが示唆された。

目的 虚血性脳卒中患者において,abciximabの安全性と有効性を検討。安全性の一次エンドポイント:静注5日以内/入院期間内(どちらか早い方)の症候性(致死的/非致死的)頭蓋内出血。二次エンドポイント:5日以内の無症候性頭蓋内出血/非頭蓋内大出血/血小板減少症,3ヵ月以内の死亡。有効性の一次エンドポイント:3ヵ月後のmodified Rankin Score[mRS]。二次エンドポイント:5日,3ヵ月後の神経学的回復(National Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコア0-1)など。
デザイン ランダム化,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(38施設)。ヨーロッパ,北米。
期間 登録期間は2000年5月-2002年2月。追跡期間は3ヵ月。
対象患者 400例。症状発現から6時間以内に治療を受けた18歳以上の虚血性脳卒中患者で,NIHSSスコア4以上23未満の者。
【除外基準】CT所見による脳出血,凝固異常,大出血/外科手術/外傷の既往など。
【患者背景】平均年齢はabciximab群67±13.6歳,プラセボ群68±12.8歳。
治療法 abciximab群(200例。0.25mg/kgボーラス投与後,125μg/kg・分[最大10μg/分]を12時間投与),プラセボ群(200例)にランダム化。
投与後36,48時間のフォローアップCT後,担当医の裁量によりaspirinなどの抗血栓薬を投与。
追跡完了率 3ヵ月の追跡完了はabciximab群195例,プラセボ群190例。
結果

●評価項目
静注5日以内/入院期間内の症候性頭蓋内出血はabciximab群7例(3.6%),プラセボ群2例(1%)に発生した(オッズ比3.7,95%CI 0.7-25.9,p=0.09)。
5日以内の無症候性頭蓋内出血は19例 vs 28例,非頭蓋内大出血は3例 vs 2例,血小板減少症(<10万/μL)は3例 vs 1例,3ヵ月の死亡は18例 vs 25例。
abciximab投与による3ヵ月後のmRSの有意な改善はみられなかった(オッズ比1.2,95%CI 0.84-1.70,p=0.33)。
5日後の神経学的回復(NIHSS 0-1)は57例(28.5%)vs 33例(16.5%)(p=0.004),3ヵ月後では92例(46%)vs 68例(34%)(p=0.01)と,abciximab群で改善が多かった。

●有害事象
[評価項目]に表記あり。

文献: Abciximab Emergent Stroke Treatment Trial (AbESTT) Investigators. Emergency administration of abciximab for treatment of patients with acute ischemic stroke: results of a randomized phase 2 trial. Stroke 2005; 36: 880-90. pubmed
関連トライアル AbESTT-II, AbESTT-II wake-up stroke, BRAVE-3, ECASS III, EPIC 1997, EPIC 1997, EPIC 1998, FINESSE, GUSTO IV-ACS, MULTISTRATEGY, NINDS rt-PA Stroke Study 1995, RAPPORT, TARGET, TIMI 14
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