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MIST1 First Multicenter Intrapleural Sepsis Trial
結論 膿胸患者において,streptokinaseの胸膜腔内投与は死亡率,胸腔ドレナージ施行率,入院の期間を改善しなかった。

目的 膿胸患者において,streptokinaseの胸膜腔内投与の意義を検討。一次エンドポイント:3ヵ月の死亡率/胸腔ドレナージ施行率。二次エンドポイント:12ヵ月の死亡率/胸腔ドレナージ施行率;3ヵ月の死亡率;3ヵ月の胸腔ドレナージ施行率;入院の期間;3ヵ月の胸部X線における異常の重症度;3ヵ月の動的肺容量;胸腔ドレナージ後の出血;3ヵ月の抗streptokinase抗体レベルの変化。
デザイン ランダム化,二重盲検。
セッティング 多施設(52施設)。英国。
期間 登録期間は1999年6月17日-2002年12月17日(登録患者数が必要数に達したため登録中止)。
対象患者 430例。肉眼により化膿性と診断され,細菌感染の培養で陽性,グラム染色陽性/pH7.2以下の胸水を有し,感染症罹患が臨床的に確認された患者。感染症の診断は発熱,白血球数上昇,C反応性蛋白の血清レベルの上昇などによった。
【除外基準】18歳未満;試験前の胸膜腔内線溶薬投与;試験前のビデオ補助胸腔鏡下胸腔ドレナージ,開胸術,胸膜剥離術/胸腔ドレナージ施行;脳卒中/大出血の併発;5日以内の大手術;膿胸同側の肺全摘術など。
【患者背景】年齢はstreptokinase群60±18歳,プラセボ群61±18歳。
治療法 全例に胸腔ドレナージ,抗生剤静注を実施。
streptokinase 群(208例。胸部チューブを用い,12時間ごとにstreptokinase 25万IU/生理食塩水30mLを6回[計150万IU],胸膜腔内投与)とプラセボ群(222例)にランダム化。
追跡完了率 追跡不能はstreptokinase 群2例,プラセボ群1例。
【脱落理由】―
結果

●評価項目
一次エンドポイントはstreptokinase 群64例(31%)vs プラセボ群60例(27%)(相対リスク1.14[95%CI 0.85-1.54],p=0.43)と有意差はなかった。
二次エンドポイントは,12ヵ月の死亡率/胸腔ドレナージ施行率は79例(40%)vs 73例(34%)(p=0.24),3ヵ月の死亡率は32例(16%)vs 30例(14%)(p=0.66),3ヵ月の胸腔ドレナージ施行率は32例(16%)vs 32例(14%)(p=0.87),入院の期間は13(範囲1-271)日 vs 12(2-152)日(p=0.16)と有意差はなかった。また,3ヵ月の動的肺容量,胸腔ドレナージ後の輸血必要量も有意差は認められなかった。
3ヵ月後の胸部X線において,プラセボ群にて膿胸同側胸郭の鉛直方向の高さの改善がみられた(209±30mm vs 221±33mm,p=0.003)。
3ヵ月後の抗streptokinase抗体レベルは,streptokinase 群で有意に上昇した(ベースラインとの差7953任意単位 vs 357任意単位,p<0.001)。

●有害事象
重大な有害事象(胸痛,発熱など)は14例(7%)vs 6例(3%)(相対リスク2.49[95%CI0.98-6.36],p=0.08)と,有意差はないもののstreptokinase 群で高い傾向がみられた。

文献: Maskell NA, et al; First Multicenter Intrapleural Sepsis Trial (MIST1) Group. U.K. Controlled trial of intrapleural streptokinase for pleural infection. N Engl J Med 2005; 352: 865-74. pubmed
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