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Kucher N et al Electronic alerts to prevent venous thromboembolism among hospitalized patients
結論 静脈血栓塞栓症高リスクの入院患者の担当医師に対し,深部静脈血栓症の予防的治療を実施する旨の電子警告を発することで,予防的治療の実施率が上昇し,深部静脈血栓症および肺塞栓症の発生率が低下した。

目的 静脈血栓塞栓症高リスクの入院患者の担当医師に対する,コンピュータプログラムによる深部静脈血栓症予防の電子警告の効果を検証。一次エンドポイント:90日後の深部静脈血栓症+肺塞栓症。安全性のエンドポイント:30日後の全死亡,出血(頭蓋内,眼内,後腹膜,心嚢,外科的介入を要する出血,ヘモグロビン減少>3g/dL)。
デザイン コホート研究,ランダム化。
セッティング 単施設,米国。
期間 登録期間は2000年9月-2004年1月。追跡期間は90日。
対象患者 2506例。Brigham and Women’s Hospitalデータベースの登録患者のうち,静脈血栓塞栓症リスクスコアの合計が4ポイント以上へ悪化した18歳以上の入院患者(高リスク[癌,静脈血栓塞栓症の既往,血液凝固亢進状態]:3ポイント,中等度リスク[大手術]:2ポイント,低リスク[高齢,肥満など]:1ポイント)。
【除外基準】神経科,機械的/薬理学的予防処置を実施している患者など。
【患者背景】年齢中央値は介入群63(範囲18-99)歳,対照群62(18-97)歳。
治療法 介入群(1255例。静脈血栓塞栓症のリスクが基準に達すると電子警告が発せられ,機械的[段階的圧迫ストッキング,間欠的空気圧迫治療ブーツ],薬理学的[未分画heparin,低分子量heparin,warfarin]予防的治療が確認される)と対照群(1251例。電子警告なし)にランダム化。
電子警告スクリーンは病院の静脈血栓塞栓症予防ガイドラインにリンクされ,薬剤に関する情報も提供。ガイドラインについては対照群も閲覧可能であるが,警告はなし。
追跡完了率 2361例(94.2%)(脱落は介入群78例,対照群67例)。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
機械的予防法実施率は介入群10.0% vs 対照群 1.5%(p<0.001),薬理学的予防法実施率は23.6% vs 13.0%(p<0.001)。
深部静脈血栓症+肺塞栓症は,介入群61例(4.9%) vs 対照群103例(8.2%)にみられた。Kaplan-Meier法による90日後の発生なしは94.1%(95%CI 92.5-95.4) vs 90.6%(95%CI 88.7-92.2)(p<0.001)であった。
電子警告により,深部静脈血栓症+肺塞栓症の発生リスクは41%低下した(ハザード比[HR]0.59,95%CI 0.43-0.81,p=0.001)。
安全性のエンドポイントは,30日後の全死亡は174例(13.9%) vs 157例(12.5%)(HR 1.07,95%CI 0.86-1.32,p=0.56),30日後の大出血は19例(1.5%) vs 19例(1.5%)(HR 0.95,95%CI 0.50-1.80,p=0.87),小出血は81例(6.5%) vs 88例(7.0%)(HR 0.88,95%CI 0.65-1.20,p=0.43)にみられた。

●有害事象
[評価項目]に記載あり。

文献: Kucher N, et al. Electronic alerts to prevent venous thromboembolism among hospitalized patients. N Engl J Med 2005; 352: 969-77. pubmed
関連トライアル CALISTO, Campbell IA et al, Herner SJ et al, PREVAIL, PREVENT 2003, PREVENT 2004, PROTECT, THRIVE III
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