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CARESS Clopidogrel and Aspirin for Reduction of Emboli in Symptomatic Carotid Stenosis
結論 症候性頸動脈狭窄患者に対するclopidogrelとaspirinの併用投与は,aspirin単独投与に比し,非症候性塞栓の抑制効果が高かった。また,経頭蓋超音波ドプラー法(TCD)による微小塞栓シグナル(MES)検出は,抗血小板薬療法の有効性を評価する代替マーカーとして実用的である。

目的 症候性頸動脈狭窄を最近発症した患者において,TCDにより検出される無症候性MESの発生抑制効果をclopidogrel+aspirin併用とaspirin単独投与で比較。一次エンドポイント:7日後のMESの頻度。二次エンドポイント:2日後のMESの頻度,2日,7日後の塞栓率(1時間あたりのMES数)とベースラインからの変化。安全性のエンドポイント:全有害事象,脳血管イベント(一過性脳虚血発作[TIA],脳梗塞,脳内出血)。
デザイン ランダム化,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(11施設)。フランス,ドイツ,スイス,英国。
期間 追跡期間は7日。
対象患者 107例。18歳超で,3ヵ月以内に同側頸動脈領域のTIA(一過性黒内障を含む)/脳卒中を発症した患者のうち,1時間のTCDで1つ以上のMESが検出された頸動脈狭窄≧50%の者。
【除外基準】出血性変化に一致する臨床/脳CT所見,初回のCTスキャンで中大脳動脈領域の33%を超える局所低吸収域を伴う最近の脳卒中/National Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコア>22,2週以内の頸動脈内膜切除術の予定,心房細動あるいは心原性塞栓,2週以内の血栓溶解療法,3日以内の抗凝固療法,3週以内のaspirin以外の抗血小板薬投与など。
【患者背景】平均年齢は併用群66.4±8.1歳,aspirin単独群62.8±10.7歳。
治療法 併用群(51例。clopidogrel 300mg/日で投与を開始し,翌日から7日まで75mg/日+aspirin 75mg /日を1-7日経口投与),aspirin単独群(56例。aspirin 75mg /日経口投与)にランダム化。
抗凝固薬,血栓溶解薬,抗血小板薬の追加,鎮痛薬(paracetamol,opioidsを除く)の使用は禁止。
追跡完了率 脱落は併用群1例。
【脱落理由】心筋梗塞。
結果

●評価項目
2日後のMES検出は併用群28例(56.0%)vs aspirin単独群40例(74.1%)(相対リスク低下24.4%,95%CI-1.2-43.5,p=0.065)と有意差がなかったが,7日後には21例(43.8%)vs 40例(72.7%)と併用群で有意に低下した(相対リスク低下39.8%,95%CI 13.8-58.0,p=0.0046)。
併用群では,ベースライン時に比し1時間当たりのMESの頻度が2日後に61.6%低下(95%CI 34.9-77.4,p=0.0005),7日後に61.4%低下した(95%CI 31.6-78.2,p=0.0013)。
試験期間中の再発は,同側性脳梗塞が併用群0例 vs aspirin単独群4例,同側性TIAが4例 vs 7例。その他,試験薬投与前に併用群2例にて同側性TIAが再発した。これらすべてを合わせた同側性イベント再発17例では,再発のなかった90例に比し,ベースライン時のMESの頻度が有意に高かった(24.4/時 vs 8.9/時,p=0.0003)。
出血は2例(3.9%)vs 1例(1.8%)で有意差はなかった。致死性出血,大出血,頭蓋内出血は0例。

●有害事象
[評価項目]に表記あり。

文献: Markus HS, et al. Dual antiplatelet therapy with clopidogrel and aspirin in symptomatic carotid stenosis evaluated using doppler embolic signal detection: the Clopidogrel and Aspirin for Reduction of Emboli in Symptomatic Carotid Stenosis (CARESS) trial. Circulation 2005; 111: 2233-40. pubmed
関連トライアル AAASPS 2003, ACTIVE W, ACTIVE W paroxysmal vs sustained, Asymptomatic Cervical Bruit Study, CAPRIE 2000, CHANCE, CHARISMA, CHARISMA atrial fibrillation, CHARISMA post hoc analysis, CHARISMA stroke severity, CHARISMA subgroup analysis, Cocozza M et al, JAST, MATCH, NASPEAF, OCLA, SPS3, TASS 1993, WATCH, 急性脳梗塞/TIA患者への抗血小板療法:2剤併用療法と単剤療法の比較, 血管疾患患者に対する抗血小板療法
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