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Wells PS et al A randomized trial comparing 2 low-molecular-weight heparins for the outpatient treatment of deep vein thrombosis and pulmonary embolism
結論 深部静脈血栓症(DVT)および肺塞栓症(PE)の外来患者において,tinzaparinとdalteparinはいずれも有効かつ安全であった。

目的 DVTおよびPEの外来患者において,dalteparinとtinzaparinによる治療の有効性および安全性を比較。一次エンドポイント:90日間の静脈塞栓症の再発+大出血。
デザイン ランダム化,単盲検(評価医),intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(4施設)。カナダ。
期間 登録期間は1999年2月1日-2001年3月31日。追跡期間は90日。
対象患者 505例。上肢/下肢DVTまたはPEと診断された外来患者。
【除外基準】活動性出血/大出血のきわめて高いリスク(10日以内の脳卒中の既往,14日以内の消化管出血,<75000/μLの血小板減少症),無症候性DVT,18歳未満,heparin誘発性血小板減少症の既往,腎不全(クレアチニン値>2.3mg/dL),36時間超にわたる未分画/低分子量heparin投与,高血圧を伴うPE/通常大気下における低酸素症/麻薬性鎮痛薬の静注を要する重篤な疼痛,合併症による継続入院の必要など。
【患者背景】平均年齢はdalteparin群58.5±17.2歳,tinzaparin群57.1±17.2歳。
治療法 dalteparin群(251例。175IU/kgを24時間間隔で皮下投与)とtinzaparin群(254例。200IU/kgを24時間間隔で皮下投与)にランダム化。
治療は外来にて実施。低分子量heparinの投与は連続2日間国際標準比2.0以上を維持するまで継続(最低5日間)。
全例にて,ランダム化当日または低分子量heparinの初回投与から24時間以内にwarfarinによる経口抗凝固療法を開始し,3ヵ月間継続。
追跡完了率 脱落はdalteparin群1例,tinzaparin群2例。
【脱落理由】いずれも大出血。
結果

●評価項目
dalteparin群の内訳はDVT200例,PE51例,tinzaparin群はDVT215例,PE39例。全例のうち260例(51.5%)が特発性で,113例(22.4%)に活動性悪性腫瘍が認められた。低分子量heparinの平均投与期間はdalteparin群6.04±1.4日,tinzaparin群6.14±2.1日。
一次エンドポイントはdalteparin群11例(4.4%,95%CI 2.2-7.7%),tinzaparin群15例(5.9%,95%CI 3.3-9.5%)と有意差はみられなかった(p=0.44)。内訳は静脈塞栓症の再発9例(DVT 5例,PE 4例)vs 10例(DVT 8例,PE 2例),大出血2例 vs 5例。

●有害事象
90日間の死亡はdalteparin群12例(4.8%),tinzaparin群14例(5.5%)。死因は転移性癌21例,敗血症2例,脳血管イベント2例(うち1例[tinzaparin群]はその疑い),筋萎縮性側索硬化症1例。
出血およびPE再発による死亡は認められなかった。

文献: Wells PS, et al. A randomized trial comparing 2 low-molecular-weight heparins for the outpatient treatment of deep vein thrombosis and pulmonary embolism. Arch Intern Med 2005; 165: 733-8. pubmed
関連トライアル Botticelli, FIDO, FRAMI, Hestia Study, Home-LITE, Main-LITE, Main-LITE Cancer, Matisse Study, PREVENT 2004, PROTECT, THRIVE
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