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Ostermayer SH et al Percutaneous left atrial appendage transcatheter occlusion (PLAATO system) to prevent stroke in high-risk patients with non-rheumatic atrial fibrillation: results from the international multi-center feasibility trials
結論 脳卒中の高リスクを有するにもかかわらず,warfarin禁忌のため抗凝固療法を適用されていない非リウマチ性心房細動(AF)患者において,経皮経カテーテル的左心耳閉鎖術(PLAATO)による左心耳閉塞は許容範囲内のリスクで成功した。

目的 脳卒中の高リスクを有するにもかかわらず,warfarin禁忌のため抗凝固療法を適用されていない非リウマチ性AF患者において,PLAATOの実行可能性,安全性,および性能を検討。一次エンドポイント:手技後1ヵ月間の主要有害事象(大規模/小規模な新規脳卒中,心臓/神経学的要因死,心筋梗塞[MI],PLAATOに関連した心血管手術の必要性)。二次エンドポイント:手技後6ヵ月間の主要有害事象の無発症+左心房内の可動性血栓の非形成など。デバイス性能のエンドポイント:PLAATO成功(デバイス留置直後の左心耳閉塞を血管造影にて確認),デバイス留置成功(手技後1ヵ月間の主要有害事象が無発症)。
デザイン 非ランダム化,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設。欧州,北米。
期間 登録期間は2001年8月-2003年11月。平均追跡期間は9.8ヵ月。
対象患者 111例。warfarin禁忌のため抗凝固療法を適用されず,一過性脳虚血発作/脳卒中の既往または血栓塞栓症の高リスク(うっ血性心不全または左室駆出率<40%,収縮期血圧>160mmHgの既往,糖尿病,年齢≧65歳,MIまたは≧50%の冠動脈狭窄の既往,左心耳における中度-高密度のもやもやエコーまたは血流速度≦20cm/秒)のうち1つ(欧州)/2つ(北米)以上に該当する非リウマチ性AF患者。
【除外基準】左心房または左心耳における血栓形成,大動脈プラーク,僧帽弁または大動脈の狭窄/逆流,左心房径>6.5cm,急性MIまたは不安定狭心症,2ヵ月以内の脳卒中,症候性頸動脈疾患。
【患者背景】平均年齢は71±9歳。
治療法 周術期: 全例に手技48時間前からaspirin 300-325mg,1日2回およびclopidogrel 75mg,1日2回を,インターベンション1時間前から抗生物質を投与。静脈/経中隔穿刺後,経食道心エコー下および蛍光透視鏡下にて,経中隔シースを介しPLAATOデバイスを左心耳に挿入/留置。凝固時間250秒超を保つようheparinを投与。近位部/末端部からの造影剤注入および経食道心エコーにより左心耳閉塞を評価。
デバイス留置後の閉塞状況を(1)左心耳充填度を近位部造影剤血流により4段階評価(grade 1:完全充填,grade 2:2/3充填,grade 3:1/3充填,grade 4:検出不可能な充填)および(2)経食道カラードップラー法より5段階評価(grade 1:左心耳からの複数の高速血流,grade 2:直径>3mmの高速血流,grade 3:直径の1-3mm高速血流,grade 4:直径<1mmの高速血流,grade 5:高速血流なし)し,いずれもgrade 3以上を左心耳閉塞とした。
左心耳閉塞後は全例にaspirin 300-325mg/日を無期限投与。さらに北米ではclopidogrel 75mg/日を4-6週間,かつ亜急性心内膜炎予防薬を6ヵ月間投与。欧州ではclopidogrelおよび予防的抗生物質投与は医師の判断によった。胸部X線,経胸壁心エコー,および臨床検査を1,6,12ヵ月後(以上に加え北米では3ヵ月後,欧州では1週間後)に実施。
経食道心エコーを欧州では1ヵ月後に,北米では初期に登録した20例にのみ1および6ヵ月後に実施。
追跡完了率 1ヵ月後の追跡完了率は108例。6ヵ月後の追跡完了率は97例(89.8%)。
【脱落理由】追跡不能は1例。
結果

●評価項目
PLAATO成功は108/111例(97.3%,95%CI 92.3-99.4%)。うちaspirin投与は100例(92.6%),clopidogrel投与は82例(75.9%)。デバイスを留置しなかった3例の内訳は,手技時に左心房の血栓を確認,右大腿動脈穿孔,経中隔穿刺後に心タンポナーデを発症各1例(一次エンドポイント該当例)。
一次エンドポイントは1例,2件(心タンポナーデによる緊急心血管手術,手技27日後に神経学的要因死)に認められた。
二次エンドポイントは95/97例(97.9%,95%CI 92.2-99.8%)。本エンドポイントに該当しなかった2例のうち,1例は一次エンドポイント該当,もう1例は手技173日後に虚血性脳卒中を発症。
PLAATO治療/留置成功は108/113例。留置108例のうち左心耳閉塞後の高速血流はgrade 4または5が94例(87.0%),grade 3が14例(13.0%)に認められた。
経食道心エコーによる左心耳閉塞の所見は,手技直後86/88例(97.7%),手技1ヵ月後60/60例(100%),6ヵ月後49/50例(98.0%)。可動性血栓または僧帽弁機能/肺静脈流入の途絶は認められなかった。

●有害事象
主要有害事象は5例,7件(大規模/小規模な脳卒中2件[手技173日後および215日後に発症],手技に関連した心血管手術1件,心臓/神経学的要因死4例)に認められた。
重篤な有害事象は7例,9件 で,うち5例,6件*に手技との関連が認められた(心嚢液貯留*,心タンポナーデ*各2件,胸水*,再挿管を要する呼吸困難*,血胸,右下肢深部静脈血栓症,上腕神経叢麻痺各1件)。いずれもデバイスとの関連はなかった。
一過性脳虚血発作は2例(3件),死亡は前述の心臓/神経学的要因死4例の他に2例(消化管出血後の二次的合併症1例,嵌頓ヘルニア1例)認められた。

文献: Ostermayer SH, et al. Percutaneous left atrial appendage transcatheter occlusion (PLAATO system) to prevent stroke in high-risk patients with non-rheumatic atrial fibrillation: results from the international multi-center feasibility trials. J Am Coll Cardiol 2005; 46: 9-14. pubmed
関連トライアル ACTIVE W, ACTIVE W paroxysmal vs sustained, Béjot Y et al, MOCA, PROTECT AF
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