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PREPIC Prevention du Risque d'Embolie Pulmonaire par Interruption Cave
結論 肺血栓塞栓症(PE)合併/非合併の深部静脈血栓症(DVT)患者において,下大静脈フィルターにより,8年間のPEのリスクは低下したが,DVTは増加した。生存率には影響はなかった。下大静脈フィルターはPEの高リスク患者では有益であるが,DVT患者全般への体系的な使用は推奨されない。

目的 近位DVT患者における永久型下大静脈フィルターの8年間の追跡結果を検討。有効性の一次エンドポイント:8年間の症候性PE。その他のエンドポイント:症候性DVT再発,静脈血栓塞栓症,血栓後症候群,フィルター合併症,大出血,全死亡。
デザイン ランダム化,intention-to-treat解析。本論文はPREPIC 試験(N Engl J Med 1998;338:409-15)の8年後の結果を検討。
セッティング 多施設。
期間 ランダム化期間は1991年9月-1995年2月。追跡期間は8年間。
対象患者 400例。両側静脈造影により急性近位DVTが確認され(症候性PE併発は問わない),PEのリスクが高いと考えられる18歳超の連続患者。
【除外基準】―
治療法 近位DVTを有するPE合併/非合併患者を,3ヵ月以上の抗凝固療法(低分子量heparin[enoxaparin]/未分画heparinを8-12日間投与)+フィルター群/非フィルター群にランダム化。
全例に国際標準比 2.0-3.0を目標としてビタミンK拮抗薬を3ヵ月以上投与。
永久型下大静脈フィルターは,経皮的大腿静脈/内頸静脈アプローチにて腎静脈直下の下大静脈に挿入。
追跡完了率 追跡完了率は396例(99%)。
結果

●評価項目
症候性PEはフィルター群9例(6.2%),非フィルター群24例(15.1%)にみられた(HR 0.37,95%CI 0.17-0.79,p=0.008)。試験参加時のPEは8年間のPE発症のリスク増大と関連していた(p=0.032)。
DVTはフィルター群57例(35.7%),非フィルター群41例(27.5%)にみられた(HR 1.52,95%CI 1.02-2.27,p=0.042)。試験参加時の癌は8年間のDVT再発のリスク増大と関連していた(p=0.007)。
静脈血栓塞栓症はフィルター群58例(36.4%),非フィルター群55例(35.4%)にみられ(HR 1.12,95%CI 0.78-1.62,p=0.54),うち35例(60%),29例(54%)では再発時にビタミンK拮抗薬を投与されていなかった。
血栓後症候群はフィルター群109例(70.3%),非フィルター群107例(69.7%)にみられた(HR 0.87,95%CI 0.66-1.13,p=0.30)。
フィルター血栓症はフィルター群26例にみられ,うち2例はPEを合併していた。
大出血はフィルター群26例(15.4%),非フィルター群31例(18.5%)にみられた(HR 0.84,95%CI 0.50-1.42,p=0.52)。
8年間の死亡はフィルター群90例(48.1%),非フィルター群103例(51.0%)にみられた(HR 0.97,95%CI 0.74-1.28,p=0.83)。うち7例(フィルター群2例,非フィルター群5例)ではPEが直接の死因であった。死亡の有意な予測因子は試験参加時の癌,心/呼吸機能不全,年齢であった(各p<0.001)。

●有害事象
[評価項目]に表記あり。

文献: PREPIC Study Group. Eight-year follow-up of patients with permanent vena cava filters in the prevention of pulmonary embolism: the PREPIC (Prevention du Risque d'Embolie Pulmonaire par Interruption Cave) randomized study. Circulation 2005; 112: 416-22. pubmed
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