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ODIXa-KNEE Oral, Direct Factor Xa Inhibitor-KNEE
結論 選択的人工膝関節全置換術を施行した患者において,静脈血栓塞栓症(VTE)予防のための手技後早期のBAY 59-7939(リバーロキサバン)の2.5-10mg,1日2回経口投与は,enoxaparin(エノキサパリン)30mg,1日2回皮下投与と同程度の潜在的有効性と許容範囲内の安全性をもつことが示された。

目的 人工膝関節全置換術を施行した患者において、手技後のVTE予防のためのBAY 59-7939(リバーロキサバン)投与(2.5-10mg,1日2回)の有効性と安全性をenoxaparin投与(30mg,1日2回)と比較。有効性の一次エンドポイント:投与期間中の近位/末端の深部静脈血栓症(DVT)+非致死的肺塞栓症(PE)+全死亡。二次エンドポイント:投与期間終了後30日以内の症候性VTEなど。安全性の一次エンドポイント:試験薬投与開始から終了2日後までの術後大出血。
デザイン ランダム化,二重盲検,ダブルダミー,実薬対照,パラレル,用量決定試験,per protocolおよびintention-to-treat(ITT)解析。
セッティング 多施設(43施設)。カナダ,米国。
期間 ランダム化期間は2004年2月-11月。追跡期間は試験薬投与終了後30日(一部の症例では60日)。
対象患者 613例(ITT解析は404例,per protocolは366例)。選択的人工膝関節全置換術を予定された18歳以上の男性および閉経後の女性。
【除外基準】出血性疾患,抗凝固薬,血小板凝固阻害薬など凝固に影響を及ぼす薬剤の服用(ただし半減期17時間未満の非ステロイド性抗炎症薬を除く),過去6ヵ月以内のDVT/PE/心筋梗塞/一過性脳虚血発作/虚血性脳卒中,重度の高血圧,重度の肝/腎機能障害,体重<45kgなど。
【患者背景】各群の平均年齢は66-68(範囲39-92)歳。
治療法 BAY 59-7939 2.5,5,10,20,30mg,1日2回各経口投与群(100例[63例]:B2.5群,102例[57例]:B5群,103例[60例]:B10群,98例[57例]:B20群,106例[59例]:B30群,[]内はper protocol解析例数)とenoxaparin 30mg,1日2回皮下投与群(104例[70例]:E群)にランダム化。
BAY 59-7939は創縫合6-8時間後から12時間間隔または食後2時間以内,enoxaparinは手技翌朝から12時間間隔にて,いずれも手技5-9日後の両側静脈造影まで投与。
間欠的空気圧迫法は禁止,弾性ストッキングの着用は許可。
スクリーニング時,手技直後試験薬投与開始前,手技2日および4日後,最終投与直前に生化学試験/血液学検査/凝固試験のための採血を実施。試験薬投与終了30日後に有害事象,DVT/PEの症状と兆候,出血の評価およびVTEの診断を実施。
追跡完了率 投与期間後に3例(0.5%)が脱落。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
平均投与期間は7日間。
有効性の一次エンドポイント(per protocol解析)はB2.5群20例(31.7%),B5群23例(40.4%),B10群14例(23.3%),B20群20例(35.1%),B30群15例(25.4%),E群31例(44.3%)と,BAY 59-7939投与による用量依存性はみられなかった(傾向p=0.29)。
症候性VTEは治療期間中にPE 2例(B5群2例),症候性DVT 4例(B2.5群1例,B20群1例,E群2例),投与期間終了後30日以内にPE 3例,症候性DVT 1例が認められた。
死亡は投与期間中はなく,投与期間終了後30日以内に3例(B2.5群2例[PE1例,心肺不全1例],B10群1例[PE])が認められた。
安全性の一次エンドポイント(解析対象613例)はB2.5群1例(1.0%),B5群0例,B10群2例(1.9%),B20群3例(3.1%),B30群8例(7.5%),E群2例(1.9%)と,BAY 59-7939投与による用量依存性がみられた(傾向p=0.0007)。いずれの群間においても群間差はみられなかった。致死的/大出血は各群とも0例,再手術に至った出血はB10群1例,臨床的に明らかな出血による投与中止はB10群1例,B20群1例,B30群2例に認められた。

●有害事象
治療に関連した重度の有害事象はB2.5群,B5群,B10群にて0-4%,B20群7%,B30群8%,E群3%(計23例)と,BAY 59-7939の用量に依存して増加した。B20群およびB30群における有害事象は主に術後大出血であった。
ASTおよびALTは全群にてやや上昇したが,BAY 59-7939投与による用量依存性はみられなかった。手技直後投与開始前のリパーゼ,AST上昇(正常値上限3倍超)がBAY 59-7939投与群3.5%,5.2%,E群5.1%, 3.0%にみられた。投与期間中はASTの有意な上昇はみられず,リパーゼは低下した。AST/ALT上昇(正常値上限3倍超)かつビリルビン上昇(正常値上限2倍超)は4例(B10群1例,B20群1例,B30群2例)に認められたが,いずれの例も臨床症状を示すことなく試験薬投与を実施し,肝機能は追跡期間中に正常値に戻った。
臨床的に関連のある血小板減少症は0例。手技後早期BAY 59-7939投与による嘔気嘔吐は各群とも低かった。BAY 59-7939投与による心電図に対する悪影響(特にベースライン時QTc間隔正常例における治療に関連したQTc延長)はみられなかった。

文献: Turpie AG, et al. and ODIXa-Knee Study Group. BAY 59-7939: an oral, direct factor Xa inhibitor for the prevention of venous thromboembolism in patients after total knee replacement. A phase II dose-ranging study. J Thromb Haemost 2005; 3: 2479-86. pubmed
関連トライアル ACE , ADOPT, ADVANCE, ADVANCE-2, APROPOS, ATLAS ACS-TIMI 46 , BISTRO II , Botticelli, dabigatran,rivaroxaban,apixabanによる関節置換術後の血栓予防, DRIVE, EINSTEIN-DVT and EINSTEIN-Extension, EXULT A, MAGELLAN, ODIXa-HIP, ODIXa-OD-HIP, PREVAIL, PREVENT 2004, RE-MODEL, RE-NOVATE, RECORD1, RECORD2, RECORD3, RECORD4, SAVE-KNEE, SAVE-HIP1, SAVE-HIP2, THRIVE, THRIVE III, VENUS
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