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Camerlingo M et al Intravenous heparin started within the first 3 hours after onset of symptoms as a treatment for acute nonlacunar hemispheric cerebral infarctions
結論 大脳半球の急性非ラクナ梗塞患者における発症3時間以内の未分画heparin静注投与は,症候性頭蓋内出血の頻度を高めることを考慮しても最も早期の治療手段として有用である可能性が示唆された。

目的 大脳半球の急性非ラクナ梗塞患者において,発症3時間以内の未分画heparin投与の有効性と安全性を検討。一次エンドポイント:発症から90日後のmodified Rankin Score[mRS]の回復(0-2ポイント)。安全性のエンドポイント:発症から90日間の死亡,症候性頭蓋内出血,頭蓋外大出血。
デザイン ランダム化,単盲検(評価医師),intention-to-treat解析。
セッティング 単施設。イタリア。
期間 登録期間は1996年1月1日-2001年12月31日。追跡期間は90日。
対象患者 418例。大血管病変による大脳半球の脳卒中を示唆する臨床的症候(total/partial anterior circulation syndrome[TACS/PACS])が認められた患者。
【除外基準】高次脳機能障害のみが認められた/顔面または一肢に限定される運動障害により診断されたPACS,ラクナ症候群,年齢18歳未満/90歳超,昏迷/昏睡状態,登録時の神経学的評価基準の適用を妨げるような障害,登録時持続血圧が収縮期>185mmHgかつ/または拡張期>110mmHg,脳卒中の既往(脳卒中発症時に持続性の運動機能障害または高次脳機能障害が認められた場合のみ)など。
【患者背景】平均年齢は70.9歳。
治療法 heparin群*1(208例)と対照群*2(210群)にランダム化。
*1:heparin sodium 24000IU/1000mL生理食塩水/日を5日間静注(42mL/時)。活性化トロンボプラスチン時間が対照比の2.0-2.5倍となるようコントロール。
*2:1000ml生理食塩水/日を5日間静注(42mL/時)。
両群とも注入開始6時間後および以後毎日,プロトロンビン時間国際標準比(PTINR),部分トロンボプラスチン時間比,血小板数を測定。出血を認めた場合は即治療中止。心原性塞栓症予防のため,発症5日からは経口aspirin 100mg/日または経口抗凝固薬(目標PTINR2.0-3.0)を投与。
両群とも投与開始以後,血圧のコントロール(収縮期120-165/拡張期70-95mmHg),全般的ケア,およびリハビリテーションを実施。対照群にて深部静脈塞栓症予防のため,calcium heparin 5000IU,1日2回を皮下投与し,両群にて圧迫ストッキングを使用。
追跡完了率 追跡完了率は100%。
結果

●評価項目
発症から90日間のmRSの回復はheparin群81例(38.9%)vs 対照群60例(28.6%)と,heparin群にて高かった(p=0.025)。
発症から90日間の死亡は35(16.8%) vs 46例(21.9%)と有意差はみられなかった(p=0.189)。うち脳卒中は15例 vs 24例。
発症から90日間の症候性頭蓋内出血は13例(6.2%)vs 3例(1.4%)とheparin群にて高かった(p=0.008)。
発症から90日間の頭蓋外大出血は6例(2.9%)vs 3例(1.4%)と有意差はみられなかった(p=0.491)。

●有害事象
発症から90日間の非症候性出血性変化は23例(10.0%)vs 21例(11.0%)と有意差はみられなかった(p=0.725)。血小板減少(<10万/cm3)は両群とも認められなかった。

文献: Camerlingo M, et al. Intravenous heparin started within the first 3 hours after onset of symptoms as a treatment for acute nonlacunar hemispheric cerebral infarctions. Stroke 2005; 36: 2415-20. pubmed
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