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NABOR National Anticoagulation Benchmark and Outcomes Report
結論 本試験によりwarfarinの使用頻度が低いことが確認された。また,国際的なガイドラインの治療指標とされている脳卒中リスクの程度はwarfarinの使用にほとんど影響しておらず,影響を与えたのは年齢80歳超および心房細動(AF)の病型であった。

目的 AFの一次/二次診断を受けた入院患者において,最近の脳卒中予防の実際および抗凝固薬使用に関する予測因子を検討。
デザイン 後ろ向きコホート研究。
セッティング 多施設(38施設)。米国。
期間 試験期間は2002年1月1日-12月31日(一部2000年7月からの治療開始例を含む)。
対象患者 945例。AFの一次/二次診断により入院し退院した患者(国際疫病分類第9版-CM 427.31)のうち,試験参加病院から無作為に選ばれた症例。
【除外基準】18歳未満,他の救急病院より入院,退院後治療継続のため転院。
【患者背景】平均年齢は71.5±13.5歳。
治療法 対象患者について患者背景,入院時の出血および血栓塞栓イベントのリスク因子,血栓塞栓症および虚血イベントに対する予防治療/治療,warfarin/aspirinの選択および用量,入院経過,同一施設への30日以内の再入院を調査。
患者を脳卒中のリスクに階層化(高リスク:脳卒中/一過性脳虚血発作[TIA]/全身性塞栓症の既往,高血圧の既往,左室機能障害,75歳超,リウマチ性僧帽弁疾患/人工心臓弁;中程度リスク:65-75歳,糖尿病,冠動脈疾患などのうち1つに該当[2つ以上に該当する場合は高リスクに分類];低リスク:65歳以下かつ心血管疾患を有さない)。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
患者背景は75歳超43.3%,男性54.5%。脳卒中のリスクは高血圧66.9%,冠動脈疾患42.1%,うっ血性心不全34.4%,糖尿病22%,脳卒中/TIA/全身性塞栓症の既往20.7%。
脳卒中のリスクは高リスク814例(86.1%),中程度リスク61例(6.5%),低リスク70例(7.4%)。warfarinは高リスク例の54.7% vs 中程度リスク例の54.1%にて使用されていた(p=0.931)。warfarinもaspirinも使用されていなかった例は高リスク例の20.6% vs 中程度リスク例の29.5%(p=0.06),および脳卒中/TIA/全身性塞栓症の既往が認められた196例のうちの35例(17.9%)であった。
ロジスティック回帰モデルによると,脳卒中高リスクはwarfarin使用の予測因子ではなかった。最終的なモデルにおいて,年齢80歳超(p=0.008)および自覚のある/実際の出血リスク(p=0.022)は負の予測因子,持続性AF(p<0.001)および脳卒中/TIA/全身性の塞栓症の既往(p=0.014)は正の予測因子であった。

●有害事象
表記なし。

文献: Waldo AL, et al. and NABOR Steering Committee. Hospitalized patients with atrial fibrillation and a high risk of stroke are not being provided with adequate anticoagulation. J Am Coll Cardiol 2005; 46: 1729-36. pubmed
関連トライアル ACS後の心房細動患者におけるwarfarin使用と転帰, ACTION, ACTIVE W, ACTIVE W paroxysmal vs sustained, AFFIRM subgroup analysis, Avgil Tsadok M et al, Bjorck S et al, Friberg L et al, Hart RG et al, ISAM, J-RHYTHM Registry anticoagulation, MOCA, Poli D et al, PROTECT AF, SPAF I-III 1999, SPAF I-III 2000, SPORTIF elderly patients, SPORTIF pooled analysis, SPORTIF risk of bleeding
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