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CLARITY-TIMI 28 Clopidogrel as Adjunctive Reperfusion Therapy-Thrombolysis in Myocardial Infarction 28
結論 ST上昇型心筋梗塞を発症し,aspirin,標準的な線溶療法,および必要に応じてheparinの投与を実施した75歳以下の患者において,clopidogrelの追加投与は梗塞責任動脈における後期開存を改善し,虚血イベントを低下させた。

目的 標準的な線溶療法を受けaspirinを投与されているST上昇型心筋梗塞(MI)患者において,clopidogrelの上乗せ効果を検討。有効性の一次エンドポイント:血管造影時の梗塞責任動脈における閉塞(TIMI血流分類 0または1)+血管造影前の全死亡+血管造影前のMI再発(血管造影非実施例については試験薬投与開始8日後または退院のいずれか早い方までの全死亡+MI再発)。安全性の一次エンドポイント:血管造影翌日まで(血管造影非実施例については試験薬投与開始8日後または退院の早い方まで)のTIMI大出血。安全性のその他エンドポイント: 頭蓋内出血,TIMI小出血。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(319施設)。23カ国(ヨーロッパ,北米,南米,オセアニア,アジア,アフリカ)。
期間 登録期間は2003年2月10日-2004年10月31日。追跡期間は30日。
対象患者 3491例。ランダム化前12時間以内に安静時胸部不快感が20分超持続し,隣接する複数の誘導にて0.1mV以上のST上昇/隣接する複数の前胸部誘導にて0.2mV以上のST上昇/新規左脚ブロックのいずれかが認められ,線溶薬,抗凝固薬(フィブリン特異的溶解薬を処方された場合),およびaspirin投与を予定した18-75歳の患者。
【除外基準】登録前7日以内のclopidogrel投与/血管造影前のGP IIb/IIIa受容体拮抗薬の投与予定,新規の臨床的適応がない48時間以内の血管造影予定,心原性ショック,冠動脈バイパス術歴,未分画heparinのボーラス投与(4000U超[体重≦67kg]または5000U超[体重>67kg])または基準用量を超える低分子量heparinの投与など。
【患者背景】平均年齢はclopidogrel群57.7±10.3歳,プラセボ群57.2±10.3歳。
治療法 clopidogrel群(1752例。300mg投与後75mg/日投与。投与期間は血管造影当日まで[血管造影非実施例は8日間または退院時まで])とプラセボ群(1739例)にランダム化。
全例に線溶薬(担当医により選択),aspirin(初日150-325mg+翌日以後75-162mg/日を推奨),heparin(フィブリン特異的溶解薬投与例について48時間,未分画heparinは60U/kgボーラス静注[最大4000U]後12U/kg/時静注[最大1000U/時],なお低分子量heparin投与およびストレプトキナーゼ投与例に対するheparin投与は担当医の指示による)を投与。臨床的適応があった場合のみGP IIb/IIIa受容体拮抗薬投与を血管造影後に許可。
試験薬投与開始48-192時間後(入院中)に血管造影を実施し,責任動脈における後期開存を評価(臨床的適応があった場合のみ48時間後以前の実施を許可)。ステント植込み施行例に対し血管造影後のclopidogrel投与(初回300mg以上,以後75mg/日)を推奨。全例に心電図(ベースライン,試験薬投与90分後,180分後)を実施。
追跡完了率 生存に関する追跡完了率は99.9%。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
有効性の一次エンドポイントはclopidogrel群262例(15.0%)vs プラセボ群377例(21.7%)と,clopidogrel群にて低かった(絶対差6.7%,オッズ比[OR]0.64,95%CI 0.53-0.76,p<0.001)。うち血管造影時の梗塞責任動脈における閉塞(TIMI grade 0または1)は11.7% vs 18.4%とclopidogrel群にて低く(OR 0.59,p<0.001),血管造影前のMI再発は2.5% vs 3.6%とclopidogrel群にて低い傾向がみられたが(OR 0.70,p=0.08),血管造影前の全死亡は2.6% vs 2.2%と群間差は認められなかった(OR 1.17,p=0.49)。
30日間の心血管死+MI再発+血行再建術を要する虚血再発は11.6% vs 14.1%と,clopidogrel群にて低かった(OR低下20%,p=0.03)。うち心血管死は4.4% vs 4.5%(OR低下3%,有意差なし),MI再発は4.1% vs 5.9%(OR低下31%,p=0.02),血行再建術を要する虚血再発は3.5% vs 4.5%(OR低下24%,p=0.11)であった。
安全性の一次エンドポイントは1.3% vs 1.1%と有意差は認められなかった(p=0.64)。血管造影実施翌日までの頭蓋内出血は0.5% vs 0.7%(p=0.38),TIMI小出血は1.0% vs 0.5%(p=0.17)といずれも有意差は認められなかった。

●有害事象
[評価項目]に表記あり。

文献: Sabatine MS, et a;, CLARITY-TIMI 28 Investigators. Addition of clopidogrel to aspirin and fibrinolytic therapy for myocardial infarction with ST-segment elevation. N Engl J Med 2005; 352: 1179-89. pubmed
関連トライアル 3T/2R, ACCOAST, ACTIVE A, BRAVE-3, CHAMPION PCI, CHAMPION PHOENIX, CHAMPION PLATFORM, Chan FK et al, CHARISMA, clopidogrel追加による死亡率抑制効果, COGENT, COMMIT, CREDO, CURE, CURRENT-OASIS 7, ECLAP, EMIP, ESSENCE 1997, ExTRACT-TIMI 25, ExTRACT-TIMI 25 clopidogrel, ExTRACT-TIMI 25 PCI, FAST-MI CYP2C19 and PPI, FAST-MI genetic determinants, GUSTO IIb 1996, GUSTO IIb 1997, HART 1990, ICTUS, IMPACT-AMI, ISAR, ISAR-REACT 3, KAMIR, Mega JL et al, MHI Level 1 MI programme, MSPIRG, PAMI, PCI-CLARITY, PCI-CURE, PLATO, PLATO total events, PRISM, PRISM-PLUS 1998, PRoFESS, PURSUIT 1998, RESTORE, SCAAR upstream clopidogrel treatment, Sorensen R et al (2011), SPS3, STARS, STREAM, TACTICS-TIMI 18 2001, TIMI 5, TRA 2P-TIMI 50, TRACER, TRANSFER-AMI, TRILOGY ACS, TRITON-TIMI 38, TRITON-TIMI 38 early and late benefits, WASID, WAVE, White HD et al, WHS
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