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CREDO Clopidogrel for the Reduction of Events during Observation
結論 症候性冠動脈疾患患者において,clopidogrel+aspirinを経皮的冠動脈形成術(PCI)施行前に加え施行後に1年間投与することにより,有害虚血性イベント発生を抑制した。また,PCI施行6時間以上前までのclopidogrel前投与は心イベントのリスクを低下させた。
コメント 現在までのわが国では冠動脈インターベンションの施行時期とチエノピリジンの開始時期について明確な意識を有していない施設が多かった。わが国でクロピドグレルが使用されるようになった時に,インターベンション開始6時間以上前の開始が必要であるか否か,今後の経験の蓄積が日本人にどのような結果をもたらすか,興味深い領域である。(後藤信哉

目的 症候性冠動脈疾患患者において,clopidogrel+aspirinを,PCI施行前に加え施行後1年間投与による効果を検討。一次エンドポイント:1年後の死亡+心筋梗塞(MI)+脳卒中(intention-to-treat[ITT]解析),28日後の死亡+MI+標的血管緊急血行再建術(UTVR)(per-protocol解析)。二次エンドポイント:安全性(28日後,1年後の大出血,試験薬投与中止)。
デザイン ランダム化,二重盲検,ITT解析およびper-protocol解析。
セッティング 多施設(99施設)。2ヵ国(米国,カナダ)。
期間 登録期間は1999年6月-2001年4月。追跡期間は1年。
対象患者 2116例。21歳以上,虚血の客観的な証拠を有する症候性冠動脈疾患患者で,PCI施行予定(または施行可能性が高い)例。
【除外基準】抗血栓症薬/抗血小板薬の禁忌,左主幹部の>50%の狭窄,2週間以内の冠動脈インターベンション不成功,解剖学的にステント植込み不可,24時間以内の持続的なST上昇,二期的に冠動脈にインターベンションを繰り返す予定の症例,7日以内のGp IIb/IIIa受容体拮抗薬,10日以内のclopidogrel,24時間以内の血栓溶解薬投与など。
【患者背景】平均年齢はclopidogrel群61.5±11.2歳,プラセボ群61.8±11.0歳。
治療法 clopidogrel群(1053例。PCI施行前3-24時間以内にclopidogrel 300mgを負荷投与。PCI施行後,clopidogrel 75mg/日を1年間投与)とプラセボ群(1063例。PCI施行後-28日後はclopidogrel 75mg/日を投与,それ以外の試験期間はプラセボ投与)にランダム化。
全例にaspirinをPCI前に325mg,PCI施行直後-28日後まで325mg/日,29日-1年後まで81-325mg/日を投与。
追跡完了率 1年後の追跡不能はclopidogrel群38例,プラセボ群48例。
追跡28日後のper-protocol解析対象は900例,915例,追跡1年後のITT解析対象は1053例,1063例。
【脱落理由】試験参加合意撤回28例,31例,追跡不能8例,15例など。
結果

●評価項目
1年後の死亡+MI+脳卒中は,clopidogrel群89例(8.5%)vs プラセボ群122例(11.5%)で,相対リスク減少率(RRR)26.9%(95%CI 3.9-44.4,p=0.02)であった。内訳は,死亡18例 vs 24例(RRR 24.6,95%CI -38.9-59.1),MI 70例 vs 90例(RRR 21.7,95%CI -7.1-42.7),脳卒中9例 vs 12例(RRR 25.0,95%CI -77.9-68.4)であった。
28日後の死亡+MI+UTVRは,clopidogrel群6.8% vsプラセボ群8.3%,RRR 18.5%(95%CI -14.2-41.8)で,有意差はみられなかった(p=0.23)。内訳は,死亡0例 vs 4例,MI 52例 vs 60例,UTVR 9例 vs 12例であった。
PCI施行前のclopidogrel投与をタイミング別(PCI施行前3-6時間,6-12時間,12-24時間)に評価したところ,6時間前までの投与は,3-6時間前の投与に比しRRR 38.6%(95%CI -1.6-62.9)で,有意差はボーダーラインであった(p=0.051)。
大出血は,28日後,1年後とも有意差はなかったが,1年後ではclopidogrel群でプラセボ群に比し増加傾向がみられた(8.8% vs 6.7%,p=0.07)。28日後までの試験薬投与中止は50例,44例,1年後までの試験薬投与中止は411例,420例であった(うち副作用による中止は142例,119例)。

●有害事象
[評価項目]に記載あり。

文献: Steinhubl SR, et al; CREDO Investigators. Clopidogrel for the Reduction of Events During Observation Early and sustained dual oral antiplatelet therapy following percutaneous coronary intervention: a randomized controlled trial. JAMA 2002; 288: 2411-20. pubmed
関連トライアル 3T/2R, ACTIVE A, ACTIVE W, APPRAISE, ARMYDA-5 PRELOAD, Cadroy Y et al, CAPRIE 1996, CAPRIE 1999, CAPRIE 2000, CASPAR , CAST-IST, CHAMPION PCI, CHAMPION PHOENIX, CHAMPION PLATFORM, CHARISMA, CHARISMA bleeding complications, CHARISMA stroke severity, CHARISMA subgroup analysis, CLARITY-TIMI 28, CLASSICS, CURE, ESPRIT 2001, EXCELSIOR CYP2C19, EXCITE, ISAR-REACT 3, ISAR-SWEET, Kereiakes DJ et al 1996, Lamberts M et al, MATCH, Migliorini A et al, Mishkel GJ et al, Müller C et al, OASIS Pilot Study 1998, On-TIME 2 pooled analysis, ONSET/OFFSET, OPTIMIZE, OPUS-TIMI 16, PCI-CLARITY, PCI-CURE, Physicians' Health Study 1991, PLATO invasive strategy, PRODIGY, PRoFESS acute ischemic stroke, REAL-LATE / ZEST-LATE, Sachdeva A et al, SCAAR upstream clopidogrel treatment, STARS, SWISSI II, TPT, TRITON-TIMI 38, TRITON-TIMI 38 early and late benefits, TRITON-TIMI 38 PCI
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