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FISS-tris Fraxiparine in Ischemic Stroke Study-tris
結論 脳主幹動脈閉塞症(LAOD)を有する急性脳卒中患者に対する低分子量heparin(LMWH)のベネフィットは,aspirinを上回らなかった。

目的 LAODを有する急性虚血性脳卒中患者におけるnadroparin calcium静注は,aspirinに比して6ヵ月後の脳卒中転帰を改善するという仮説を検証。一次エンドポイント:6ヵ月後の転帰良好(Barthel Index≧85)。二次エンドポイント:National Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコアmodified Rankin Score[mRS](転帰良好は0-1および0-2と定義);mini-mental state examination(MMSE)スコア(以上10日および6ヵ月後);6ヵ月後のInternational Stroke Trial(IST)questions;10日後,6ヵ月後の全死亡;試験期間中の血栓塞栓イベント(脳卒中再発,冠症候群,深部静脈血栓症,および肺塞栓症)。
デザイン ランダム化,単盲検(評価者のみ),intention-to-treat解析。本試験はFISS(N Engl J Med 1995; 333:1588)の臨床病型を限定した3度目の臨床試験。
セッティング 多施設(11施設)。2ヵ国(香港,シンガポール)。
期間 登録期間は2001年4月25日-2004年9月11日。治療期間は10日+6ヵ月。追跡期間は6ヵ月。
対象患者 353例。18-90歳でLAODが確認された,発症後48時間未満の急性虚血性脳卒中患者。
【除外基準】発作前のmRS>1,NIHSS スコア>22,脳内出血の既往,発症前の抗凝固療法歴,または抗凝固療法を要するなど。
【患者背景】平均年齢はaspirin群67.2±10.5歳,LMWH群66.7±9.8歳。
治療法 LMWH群(180例;nadroparin calcium 3800IU/0.4mLを1日2回皮下注)とaspirin群(173例;aspirin 160mg /日)にランダム化。10日間投与後,全例にaspirin 80-300mg/日を6ヵ月間投与。
追跡完了率 追跡不能はLMWH群1例,aspirin群2例。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
6ヵ月後の転帰良好はLMWH群131例(73%)に比しaspirin群119例(69%)で,絶対リスク減少(ARR)は4%(95%CI -5-13)であった。
二次エンドポイントは,平均NIHSS スコアは3.8±4.7 vs 3.9±4.3(p=0.89),mRS スコア0-1は54% vs 44%(ARR 10%,オッズ比[OR]1.55[95%CI 1.02-2.35]),mRS スコア0-2は72% vs 65%(ARR 7%,OR 1.39[95%CI 0.89-2.19]),平均MMSE スコアは24.7±5.5 vs 23.3±7.0(p=0.055),ISTは62% vs 54%(ARR 8%,OR 1.37[95%CI 0.89-2.10]),6ヵ月後の全死亡は9例(5%)vs 8例(5%)であった。
血栓塞栓イベントについては,10日-6ヵ月後の脳卒中再発は8例(4%)vs 9例(5%),急性冠症候群は6例(3%)vs 2例(1%),深部静脈血栓は1例(1%)vs 2例(1%),肺塞栓症は0例vs 0例にみられた。

●有害事象
重篤な有害事象は同程度(48% vs 48%)であったが,出血性の有害事象はLMWH群でaspirin群に比して多かった(14% vs 9%,OR 1.77[95%CI 1.05-2.97],p=0.031)。

文献: Wong KS, et al. and FISS-tris Study Investigators. Low-molecular-weight heparin compared with aspirin for the treatment of acute ischaemic stroke in Asian patients with large artery occlusive disease: a randomised study. Lancet Neurol 2007; 6: 407-13. pubmed
関連トライアル ACTIVE W CHADS2 score, ACTIVE W paroxysmal vs sustained, ATLAS ACS-TIMI 46 , CAST-IST, ECASS III additional outcomes, EPITHET, ESPRIT , ESTAT, FRAX.I.S, Georgiadis D et al, 2009, HAEST subanalysis, IPSS antithrombotic treatments, IST 1997, IST 2001, MAST-I, PREVAIL, PREVAIL subanalysis, PROTECT AF, Schwammenthal Y et al, 脳梗塞急性期におけるheparin投与
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