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SWISSI II Swiss International Study on Silent Ischemia Type II
結論 最近心筋梗塞(MI)を発症した,無症候性虚血と1-2枝の冠動脈疾患の合併患者において,経皮的冠動脈形成術(PCI)は薬物療法に比し,主要心イベントの長期リスクを低下させた。

目的 MI発症後の無症候性虚血患者において,長期アウトカムの改善をPCIと抗虚血薬物療法で比較。一次エンドポイント:心臓死+非致死的MI+症候由来の血行再建術。二次エンドポイント:一次エンドポイント+非心臓死,全死亡,血行再建術施行に至らない狭心症。その他のエンドポイント:運動負荷誘発心筋虚血,LVEF。
デザイン ランダム化,オープン,単盲検(評価医)。intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(3施設),スイス。
期間 登録期間は1991年5月2日-1997年2月25日。平均追跡期間は10.2±2.6年(2006年5月23日まで)。
対象患者 201例。以下を満たす最近MIを発症した無症候性心筋虚血の患者:過去3ヵ月以内にST上昇型または非ST上昇型MIを初発,悪性腫瘍なし,症候限界性運動負荷試験において胸痛を覚えることなく最大負荷に到達,著明なST減少,ストレス・イメージング法による無症候性虚血の所見,血管造影によるPCIに適した1-2枝の冠動脈疾患の所見。
【除外基準】表記なし。
【患者背景】平均年齢はPCI群54.4±9.1歳,薬物療法群56.2±8.8歳。
治療法 PCI群(96例。残留狭窄部75%以下の完全血行再建を目標としてバルーン形成術を施行[ステントはなし])と薬物療法群(105例。自転車エルゴメーター後の無症候性虚血の消失[または最大限の減少]を目標として,bisoprolol 5-10mg/日,amlodipine 5-10mg/日,molsidomine 4-12mg/1日2回のいずれかを単独または併用投与。投与開始時の薬剤,用量の増加などはかかりつけ医および試験医の判断による。抗高血圧薬物療法としてACE阻害薬を推奨)にランダム化。
全例に二次予防のアドバイス(体重管理,食生活,禁煙,運動)を指示し,aspirin 100mg/日およびスタチンを投与。
追跡完了率 追跡完了率は95.5%(脱落はPCI群3例,薬物療法群6例)。
【脱落理由】辞退4例,転居3例,虚弱2例。
結果

●評価項目
一次エンドポイントはPCI群が28%(27例;心臓死1例,非致死的MIの再発10例,症候由来の血行再建術16例)と,薬物療法群64%(67例;心臓死7例,非致死的MIの再発37例,症候由来の血行再建術23例)に比し低かった(補正後ハザード比[HR]0.33,95%CI 0.20-0.55,p<0.001。絶対イベント低下6.3%/年,95%CI 3.7-8.9,p<0.001)。
二次エンドポイントは非心臓死(PCI群3例 vs 薬物療法群0例)を除き,いずれもPCI群にて低いか,またはその傾向が認められた(心臓死;補正後HR 0.19,p=0.01,非致死的MI;補正後HR 0.31,p=0.002,症候由来の血行再建術:補正後HR 0.48,p=0.008,血行再建術施行に至らない狭心症;補正後HR 0.37,p=0.009,全死亡;補正後HR 0.42,p=0.08)。
追跡期間終了時の運動負荷誘発心筋虚血はPCI群11.6%で,薬物療法群28.9%に比し低かった(p=0.03)。
LVEFはPCI群では維持されていたが(ベースライン時53.9±9.9%,追跡完了時55.6±8.1%),薬物療法群では低下した(ベースライン時59.7±11.8%,追跡完了時48.8±7.9%,p<0.001)。

●有害事象
[評価項目]に表記あり。

文献: Erne P, et al. Effects of percutaneous coronary interventions in silent ischemia after myocardial infarction: the SWISSI II randomized controlled trial. JAMA 2007; 297: 1985-91. pubmed
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