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D.E.S. Cover Registry Drug-eluting Stent Cover Registry
結論 現在の米国において,薬剤溶出ステントは適応外または未認可の症例に対し広範に使用されていた。標準適応例に比べ,適応外例にて経皮的冠動脈形成術(PCI)後30日間の死亡+心筋梗塞(MI)+ステント血栓症のリスクが高く,適応外および挑戦例にて術後1年間の血行再建術のリスクが高かった。

目的 PCI施行時に薬剤溶出ステント植込み術を施行した患者において,標準的適応例と適応外または挑戦例の有効性および安全性を比較。有効性の一次エンドポイント:退院後1年間の標的血管血行再建術(PCIまたは冠動脈バイパス術)。安全性の一次エンドポイント:入院中,退院後30日間,1年間の死亡+心筋梗塞(MI)+ステント血栓症。
デザイン 前向きコホート研究。
セッティング 多施設(140施設)。米国。
期間 追跡期間は退院後1年(平均11.0±3.2ヵ月)。
対象患者 5541例。2005年1月-2005年6月に薬剤溶出ステント(sirolimus/paclitaxcel)の施術のみ(他のデバイスはなし)を受け,その臨床適応状況が確認できた連続した患者。
【除外基準】表記なし。
【患者背景】平均年齢は63.8±11.8歳。
治療法 標準適応例(2953例。新規発症の病変長30mm/28mm以下[sirolimus/paclitaxcel,以下同じ],かつ参照血管径2.5-3.5mm/2.5-3.75mmの別個の病変),適応外例(1398例。再狭窄部,バイパス部,病変長30mm/28mm超,参照血管径2.5mm未満または3.5mm/3.75mm超の病変),挑戦例(1190例。有効性と安全性が確立していない,左主幹部,入口部,分岐部,完全閉塞部の病変)を比較。
適応外および挑戦の両方の基準に合致した場合は適応外例とした。退院時にclopidogrelを処方し,投与予定期間を手術医師が報告。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
適応外または挑戦のステント施行例は2588例(47%)で,患者背景は全般的に標準適応例に比し臨床的に重度であった。
入院中の死亡+MI+ステント血栓症の発症率は標準適応例0.4% vs 適応外例0.9% vs 挑戦例0.8%で,補正後ハザード比(HR)は適応外例1.69(95%CI 0.74-3.86,p=0.21),挑戦例1.49(95%CI 0.60-3.72,p=0.39)と,標準適応例との有意差はみられなかった。
退院後30日間の死亡+MI+ステント血栓症の発症率は1.0% vs 2.5% vs 1.6%で,補正後HRは適応外例にて有意差がみられたが(2.08,95%CI 1.24-3.48,p=0.005),挑戦例では有意差はみられなかった(1.45,95%CI 0.79-2.67,p=0.23)。
退院後1年間の死亡+MI+ステント血栓症の発症率は,4.3% vs 6.9% vs 4.4%で,30日間の発症を除いた補正後HRは適応外例(1.10,95%CI 0.79-1.54,p=0.57),挑戦例(0.91,95%CI 0.60-1.38,p=0.66)とも有意差はみられなかった。
有効性の一次エンドポイントは4.4% vs 7.6% vs 6.7%で,補正後HRは適応外例(1.49,95%CI 1.13-1.98,p=0.005),挑戦例(1.49,95%CI 1.10-2.02,p=0.01)とも有意差がみられた。

●有害事象
[評価項目]に表記あり。

文献: Beohar N, et al. Outcomes and complications associated with off-label and untested use of drug-eluting stents. JAMA 2007; 297: 1992-2000. pubmed
関連トライアル ADAPT-DES, EVENT, OPTIMIZE, SPIRIT III, SWISSI II, TRITON-TIMI 38 PCI
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