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COURAGE Clinical Outcomes Utilizing Revascularization and Aggressive Drug Evaluation
結論 安定冠動脈疾患患者において,初期管理ストラテジーとしての経皮的冠動脈形成術(PCI)+至適薬物治療は,至適薬物治療単独に比し,短期では狭心症発症を抑制したが,長期の死亡,心筋梗塞(MI),その他主要な心血管イベントのリスクは低下させなかった。

目的 安定冠動脈疾患患者において,死亡および非致死的MIの抑制効果を, PCI+至適薬物治療と,至適薬物治療単独で比較。一次エンドポイント:全死亡+非致死的MI。二次エンドポイント:死亡+MI+脳卒中,急性冠動脈症候群による入院。
デザイン ランダム化,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(50施設)。米国,カナダ。
期間 登録期間は1999年6月-2004年1月。追跡期間中央値は4.6年(範囲2.5-7.0年)。
対象患者 2287例。安定冠動脈疾患患者,および初期にCanadian Cardiovascular Society(CCS)class IV狭心症とされ,薬物療法により安定した症例を対象とした。組み入れられた症例は,心外膜冠動脈の近位部1ヵ所以上にて70%以上の狭窄,かつ心筋虚血のエビデンス(安静時心電図におけるST低下/T波反転の大きな変化/運動または血管拡張薬の負荷により誘発された虚血),または冠動脈の1ヵ所以上にて80%以上の狭窄,かつ誘発試験によらない典型的な狭心症であった。
【除外基準】持続性CCS class IV狭心症,負荷試験にて明らかに陽性(大きなST減少またはBruce法の第1段階にて降圧反応),難治性心不全または心原性ショック,駆出率30%未満,6ヵ月以内の血行再建術,PCIに適さない冠動脈の構造。
【患者背景】平均年齢はPCI群61.5±10.1歳,薬物治療群61.8±9.7歳。
治療法 PCI+薬物治療群(1149例;PCI群)と薬物治療単独群(1138例;薬物治療群)にランダム化。
全例に(1)抗血小板療法としてaspirin 81-325mg/日(aspirin不耐例はclopidogrel 75mg/日)を投与,(2)抗虚血療法として持続型metoprolol,amlodipine,isosorbide mononitrateを単独/併用投与し,標準的二次予防としてlisinoprilまたはlosartanを投与,(3)LDLコレステロール値を低下させる積極的治療としてsimvastatin単独投与またはsimvastatin+ezetimibe併用投与を実施し,目標値(60-85mg/dL)達成後は,HDLコレステロール値を上昇させ(目標値:40mg/dL超),かつトリグリセリド値を低下させる(目標値:150mg/dL未満)ために運動/長期作用型niacin投与/fibrate投与のいずれか1つ以上を実施。
PCI施行例に対しては常に標的部位における血行再建術を試み,臨床的に適切な場合のみ完全な血行再建術を実施。またガイドラインに従ってaspirin/clopidogrelを投与。
追跡完了率 脱落は9%(PCI群107例,薬物治療群97例)。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
一次エンドポイントはPCI群211例 vs 薬物治療群202例に認められ,累積発症率(4.6年間,以下同)は19.0% vs 18.5%と,両群同様であった(PCI群に対するハザード比[HR]1.05,95%CI 0.87-1.27,p=0.62)。
死亡+MI+脳卒中の累積発症率は20.0% vs 19.5%(HR 1.05,95%CI 0.87-1.27,p=0.62),急性冠動脈症候群による入院の累積発生率は12.4% vs 11.8%(HR 1.07,95%CI 0.84-1.37,p=0.56),MIの累積発症率は13.2% vs 12.3%(HR 1.13,95%CI 0.89-1.43,p=0.33)と,すべて有意差は認められなかった。
狭心症の非発症率は1年後66% vs 58%(p<0.001),3年後72% vs 67%(p=0.02)と,短期ではPCI群にて高かったが,長期(5年後)では74% vs 72%(p=0.35)と両群同様であった。

●有害事象
死亡はPCI群85例(累積発症率7.6%;心臓死23例,他の原因45例,原因不明17例),薬物治療群95例(累積発症率8.3%;心臓死25例,他の原因51例,原因不明19例)がみられた(HR 0.87,95%CI 0.65-1.16)。

文献: Boden WE, et al. and COURAGE Trial Research Group. Optimal medical therapy with or without PCI for stable coronary disease. N Engl J Med 2007; 356: 1503-16. pubmed
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